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私の英語多読遍歴124:The New Childhood: Raising Kids to Thrive in a Connected World

中学生の我が子がゲームやYoutubeで時間が溶けているのを懸念していたところにTwitterでこの本を紹介されているのを見て、何か参考になるかと読んでみました。(セールでした←そろそろ言わんでいい?)

私自身子供とデジタルデバイスの関わり方について知りたかったので、それについてを備忘録も兼ねて書いておきます。

この本の主張

常識も生活もどんどん変わっていっているのに古い考えに捕らわれて新しいものを恐れる必要はない
むしろ大人が率先して子供を新しい世界に適応できるよう導くべき

ゲーム

著者の二人の子供(12歳と10歳)の例をふんだんに入れながら、どうしてゲームがこんなに子供を虜にするのかについて説明しています。Sandbox型ゲーム(Minecraftとか)は子供の想像力を伸ばしデジタル上でのいろいろな可能性を見つけるのに役立つ、オンラインゲームは友達と繋がることで人間関係やマナーを学んでいる、と解説しています。また、ゲームや携帯を常に手元に置きたがるのは、中毒ではなくそれが「自分の安全基地」Safety Blanketの役割を果たしているからだそうです。

スクリーンタイム

調査によると親世代がTVなどの前にいる時間と今の子供がデバイスの前にいる時間はほぼ同じだそうです。(これ読んで、たしかに…と思いました)
また、細切れのコンテンツや頻繁な通知で集中が削がれるという意見に対しては、そもそも今の大人の社会もメールやSlackの通知がじゃんじゃん入ってくるしネットなしではなりたたないわけだから、今後の大人社会に適応するために必要な訓練であるとしています。むしろ学校教育が変わるべきと。

SNS

これについては危険性は認めた上で、例えば道路の渡り方は一人で渡れるようになる前に親と練習してルールを覚えるように、本人がやりたいと言い出すまえに親が安全なグループ内などでルールを教えるのがよいとのこと。(家族や親戚、教会のグループにまずは参加させる)それをせずにいきなりティーンエイジャーがたむろしているところに放り込むのはトラブルの元であると言っています。

家族の関わり

デジタルの世界は家と外、自分と他人との境界が曖昧になりがちなので、確固とした自分自身を確立されるためにも家庭は大切。ゲームを一緒にやってその話をしたり、家族の歴史を話したりすることで子供との関係を築き、心の基地としての家を用意することで子供は人格をしっかり作ることができるそう。

学校教育

今の時間で区切って特定の教科を学ぶやり方は修道院での修行が元になっている。つまり現代社会には則していない古いやり方。ゲームなども使ってデジタルツールをどのように利用するかを学校で教えることはこれからは必須であるとしています。結局学校教育というのは、社会にでて仕事をするための訓練と考えれば時代の変化についていくために教育も変わる必要があるということを繰り返し書いています。

デジタルマーケティング

YoutubeにしてもNetflixにしても、マーケティングとアルゴリズムで「見たいものだけ」を見せられ場合によっては意見を誘導されたりするのは確かなので、子供にはその仕組みをきちんと教え、またCritical Thinkingも教えておかないと実社会で反対意見に遭遇したときに対処が難しいだろうと言っています。

その他

どうしていまの形の教育が生まれたのかや、常識の移り変わりについてなど面白い発見がいろいろありました。ここにあげたのは一例かつ私の印象に残ったところで、読む人によって興味ある箇所や受け取り方も変わると思うので、面白そうだなと思ったら是非読んで見てください。最先端の学校教育などについても紹介があり、日本との違いに目眩がしましたw

感想

親世代はいつでも自分たちの知らないものについては怖がるし、自分たちと同じようになってほしいと古いやり方を押し付けがちというのは同意しかないですね。私が子供だったとき、テレビを見たりマンガを読んだりすると馬鹿になって将来困ると散々言われましたが、じゃあテレビ禁止の家で育った人が今成功しているかというとどうですかね。大事なのは、時代の変化に親も教師も対応して子供に適切な道案内ができること、という意見には賛成です。

今の子供達が大人になるころには、もしかしたら24時間デバイスをつけてメタバースで生きているのがトレンドかもしれないし、脳とインターネットがつながっているかもしれませんね。変化は避けられないので適応していこう、とポジティブに考えることは大事だなと思いました。

それじゃあYoutubeどっぷりの子供をほっといていいのかと言う最初の疑問ですが、結局依存するのはテクノロジーの問題ではなく本人の問題なんですよね。ネットがない時代ならTVに依存していたでしょうし。なので自分をコントロールする訓練をしているのだと思い静観します。できなかったら?それはそれでそういう世代なのでなんとか生き残れたら御の字ということで。未来は誰にも予測できませんが、古い価値観では対応できないことだけは確かだと思います。

なお英語ですが、子供の話とかゲームがどうこうとか馴染みのあるあたりはともかく教育論みたいなあたりは目が滑りましたwあまり見かけない単語も多かったのと、一文がやたら長い(言い換えや節がいっぱい入っていてうっかりするとページ半分くらいが一つの文とか)ことが多く、頭から読んでそのまま理解できない場合かなりしんどいかと。身近な例がたくさん入っていたのでそこは読みやすかったです。

ゲームを一緒にやってる親はOKってあったのでああ良かったと思いましたw(私の場合別に教育的な意味でやっているのではなく単に趣味ですが)SNSを一緒に…はなかなかハードルが高いですねーTwitterアカウントとか絶対子供にバレたくないしFBもインスタも陽キャがまぶしくてやってませんし

親や教育者の立場の人、またデジタルネイティブの子供ってどうよと思う人にも。読んでちょっとデジタルデバイスやゲームへの見方が変わりました。

以上「The New Childhood: Raising Kids to Thrive in a Connected World」でした。

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