見出し画像

私の英語多読遍歴67:Mockingbird

ツイッターのフォロワーさんからおすすめしてもらったので読みました。

アメリカのヴァージニア州で起こった学校での銃乱射事件をベースにした物語です。主人公は犠牲となった中学生の男の子の妹ケイトリン。彼女はアスペルガー症候群を持っています。物語はケイトリンの視点で会話と思考を中心に語られていきます。

著者には同症候群を持つ娘さんがいるそうで、特性ゆえの行動や思考パターンなどとても丁寧に描写されています。身近にこの症候群を持つ人がいたら、読んでみると理解の助けになるかもしれません。

自分をいつも守ってくれた大好きな兄が死んでしまった。それは現象としては理解しているのですが、なぜ周りがそれで泣いたり、自分に憐れみの目を向けたりするのかが理解できないケイトリン。しかしこの事件をきっかけに人の感情と共感することを学び、友達ができます。

とても悲しいテーマの話ですが、最後は希望を見つけて終わるので読後感はよかったです。

モッキングバードというのは他の鳥の声を真似る鳥のことですが、この物語ではなんども「To Kill a Mockingbird」という古い映画の話が出てきます。邦題は「アラバマ物語」アメリカでは古典名作のようなので、ざっとあらすじを読んでおくと理解しやすいかもしれません。(そりゃ映画みたり原作読む方がいいでしょうけど)

英語はかなりわかりやすいです。主人公の特性からあいまいな物言いはまったくしないので想像で補うところはまずありません。思考がだーーーっと連なるところは一文が長かったりしますが、子供なので難しいことは言っていません。周りの人も彼女に話すときには細かいところまで説明するので読んでいる方にもわかりやすかったです。話もそれほど長くないのでサクサク読めました。

重いテーマなので、おすすめされなかったら多分手に取ることはなかったと思います。しかし主人公の淡々とした語りは悲壮感をあまり強調しないので最後まで読み通すことができました。自分では選ばないだろう本もこうして出会うことができるのはありがたいです。もっと読むのが速くなってあれもこれも読めるようになるといいんだけど。

以上、「Mockingbird」でした。

もしよろしければサポートいただけると励みになります。いただいたサポートは学習の糧として使わせていただきます。