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INI武道館ライブ、写真登録事件ー今日はマカえんの話はありません

うっかりしていた。
友人からやれと言われていたことをやらずに放っておいたら、
ついに昨夜、「【重要】」と書かれた警告文かのような怖いメールがコンサート事務局から送られてきているのに気づき、慌てて作業した。

12月の上旬頃には友人から「チケットに必要だから顔写真の登録お願いね!」と丁寧なLINEをもらっていたのに、送られてきた「重要なご案内」メールのコピー文面がやたら長く、かなりの気力を必要としそうですぐ閉じた。

12月中旬に1度、「ご案内」LINEを開いた。
4回スクロールしてもまだ文末にたどりつけないほど長く、その下にはなんと5つもリンクが貼られている。一体、何をそんなにご案内しているのか。
ここでやっておけばよかったが、子どもからせがまれた今は販売していないおもちゃをメルカリで探し出す作業などクリスマスプレゼントの準備でそれどころではなく、再び閉じる。

12月下旬にも2日に1度は「ご案内」を眺めていた。
そのうち1回くらいは、リンクをクリックしたのだが、「FCご入会」ページに飛んでしまい、必要なページに飛べずスマホ初心者の老人のようにオロオロして閉じるハメに。

「年末にゆっくりやるか」と思っていたが、28日まで仕事のトラブルに見舞われ対処できず。

正月。気が乗らないので頭の隅にはあったが見ないことにした。
そして、世の中が動き始めた三が日明け。年末年始でガードされていた結界を破るように怒涛の業務に追われ、疲労しきった脳であの5つのリンクから必要なページへアクセスする作業を想像すると、さらにぐったりし、よく眠れた。

そして、昨晩。夕飯をすませ、布団でごろごろしながら何気なくメールボックスを開くと、何やらただならぬ気配を感じるメールが1通届いていた。

「【重要】」とタイトルにも、メール本文の頭にもついている。
【】を使うときは、「超絶緊急事態」のときか、「何度送っても梨の礫の者」に対して送るときと相場は決まっているので、慌てて開いた。

なんと! 1月8日に行われる日本武道館のINIライブのチケットに必要な顔写真の登録に審査があると書かれていた。

「審査!?」
「MYページ」に自分の写真をアップするだけなのに、審査!?

しかも、顔写真の登録審査に通過しなければ、入場ができないらしい。
さらに追い討ちをかけたのが、「審査締め切り日:12月28日23:59」の文字。

これはショックだった。数日の超過ならまだしも、年まで越してしまった。
やばい。やばすぎる。もう一度、「【重要】ご案内」に目を通し、何かこういう社会のルールを守れない無法者を救済する措置が必ずあるはずだ。
アメリカだったら、「NO」の一点張りで対応してくれないかもしれないが、日本ならお客様は神様だ。顧客満足度を上げる企業努力をしないとは何事だ、とモンスターカスタマー化し、舌打ちしながら再びメールに目を通す。

「適切か審査をさせていただきます」
「審査にお時間をいただいております」
「審査後にNGとなる場合がございます」
と写真の「審査」がいかに難しいかを伝える文面が並んでいた。

それを見て私は、モニターがずらりと配置されたコールセンターのような場所で派遣やアルバイトの人々が、審査用の写真を見ながら

「メイクバッチリの勝負写真送ってきてるねー」
「うわ、レタッチしすぎじゃない?」

などと論評しながら流れ作業で審査している様子を思い浮かべた。もしかしたら、そんな無駄口を挟む暇もないほど、大量の写真を処理しているのかもしれないが。

数々の企業から「厳正なる審査によって今回は残念ながら・・・」とお祈りメールをいただいた新卒時の就活がフラッシュバックし、体温が2度ほど下がるのを感じた。

よもやこんなトラップが潜んでいるとは・・・。

とにかくなりふり構わず、貼られているリンクに片っ端からアクセスした。
すると「イレギュラー対応窓口」という単語を発見。
やはり、毎公演、締め切りを守らず、「【重要】」メールすらも見ない奴がいるようだ。

日本のどこかで、INIライブの激戦倍率のチケットをゲットしたにもかかわらず、会場手前で顔写真がないことで参戦できない危機に直面しているファンのことを思い、仲間意識が芽生えた。座席に着くまでが、コンサートです。

どうやら、このイレギュラー対応窓口は、審査を通過できずに公演当日を迎えた人が入場するための場所らしい。公演の1時間前から受け付けているそうだが、やはり「※」で、超並ぶから早く来い、といった内容のことが書かれていた。

化粧している日にちゃんと自撮りしよ、と言い訳してほぼ毎日すっぴんで過ごし、なかなか化粧している日がやって来ず、先延ばしにしていたツケを当日に払わされるのか・・・。このクソ寒い1月に!外で並びたくない!

写真のアップは1分もしないで終えた。
こんなことなら早くやればよかった・・・。
じたばたしても仕方がないので神頼みした。
中間試験の前日の絶望感を思い出す。

INIに限らないかもしれないが、最近のアイドルのチケットは厳重すぎて、まったく気軽に行けない。

まず、購入の時点でつまずいた。
以下、間違っているかもしれないがおぼろげな記憶で書くとこうだ。

①一次申し込み(FC最速先行:申し込む人は年会員・同行者は月会員)
②二次申し込み(FC先行:申し込む人は年か月会員・同行者は会員じゃなくてよい)
③三次申し込み(一般)?

そのうえ、二重申し込みは不可らしく、同行者はメイン申し込みができない仕組みになっている。
あまりに複雑で、ポンチ絵を掲載して「落選時の組み合わせ」が図解までされている。

さらに、顔写真審査をするにもかかわらず、本人確認の書類まで持参せねばならないらしい。

そもそも、同行者まで会員にならねば行けないとは、人気絶頂時の嵐のコンサートよりも厳しい。ここまでくると、一体どんなヤバい転売が行われたのだろうかと勘ぐりたくなる。

マイナンバーカードを家の中で紛失し、再発行の申請に昨年11月頃に区役所まで出向いた。そこでも、

「たくさんの方の申請と審査がありお時間頂戴しております」

と断られ、いつもらえるか聞いたら、「3ヶ月お待ちください」とのこと。
発行しろと金配りまでして促しているマイナンバーカードにもかかわらず、3ヶ月待ち!!!!! どうなっているんだ。

しかも、個人番号は厳重取り扱いされているので、みんなほぼ使わず家に保管しっぱなしで、私のように紛失するケースが相次いているだろう。
免許証のない私は、仕方がないのでパスポートを持参するしかないが、
どう考えても、マイナンバーなんかよりもパスポートの方が貴重だと思うのだが・・・。

さっさと発行して、使いやすくする方が普及するのでは?という当たり前すぎる疑問がよぎる。

やきもきして一夜を過ごし、先ほど無事に「「審査OK」となりました。」とギャルが頑張って丁寧語を使っているかのようなノリの軽いメールが届く。
なんとか、チケットをとってくれた友人に迷惑をかけずにすみそうだ。


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