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初めての異動から1ヶ月

ゴールデンウィークになった。という事は、異動して1か月たったということ。
この1ヶ月で感じた事を書き残しておきたい

社内転職!?

この1ヶ月の感想を集約するとこれになる。
でも、本気でそう思うぐらい、前の部署と今の部署の制度、文化がまるっきり違う!
同じ会社だよね…?とびっくりしてしまった。

もちろん、どちらにもいい悪いはある。
ただ「今の私」なら今の部署の方が好きかなと思った。

前部署と現部署の違い

私の勤める会社は、ギリギリ大企業に分類されるかな?というぐらいの規模感である。
前に所属していた事業部は、その中でも最大規模を誇る事業部だった。
なので、規模感に沿ったぐらいには大企業らしい事業部だった。
品管にいる時も色々やってはいたが、あくまでも品管の仕事。私が営業や生産現場をメインで担う、なんて事はなかった。

一方、現部署は中小企業のイメージに近い。
開発に始まり、生産、品質保証など、発生した仕事は何でもみんなで手分けしながら行なっている。
OJT中に生産から出荷までのレクチャーも受けたし、先輩は自分の開発した製品の見積もりを自分で出していた。すごい…

前部署の良し悪し

前部署の良いところは「システムが整っているところ」と「周りに聞けば助けてもらえるところ」だと思う。

一つ目については、通常業務で必要な情報はほぼシステム上で管理されていた。
これは、多くの部署(人)が製品に関わることと、マネジメントシステムが浸透していることが理由だと思う。
どの情報を何のシステムにインプットするかが決まっていたので、情報を知りたければそのシステムを見に行けばよかった。

また、現場は情報含めまだオフラインのものが多かったが、ものも情報も定置化されており、オフラインだから困る、ということもなかった。

今どき当たり前だろう、と思っていたが、今の職場はこのシステムがほぼない。
ものも情報も、どこに置くのか全然決まっておらず、誰かに聞いて知る感じ。大学の研究室でももうちょいシステマチックだったような…?と思ってしまうほどである。

二つ目については、一つ目ともつながるが、前任者などの引き継ぎ情報についてもどこにあるか、誰かは知っている。過去の情報についても、システム上でデータベース化されている部分が多い。
また、自分の担当ポジションに所属していたことがある人に聞けば、大体の仕事はわかる。

あと、これはただの社風だと思うが、私が普段と違う動きや、不穏な行動をし始めると、色々声をかけてくれる。皆さん優しい。
でも、これも、ある程度仕事のやり方が分かっているので、普段と違う動きや、不穏な行動というのが外から見ていてわかる、とも言える。

最悪やって分からなくても、助けてください!って言えば、誰かは答えを知っているか、的確な解決策を提案してくれる。そんな安心感が前の職場にはあった。

悪いところは「変化を嫌うこと」と「何でも時間がかかること」だと思う。

良いところの裏返しになるが、ある程度システムとして出来上がっているという事は、その一つを変えたい、となると、他のフェーズに影響がないかを見直さなくてはならない。
人も部署も多岐にわたる前の部署では、あっちを立てればこっちが立たず、ということが多々あり、折衷案を探すと現状に落ち着く、ということが何度もあった。

そして、この状況、私に悪影響を及ぼす。
「ここ気になるけど、言ってもどーせ無駄かな」なんて考えが頭をよぎるようになるのだ。技術者として、この考え方は致命的だと私は思う。何でも変えれば良いわけではないけど、疑問を持ち、本質を考える姿勢は無くしては行けないと思うからだ。

あと、これは前の事業部の雰囲気的だと思うが、トップダウンの気質が強かった。
そして、トップ層は50代オーバーのおじさんばっかりだった。
さらに、会社や事業部自体が老舗で、昭和っぽい雰囲気の強い部署だった。
結果、上位陣からの指示にブレはあまり生じないが、その分変化も許容されない。
何かを提案した時に「何かを犠牲にしてでも、変えられるところはないか」という姿勢を本気で示してもらった事はほぼなかったと思う。
何回か本気で噛み付いたこともあるが、結局、仕事の結果で上司が望む範囲から出る事はできなかった。
まあ、ただ私の意見が未熟で、すでに誰かが通った道だっただけかもしれないが。
でも、この事業部で意見を通したければ、権力をつけるしかなさそうだな、と感じていた。
上記の危険な考え方は、こちらの要因が強かったかもしれない。

二つ目は、大企業あるあるだと思うが、関わる人間が多い分、色んな人に意見を聞いてからじゃないと、何でも変えられない。
会議をする前に根回しをして、その上で何回か会議して、上位陣に話通して、承認もらって…大きな変化であればあるほど、とにかく何でも時間がかかる。しかも、会議や承認ごとに説明や申請の資料の作成作業が入り、また時間がかかる。
しかも、手間をかけても、一つ目の悪いところが影響して、途中で頓挫することも多い。

こんな状況で、自分の通常業務を抱えながら、ここを変えた方がいいと思います!と己を貫ける人が何人いるのだろうか。
少なくとも、私はそんな殊勝な人間ではなかった。

現部署の良し悪し

今の部署の良いところは「変化や異なる意見を歓迎する姿勢がある」ところと「何事も決まるのが早い」ところだと思う。

この辺は、入って早々感じた一件があった。
実験を始めるにあたり、初めて扱うものについて色々調べていた時、気になる資料を見つけて自分用に保存していた。
たまたま話の流れでその資料を直属の上司に紹介したところ「その資料わかりやすくて良いね!僕にも後で送って」と言われた。
しかも、その後更に上の上司にも共有されたらしく「資料ありがとね」と言われた。どっちもすっごくびっくりした。

さらに直属の上司に「この物質、まよらーさんの前任者が探してきたやつだから僕もあまり知らないんだよね」と言われた。

前の職場ではありえない事である。
まず、部下が扱うものに関して、上司が把握していないことがほぼない。
なぜなら、何でも許容されるまでにとことん調べ倒されているので、自然と経験の長い人の方が知っていることが多くなる。
さらに、許容されるまでに時間がかかるので、そもそも昔から使っているものが多い。
部下の方が知識がある、という状況がまず発生しづらい状況なのだ。
また、上司が知らないことを伝えても、判断材料の一部になるぐらいで、それ以上の興味を示されたことなどほぼなかった。

それが、自分用に適当に調べた資料が上へ共有され、さらに物質自体ボトムアップで取り入れられたものだという。

もちろん、開発は市場に出る前なので、失敗したところで他に影響はなく、新しい事を取り入れやすいというバックグラウンドはある。それは部署の役割の違いなので仕方ない。

でも、上司のスタンスが違いすぎるのだ。ここが1番驚いた。
前の職場の上位陣は、新しいことに対して、懸念点を挙げるところから始まる。絶対に現状よりも良くなること、コスパが良いことなどの条件を満たせない限り、変更される事はなかった。「よく分からないし、現状困ってないから、変えなくても良いでしょう」という結論が多かった。

一方、現職の上位陣は「よく知らないけど、良くなりそうなら、一回やってみれば良いじゃん」という感じなのだ。

まず、自分が知らないことをすごくフラットに受け入れる。「へーそうなんだ!知らなかった」とか会議中に普通に言う。
上記の資料を紹介した時も、「自分のテーマで調べて良さそうな事はどんどん教えてね」と言われた。
そして、知らない事でも前向きに取り入れようとしてくれる。「良さそうだね。それ注文して試しておいて」そんな言葉がポンポン出る。
さらに、コストをかけた事で失敗する事を恐れていない。
「前に試したものが上手くいきませんでした」と先輩が報告しても「そっかー残念だったね」以上。
もちろん失敗した理由の仮説は皆さん考えており、上位陣はそれを聞いて、じゃあ次どうしようか、と言う相談が始まる。

新しい事を始めるには、失敗を許容する必要がある。初めてやるのに最初から当てられないか、と検討するのは無理がある。だって初めてだから。
そうやって考え始めると、結局変化させないという結論が最適解になってしまうのだ。私はこの流れを自分の思考の癖で実体験しているので間違いない。

前の職場でも、「新しいことに積極的に挑戦してほしい」とは言いつつ、失敗するとその責任者はものすごく詰められていた。
しかも、実際新しいものをプロジェクト内で提案しても、コストが…とか前も似たようなことしたけど…とか、何かと理由をつけて実現化に至らなかった。
この状況下で新しいこと挑戦するの、すっごい勇気と熱意がいるのでは?と思っていた。

この点で、現職は本当に変化を望んでいるし受け入れている。提案する側としても、自分で調べ、挑戦しようと思える環境。
立ち位置に関係なく意見が受け入れられて、モチベーション上がるなーと感じた。

ただし、悪いところもある。「ルールが決まって無さすぎる」のと「仕事の属人化」である。
要するに、すごく個人主義で放任主義なのだ。

前述の通り、整理整頓とか物の定置化はどこでもした方がいいことだが、現職は全然できていない。
台帳なども存在するが、即時登録すると言う意識が浸透していない。マネジメントシステムの基礎もない状況なのだ。その分、非効率的だなーと思う部分がちょこちょこある。

また、自分で調べて考えてね!と言う事は、テーマの成果や責任のメインは担当に委ねられている状態なのだ。
実は、上記の資料が共有された件で、私は少し恐怖を覚えた。
上記の資料は別に何の問題もない。でも、自分が言ったことがいとも簡単に上まで採用される、と言う事は、発言の責任が自分にある、という事だと感じたのだ。

前職は上司との力関係がはっきりしていた分、私は割と思いついた事をさくさく報告、発言していた。
私の意見は必ず上司というフィルターを通り、そのメインの責任も上司にある状態だったからだ。
少々不完全でも、上司に判断して貰えばいいやという甘えがあったのだ。

現職の上司ももちろん裏付けは確認する。ただ、なるべく採用しようとしてくれるので、質疑応答が多くなる。なので、適当な発言は自分の首を絞める事になるし、それで採用されれば責任も成果も自分のもの。
フラットな関係だからこそ、自分がきちんと調べて考えなくては!と思った。

私は異動でよかったかもしれない

前の部署では、手取り足取り、その代わりトップダウン。
今の部署は、自由な分、放任主義で個人主義。

正直な話、新卒で今の部署配属されるのキツくないか…?と思った。
右も左もわからないのに、突然の個人プレーで、成果や責任を委ねられると思うと…ちょっと自分だったら荷が重いな、と思った。

一方、手取り足取りの前の部署では、降ってくるタスクをまずはこなせば成長できた。
ある程度成長し、自分の意見が出したくなってきたところで、今の部署に異動した感じ。

4年ブランクができてしまった、と思っていたが、私は基礎をがっつり作ってもらってからの方が今の部署で働きやすかったかもしれない。
そう思うと、4年間も無駄じゃなかったなと思う。

今までのことにも感謝しながら希望の仕事に邁進していこうと思った。

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