【レポート】安平町立早来学園に行って
2023年4月に開校した北海道にある安平町立早来学園。この学校のことを知ってから、ずっと見に行ってみたいと思っていた場所です。今回、ほんの少しの時間でしたが見学することができました。ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
ちなみに以前、私のnoteでも紹介させていただいた早来学園の紹介動画はこちら↓
まず、安平の町に着いた瞬間感じたこと、それは・・・
とてつもなく寒い!!!
寒いを通り越していたので、気温を見てみるとなんと-15℃。これには驚きました。
今回案内してくださったのは、安平町教育委員会の学校魅力化コーディネーター松岡亮さん。まずこの役職名が素敵ですね。そして付けていた名札も素敵でした。町の想いが伝わってきます。
早来学園につく前に紹介していただいたのが「はやきた子ども園」。実は安平町の学校づくりの前に安平の町の教育に根付いていたものだそうです。早来学園だけでないのですね。全国的にも有名な取組をされているそうです。ホームページがあったので、ぜひご覧ください。
ちなみに10時ごろには気温も上がってはいたのですが、マイナスの気温の中、園児たちが元気いっぱい遊んでいる姿が見れました。
さて、そしていよいよ早来学園へ!
ただこの冬季の時期は視察の申し込みは終了しており、今回は地域に開かれている部分の見学をさせていただきました。
学校と地域が共同で使用する「まなびお」。ここにはコンシェルジュの方が常駐していて、子どもたちのことも地域の方のことも、この施設を利用する方みんなを見守ってくれているそうです。
私が訪れたときも、仕事をされている方がいたり、会議室でミーティングをされている方がいたり、みんなで何か活動をされている方がいたりと、このスペースが町の中の一部として根付いているのを感じました。
1つ1つの場所づくりに思いや工夫がつまっていて
「こんな風に使って欲しい」
「こういうことを感じて欲しい」
という願いが各所に見えるデザインされていました。
セキュリティを守るためシステムを使って上手く分けられていても、様子が見える大きな窓が設置されているなど、学校と地域のお互いの息遣いを感じる設計となっていました。
つながるためには、まずは「知る」こと。見えるという1つの要素で、最初のステップがとても踏みやすくなると感じました。また、本当に居心地の良いスペースなので、自然と足を運びたくなる場所、そして安心して居れる場所となっていると感じます。
私も自然と「ここって、家より居心地いいのではないですか?」という質問をしているほど、もし自分がこの町に住んでいたら毎日通ってくると思います。また、コンシェルジュの方もいるので、ここに来る方々は顔見知りになり、つながりが生まれてくるとのことでした。
学校全体のデザイン自体が計算しつくされているのですが、ICTの技術がこのような空間を可能にしている部分があります。予約システムと顔認証システムです。
学校全部を建て替えることは難しくても、これは一般的な公立小学校でも上手く取り入れられる可能性があると感じました。
学校内の話になってしまいますが、学級数が多いと特別教室の使用等で予定の調整1つとっても面倒な時があります。
調べ物がしたくても、図書室を使える時間が週に1時間しかなかったり、他のクラスが持っていて鍵が見つからず使えなかったり、子どもがいたずらしたりなど、まぁ様々なトラブルが起こることがあります。教務の先生や教科主任の先生も、その調整や計画にご苦労されています。
その度に余計なストレスがかかったり、共通理解する事項や指導事項が増えたりしているのが現状です。日常でよく起こり得る事案でした。
予約システムと顔認証システムを使うだけで、本質的な部分から外れた箇所の労力を軽減できるのではないかと感じました。
一般の公立学校でも取り入れられるシステム開発に興味のある企業の方がいらっしゃったらぜひ一緒に開発しましょう!
さて、今回見学できる場所が共有施設のみだったので、レポートとしてはほぼ以上ですが、やはり自分の目で見てみてわかること、感じること、現地で出会えた方のお話など、行ってみてつかめたものがたくさんありました。
今度はぜひ、子どもたちがいるときに再び訪れて、学校の中も見学させてもらいたいと思います。
ちなみに安平町はこの学校をはじめとする様々な教育施策によって、全国からの視察や転入も増え、人口も増えているそうです。町全体が活性化しているのですね!
早来学園とは少しずれてしまうかもしれませんが、素敵なご縁もいただきました。ラッキーなことに、教育委員会で地域プロジェクトマネージャーをされている井内聖さんとお話することができました。
井内さんからも学校作りの経緯など、様々なお話を伺うことができました。
その中で、印象に残ったお話を紹介します。
大人の心に火をつけるという話題の際、「燃焼温度」というものが必要だとお聞きしました。これは焚火や炭をつけるときなど、1つものに火がついただけでは、燃焼することができず、周辺の温度が一定のところまで上がったときにやっと「燃焼」という状態が起きるそうです。1つだけでは途中で消えてしまうと。
私もよく七輪で何かしら焼いて食べるので、このお話がよく分かりました。炭と炭が近づいて温度を少しずつ上げていき、ある程度のパワーが集まったところで空気を送るとパッと炎がでます。
大人の心もそうですね。熱が高まり、火が灯るためにはこのパワーが必要なのだと知りました。1人では消えてしまいます。みんなで燃える必要があるそうです。
この旅の途中で読んでいた「学習する組織」にも、システム思考の話があり、まさにこういうことなのだと感じました。社会がよくなっていくためには、全体で高まっていくしかない。部分だけが飛び出ていても、そのひずみは必ず別の部分に現れるそうです。
だからこそ、みんなで考えていく必要がある。みんなで取り組んでいく必要がある。そんなことを改めて強く実感した機会となりました。
井内さん、素敵なお話をありがとうございました。
そして、急な連絡にも関わらず、とても親切に対応して下さった松岡さん、本当にありがとうございました。安平町に行ける時間が9:00₋10:00の1時間という状況の中、貴重な学びをさせて頂きました。ここには書けていないお話もたくさん伺うことができました。福岡と北海道は日本の両端から、共に燃焼温度を高めていければと思います!
以上、安平町立早来学園レポートでした。
早来学園のホームページはこちら↓