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ふんもっふ、今宵

※タイトルに特に意味はありません。久しぶりにnoteを開いた、雑記のようにしようと思っていたはずなのに、三日坊主が災いして前回の投稿から早くも半年以上が経過してしまった。

日頃は考えて行動してるつもりなのだが、どうやら思い出したように動いているらしい。しっかりしたいと思い続けながらあっという間に、27歳になってしまった。

先日、恋人からの誘いでコミティアなるものに行ってきた。コミティアとは下記のようなイベとである。

コミティアとはプロ・アマを問わないマンガ描きたちが自主出版した本を発表・販売する展示即売会です。そこは、枠にはまらない自由で新鮮な個性を持つ作家が腕を試す自己表現の舞台であり、既製品に飽き足らない読者にとってまだ見ぬ、そして求めていたマンガを発見できる宝探しの山でもあります。

コミティア公式サイトより抜粋


会場で扱われるものは、漫画だけではなく、イラスト集やハンドメイド作品、旅行記、小説など多岐にわたる。

公式のガイドブックを購入して、そちらをチケット代わりに入場する仕組みになっているのだが、ガイドブックは各出店者のカタログとなっており、大学の文化祭の出店一覧を見てるような気分になってしまった。もうここからがワクワクが止まらない。

恋人とふたりで畳の上に転がりならが、ガイドブックを開き、見たいサークルに蛍光マーカーでチェックをつけていく。几帳面な恋人は、ガイドブックに付帯してしいる会場マップにまで、マーカーをつけていた。

ガイドブックに折目をつけたり、マーカーした場所がどんどん拡がって自分だけの1冊になる。実際はここまでアナログにやらなくても、ガイドブックのQRコードを読み込むと、デジタルガイドブックもあり、見たいサークルにタグ付けをしたり、そのサークルの詳細も見れるようになっている。

ヲタ活などを高校終了と共に卒業してた私にとっては、誘惑の他ならないイベントである。財布の紐等々気を引き締めなければと思いながら、当日の朝気がついたらATMから2万円を下ろしていた。

コミティアいざゆかん。

国際展示場駅から、ビックサイト内の会場まではかなり歩く。この時点で暑さもありちょっと疲れる。

なにせ体力のないカップルなので、装備もフジロックばりの装備かつ、軽量で動きやすいことを重視した。会場の温度感も分からなかったので、暑さ対策も抜かりないようにと入念に準備した。

一応、なるべく体力を温存する方法を取りながらも、貪欲に会場を巡る作戦を立てた。はずだったが…熱にうかされやすい私たちは会場の熱気と、数々の誘惑の波にあっという間に飲み込まれてしまった。

こんなのオタクにはたまらなさすぎる・・・。旅行記のブースを前に既に惹きつけられ、あっという間に購入。次の料理コーナーでも家呑みレシピ本を購入。ここから、イラスト集や雑貨などのコーナーに行き着いたらもう止まらない。欲望がひっきりなしで掻き立てられる。思考を凝らし、手間暇かけられたインディーな代物達を手に取らずにはいられなかった。

次から次へと買いたいものを買い、完全に我を失った私たちは、気づくと大きな袋を抱えていた。恋人が持っていたトートバックは見る影もなく膨張し、紐は腕に跡をつけるほど食い込んでいた。

これじゃ収拾がつかないと思った私たちは、携えていたサンドイッチを食べるために会場の外へ出た。そこにはベンチに座れなかった、参加者たちが思い思いに地べたでご飯を食べ、戦利品を広げながら恍惚とした表情で集っていた。

そこにはオタクらしい風景があった。私が本気でオタクをしていた頃、坂遡ること十数年前、オタクと言う生き物は侮蔑的に見られて、堂々としていることを許されなかった。

そんな中で腐女子であることを隠し続け、BL本の表紙をわざわざ植物図鑑の表紙と差し替えて、家の勉強机に陳列していたことをふと思い出した。中学の朝の読書の時間も、ライトノベルを読んでいる気配を、誰にも感じ取られないように気を遣っていた。高校生になってからはスマートフォンやアプリケーションの発達に伴って、オタクに対してのハードルが突然低くなりだした。

手軽にアニメを見れたり、SNSなどでオタクであることを公表できるような風潮になったからではないだろうかと思った。実際高校に通い出してから、私が入った。軽音部はアニメけいおん影響を受けて、入部者数が50人を超えていた。そういうところにも、オタクと一般的なカルチャーが新和し始めた予感を感じていた。

なぜか私はオタクと一般的なカルチャーが神話し始めた途端、興味を失ったかのように、オタクの世界から離れていくようになった。それは今でも理由はよくわからないけれども、私はじゃない方に魅力を感じていたんじゃないかと今は想像している。

それにしても、戦利品をみつめて恍惚としている姿は、なんとも心地が良い。私はどこか自分に重ねてその風景を見つめていた。ひしめき合うオタクたちの中で、過去より自分がオタクであったことを改めて肯定する機会がここで訪れて、ありがたいなぁと感じた。人生どこで納得がいく展開が起こるかわからない。それも楽しいなと思った。

食後、あっという間に時間が過ぎた。会場に着いてから4時間、ほとんど食事以外は座ることなく、会場歩き続けたが全部の出店見ることはできなかった。だけども、確かに私たちは満足していた。

今回のコミティアを経て、いろいろ反省すべき点が見えてきたからだ。
早くも次のコミティアを見据えて動き方を考えている私たちがいた。

帰りの電車の中で手に入れた薄いのB5の本たちをめくっては、次のコミティアへと想いを巡らせた。

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