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戻れない学生テンションと子連れへの憧れディズニー

大人になっちゃったよね。

夢と魔法の国、ディズニーランドで現実じみた事をしみじみと呟く。そうだねえ、と隣の友人が返事をしてくれた。道ゆく人をぼけ〜と見つめる。

めちゃくちゃ楽しみにしていた、ディズニーランド。
快晴!雲ひとつない、快晴!30度以上の灼熱。夏ディズニー日和。

私は自他共に認めるディズニー好きで、年パスを持って毎週通ってたこともあるくらいで。
3ヶ月ぶりのディズニーランドにそれはそれはテンションが上がっていたはずなのに。

暑い。とにかく。

体力おばけだった昔みたいに、もう飛び跳ねていられない。
15分以上並ぶなんてできなくなってしまったし、お昼寝タイムが必要だ。あれれれ、いつのまにこんなに老け込んでしまったんだ。

並べないなんて、ディズニーランドでは何もできない。暑いからショーの地蔵(ショーを待って地べたに座るやつ)もできない。
とりあえず、アイスを食べてみる。ぱしゃり。
暑い、無理だ、店内へ戻ろう……

涼しいレストランでぼけーと道ゆく人を眺める。
楽しそうな学生の団体や、カップルや、子連れがたくさん。

みんな楽しそうで、ああ、夏休みだなあなんて思った。

いいなあ、大人数でみんなで制服着てきゃっきゃして。何をしてても楽しくて、並ぶのも、アトラクションで騒ぐのも、写真を撮りまくるのも。そんな時もあったなあ、私も。

いいなあ、子どもは可愛いなあ。いつか子どもと一緒にディズニーに来てさ、キャラクターの着ぐるみとか着せちゃったり、家族でお揃いのTシャツ着たり、ちゃんと私もママになれるかなあ。

その日の最後に夜のビックサンダーに乗り込んだ。(並べない体力貧弱なのでファストパスだ)同じ回に、中学生の女の子たち、高校生カップル、お子様とママさん、そして大学生らしき男女グループ。みんな一斉に乗って、いざ、出発。

ぐんぐんと登っていくジェットコースター。
カタカタカタ、もう何度も乗っているので怖くもなんともないけれど。

「みんな右みて!!!!綺麗だよ!!!」

突然、前の方に乗っていた大学生(男子)が叫んだ。
いいな、学生のノリ、と思いつつ右を見ると、キラキラ輝く夜のディズニーランドが眼下に広がっていた。

乗ってるみんなも右をみて、ほうう、綺麗だ〜と感想が飛ぶ。
次の瞬間には下降して、ぎゃ〜〜!!と叫び声になってしまったけれど。

なんだかみんなで夜景を見下ろした、一瞬がとても綺麗で、年代なんて飛び越えて共有した3分ほどのライド時間がほこほこと胸に残って、温かかった。

ディズニーランドは、確かに夢の国だ。
いろんな人がハッピーで、楽しそうで、笑ってる。そしていろんな年代の楽しみ方や幸せが見えて、いいなあって眩しくなってしまうのだ。

これが、老け込んでディズニーに慣れすぎたアラサーの、新しいディズニーランドの楽しみ方、だったりする。

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