シャドーイングでTOEICが900を超え年収が150万円上がった話
「英語力向上にはシャドーイングが効果的と聞くがほんとかな」「シャドーイングは意味ないって聞いたけど……」そう疑問に思っている人はいませんか。
シャドーイングは脳科学に基づく根拠のある第二言語学習方法です。
にもかかわらず「シャドーイングは意味がない」と考える人もいます。
シャドーイングは多くの英語学習者にとって難易度が高く、継続が難しいからです。
では、シャドーイングって本当のところどうなんでしょうか?
この記事では、わたしがシャドーイングについて理解を深め、自ら実践して見えたその効果について、自分の体験談をベースにお伝えします。
わたしはたった3か月のシャドーイングでTOEIC のスコアが100点アップし、最終的に900の大台に到達できたので、ぜひ最後まで読んでみてください。
10年間の社畜生活に嫌気
まずはわたしの英語学習遍歴とシャドーイングとの出会いについて書いてみようと思います。
2017年頃のわたしは10年勤務している日系物流企業の激務に嫌気がさし、転職を考えはじめていました。
わたしはお客さんや海外代理店に見積りをだしたり、船会社にブッキングをする仕事をしていました。
今思うとよくあんなにシャカリキに働けたなというほど忙しかったです。
受信するメールは1日200通、返信は100通は当たり前でした。
電話は鳴りやまず、肩と頭で受話器をはさみ電話しながらメールを書く。
すべての折り返しを終えトイレにいったその5分の間に「折り返しお願い」のメモがまた3~4枚机上に並ぶ。
そんな日々を繰り返すうちに、ストレスから体重は人生最高を叩き出し、どんどん自分が嫌いになっていきました。
いつまでこんな忙しい日々が続くんだろう
最後に有給を取ったのはいつだっけ?
英語を使うのはメールだけ、本当は海外出張とか行きたいの!
何かを変えたいけれど、何を変えていいかわからない。
どうやったらこの生活が変わるのかもわからなくて、ただただもんもんとしていたのを覚えています。
転職を決意-TOEICの勉強を開始
2017年春、ついにわたしは10年間勤めた会社を辞める決断をします。
そして同年6月末、すべての有給を使い切りわたしはその会社を去りました。
会社を辞める3か月ほど前からわたしはひそかに英語を勉強し始めました。
なぜなら、履歴書に記載するTOEICのスコアが欲しかったからです。
その当時のTOEICの最高スコアは、アメリカ帰国直後に取得した810でした。
説明が前後しますが、わたしは2005年から1年間ベビーシッターをしながらアメリカに滞在していました。
渡米前のTOEICのスコアは600点台。
アメリカではTOEIC対策はもちろん、勉強はほとんどしていません。
やっていたことと言えば、日中はホストファミリーの子どもの世話、夜は友達とスタバでお茶、土日も友達とスタバでお茶、です。
留学のように学校に通って単位を取る必要がなかったので、ただひたすらプラプラとアメリカ生活を満喫していました。
そんなゆるいアメリカ生活でしたが、帰国後にTOEICを受験したら勝手に810まで上がっていました。
これが世に言う「海外にいけば英語は伸びる」現象です。
話を戻します。
2006年に帰国後TOEICのスコアは810になり、就職がきまり、そこから10年間の社畜生活に突入です。
社畜生活中にも2~3年に一度はTOEICを受験していましたが、受験する度に少しずつスコアは下落していきました。
もちろん、受験前の数か月はそれなりに勉強していたのです。
ですが810には一度も届かず、むしろスコアはジリジリと下がりました。
諦めの悪いわたしは、あろうことかこれはお金で解決するべきなのでは? と考え始めます。
(その頃はお金も大して稼いでいなかったのに。今思うといろいろ間違えています……)
その結果、当時流行り始めていた英語コーチングの体験に参加することにしたのです。
そしてその体験入学で初めて「シャドーイング」という英語練習方法があることを知りました。
高額英語コーチング体験入学
その英語コーチングは3か月で40万ほどのコースだったと記憶しています。
ホームページには「3か月でTOEIC300点アップ!」という、夢のような体験談がたくさん掲載されていました。
わたしはワラにもすがる思いでそのコーチングスクールの体験に参加しました。
本当に3か月で300点アップするなら、40万払ってでもやるべきだと本気で思ったからです。
当時わたしには音声のすぐあとを影のようについていく方法は新鮮でした。
また「なぜシャドーイングなのか」という部分の説明が深く刺さったのを覚えています。
「脳科学に基づく方法である」「ワーキングメモリーを鍛えることで英語が聞けて話せるようになる」
シャドーイングの効能とその根拠の説明を受けた単純なわたしはこう思ったのです。
これしかない!
この方法はわたしの英語学習に革命を起こすかもしれない!
筋トレのような1日30分のシャドーイング
体験入学後、まず自分で教材を探してみようと書店を巡りました。
ですが2017年当時はシャドーイングという方法がまだ今ほど世の中に知られておらず、教材もたくさんは手に入りませんでした。
唯一見つけたのが、『耳と口が「英語モード」になる 同時通訳者のシャドーイング』です。
タイトルからかなりの上級者向けのように思えますよね。
わたしも同じように思って、最初は期待はせず手にとりました。
ですがその予想はよい意味で裏切られます。
最初のチャプターはほぼ中学校で習う単語しか出てこない簡単な英文の塊でした。
「これならわたしもできそう」そう思ったわたしは、その教本を購入して帰宅後さっそくシャドーイングに挑戦してみたのですが……
最初にシャドーイングをやってみた感想は「きつい」「難しい」「つらい」でした(泣)
この本に出会った頃はまだ、わたしは社畜生活をしていたので、疲れて帰宅したあとの30分のシャドーイングはとても辛かった!
最初はシャドーイングどころか、テキストをみながらのオーバーラッピングすらもついていけませんでした。
やってみるとわかるのですが、シャドーイングはかなりの集中力を必要とし脳が疲れます。
仕事で疲れている脳に追い打ちをかけるようにシャドーイングをする。
そうすると、30分が終わるころには自然とまぶたが落ちるほどの睡魔に襲われました。
ときにはシャドーイングしながら寝落ちしそうになったこともあります。
とにかく脳が疲れる、そしてスピードについていけずイライラする。
そんな辛い練習でしたが、なぜか1日も休むことなく続けられました。
シャドーイングをやればやるほどスピードについていけるようになり、日に日に上達を感じたからです。
1日30分x3か月のシャドーイングで780→875
毎日毎日ひたすらシャドーイングを繰り返した結果、気がつくとTOEICのパート4くらいのスピードと分量についていけるようになっていました。
スピーキングの速度を測る単位にWPM=Word Per Minutes(1分間に話される単語数)というものがあります。
『耳と口が「英語モード」になる 同時通訳者のシャドーイング』の最初の音声教材は50秒間で89単語、つまり107WPMです。
英語ネイティブの話すスピードは160〜200WPM と言われているので107WPMはかなりゆっくりな方だと言えます。
最初はこの107WPMでも難しく感じました。
ですが毎日30分続けた結果、テキストを一通り終える頃にはネイティブのスピードである170WPMもシャドーイングできるようになったのです!
シャドーイングを続けて1か月くらいたったころでしょうか。
聞こえた英文がそのまま口から出てくる不思議な感覚になりました。
なんとなくリスニング力も上がったような……?
もしかしたら次回のTOEICは期待できるかもしれない。
シャドーイングを本格的に開始してから3か月後、TOEICでその効果を測るときが来ました。
そして、英語力があがったかも?という予感は喜ばしいことに現実になったのです!
ここ数年下落し続けていたスコアがアメリカ帰国直後より上がった!!
前回のスコアと比べても約100点アップしました!!
正直この結果には驚きました。
なぜかって、TOEIC対策は本当にシャドーイングしかしていなかったからです。
ついに念願の900越え、そしてキャリアアップ
シャドーイングという魔法の杖を手に入れたわたしは、その後TOEICのスコアをCV(英語の職務経歴書)に掲げてキャリアアップを次々と叶えました。
TOEIC875で外資系重機メーカーに転職。
40歳目前で初めての外資系勤務です。
年収は50万ほどアップ、ワークライフバランスが劇的に改善されプライベートが充実し始めました。
2021年、さらなるキャリアアップを目指しわたしはまた魔法の杖に頼ることにしました。
TOEICに申し込んだその日から毎日30分ひたすらシャドーイングです。
この時は最後の1か月にシャドーイングに加えて、問題集も少し取り入れました。
その結果ついに……
念願だった900超えを達成することができたのです!!
今まで20年以上かけて英語を学習し、アメリカにも1年滞在しましたがTOEICで900を超えることはありませんでした。
ところがシャドーイングを1日30分、3か月実践したら900の壁をさくっと超えられたのです。
外資系フィンテック企業に転職した現在
現在は外資系フィンテック企業に転職しグローバルな環境で働いています。
年収も前職から約150万上がりました。
残業も少なくワークライフバランスもよいので、空いた時間でライティングやマーケティングを学んでいます。
転職や就職においては、まずは書類選考を通らない限り面接のテーブルには乗れません。
企業の目に留まるには、まずはCV(職務経歴書)を充実させることが必要です。
TOEICスコアはCVにおいて武器の1つになります。
わたしが業界未経験にもかかわらず外資系フィンテック企業に転職できたのはTOEIC925というのも1つの要因だったと思っています。
さらにシャドーイングで手に入るのはTOEICのスコアだけではありません。
「実践で使える英語」が手に入ります。
わたしはシャドーイングによって4技能のなかでも「聞く」と「話す」を重点的に鍛えていたので、外資に転職後も英語でのコミュニケーションには困りませんでした。
まずは1日20分x1か月
以上がシャドーイングを実践したわたしのリアルな体験談です。
シャドーイングは効果的な英語の鍛錬方法だと自信をもって言えます。
自分が身をもって体験・実証しているからです。
正しい方法で1日20〜30分を3か月ほど続ければ、3か月後には英語力は確実に上がるでしょう。
1か月でもそれなりの効果は感じると思います。
ただし!
簡単で楽な道ではないこともお伝えしておきます。
とくに初心者(TOEIC600未満)の方々にとってはハードルが高すぎるので、工夫が必要です。
もしかしたらTOEIC800あっても最初は難しいかもしれません。
とはいえ、初心者は手を出すな!とか、シャドーイングは意味がない!というのは少し違うと思っています。
難易度を下げる方法はありますし、わたしが体験したとおり効果は実証済み、意味は十分すぎるくらいあるからです。
少なくとも試してみる価値は十分にあります。
まずは自分のレベルにあう教材探しから始めてみてはどうでしょうか。
昨今はシャドーイングの認知も上がり、教材もたくさん市販されています。
気に入った教材に出会ったら、それだけをひたすら1日20分、1か月続けてみてください。
1か月後には耳と口と脳がつながる新感覚を味わえるかもしれませんよ~!
この記事が皆さんの英語学習の何かのヒントになったら嬉しいです。
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