目線を合わせる

誰かの言葉
「幸せと目線を合わせる」
誰の言葉だったかは覚えていないけれど
ハッとした

そうだ!これだ

私はきっと
幸せと目線を合わせていなかった
問題はここだ

30代、40代は上ばかりを見ていた
もっと難関へ
もっと高収入を
もっと知名度を
もっと幅広く
もっと、もっと、もっと

私はこれこそが
正しい「成長欲」だと思っていたし
事実、その思いは私を駆り立ててくれた

自分の仕事、子育て、自宅の管理
一年を通して常にバタバタと動いていた

仕事に関しては常に不安を持っていたが
それは「期待不安」だと思い「良し」としてきた

大学院、大学、専門学校と教鞭をとっていたが
常に新し情報を提供したいと考え
常に何かに焦りを感じながら自らの学びを深めた

しかし
常にどこか物足りない空腹感を感じていたのも事実
どうやったら満腹になるのか
いつになったら満足度が高まるのか
いつになったら・・・

人生の満足度を高めるために
常にがむしゃらだったと思う

先日noteに書いた通り
私は56歳で保育士として働き始めた
保育士資格は3年前に独学で試験を受けて取得した

本を買い、youtubeで科目の勉強をし
お金をかけずに独学だったが
音楽だけは近所に住む
子供達がお世話になったピアノの先生に
楽譜やコードを教えてもらった

そのおかげで、2回の試験で全教科を合格し
保育士資格をとった

今日も、私の背中におんぶしてくる子
膝を椅子代わりに座ってくる子
太ももによじ登る子

突然やってきた見知らぬおばさんにもかかわらず
子供達はいとも簡単に私を受け入れ
他の先生と同じように普通に接してくれる

うれしい、とてつもなくうれしい
そしてなんだか照れる

仕事は明らかに半人前にも及ばないが
とても満足と充実感を感じる

私はようやく
「幸せと目線を合わせ始めた」

生きている喜び
働ける喜び
歩ける喜び、においや味がわかるよろこび
近視と老眼はひどくなっても
まだまだ「見る」喜びもある

良く寝て良く食べ、良くジムへ行く

誰かに必要とされる喜び
誰かに喜んでもらえる喜び
誕生日を祝ってくれる人がいる喜び

ここに目線が合わなかった自分が恥ずかしい
私は上ばかりを見て
目の前にある事実に目線を合わせて来なかった

自分から合わせようとしなかったのかもしれない
「年を取るって、いいなぁ~」と誰かが言った
それは誰かは覚えている
親しくしていたアナウンサーだ

彼女は「いまが一番楽しい」と言っていた
40代でも、50代でも「今が一番楽しい」と

彼女に「年を取るって楽しいね」と言われて
私は「そうだね」と答えられなかった
なんなんだこの余裕は・・・

私が幸せと
目線を合わせることが出来るようになったのは
年を重ねたからだと思う

年を取るって大事だな
年を取ったからいろいろと許せることが増え
イライラせずに保育士が出来るわけだ

「みんなちがってみんないい」
この言葉は好きではないが
この言葉を受け入れる事が出来るようになった

幸せと目線を合わせる
明日もやってみよう
きっと自分が豊かになっていく



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