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久しぶりに、「食べた」

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ここ数日、知り合いのレストランやカフェに用事があって行くことが続いた。

久しぶりに、誰かが作ったご飯を食べた。

お店で提供している料理はもちろん、タイミングよく賄いも一緒にいただくことが出来た。

久しぶりに、誰かとご飯を食べた。

久しぶりに、食べることにきちんと時間を作った。

コロナ禍になってから黙食が増え、一人で適当に食事を済ませることもまた増えたように思う。

昔からよく、ながら食べは良くないと言われてきたりもしたが、その瞬間の美味しいを共有すること、味付けや調理法、食材について話すこと。

食と向き合うということを感じながら食べることが出来れば、良い作用を生む「ながら食べ」である気がする。

それは立派な、食べることに集中するということになるのではないだろうか。

今回これらのことを伝える為に、タイトルは何にしようかと考えた。

タイトル決めには毎度ある程度時間をかけて考える。

曲を紹介したい時に、考えて考えて、敢えて曲名をそのままタイトルにすることを選ぶこともある。適当に考えた時はなかった。

今回はどうしようかと考えた。

誰かに作ってもらうご飯は染みるということ。

誰かと食べるご飯は染みるということ。

食べることに時間を作るということ。

この三つが全て私には久しぶりだった。

タイトルはあくまで入り口に過ぎないが、その入り口が非常に大事である。

記事のタイトルも、曲名、作品のタイトル、本のタイトル、商品名、会社名、お店の名前、メニュー名、イベント名、人の名前。
全てがタイトルだ。

私たちの周りには、誰かが想いを持って、時間をかけて名付けられたタイトルばかりで溢れている。

このタイトルではこんな風に受け取れるかなとか、このタイトルでは自分の伝えたいことと雰囲気が異なってしまうかなとか。

中身を知ってもらった時に、タイトルと温度感は異らないかなとか。

色んなことを考えて、今回の【久しぶりに、「食べた」】に行き着いた。

そこで私の、文章を書く上でのカギ括弧への想いを改めて考えることが出来た。

誰かのセリフや引用の他に、日常で当たり前とされていることを当たり前ではないこととして感じられた体験をしたと伝えたい時。

そんな意味をなんとなくでも汲み取ってもらいたくて、私にとっては大事に使いたい記号であることに気付いた。

皆さんは最近、「食べる」ことをしていますか?

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