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追悼 俳優:クリストファー・プラマー

私の大好きな俳優の一人、Christopher Plummerさんがお亡くなりになりました。「サウンドオブミュージック」「ビギナーズ」に出演した演劇、映画界のレジェンド。

私は、サウンドオブミュージックが好き過ぎて、人生で初めて買ったCDがこの映画のサントラ、という筋金入り。DVDも、パンフレットも持っている。大大大ファン。

彼は私の初恋、といってもいいでしょう。将来、私もこんな多才な人と一緒になりたいな、と小学生の頃から本気でそう思っていた。

訃報を受け、多くの人が同じように語っている。ファンの年代も実に様々。

特に、サウンドオブミュージックのジュリーアンドリュースとのペアは、みんな大好き。「エレガント」という言葉は、お二人の為にある、と思っている。

彼は、実はトロント出身のカナダ人。それを聞いた時は、運命すら感じたくらいだ。

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一昨年の年末、サウンドオブミュージックの特別映画館上映に足を運んだ。パートナーはまだ観たことがなく「私の一番好きな映画だからね、とにかくいい作品だから。絶対あなたも好きだと思うよ、例え好きじゃなくても、ほんの少しでもけなしたらただじゃおかないよ」と半ば脅迫をかけて連れて行った。

会場は満席。

我々は交通機関の乱れのために、開演ギリギリに入場したために、席をあんまり選べず(カナダの映画館は座席指定がない)いつも選ぶ一番後ろの列、空いていた2席にサッと座った。

そして、それが大間違いだった。パートナーの隣に座る女性がめっちゃ歌うのだ。口ずさむ…なんてもんじゃない、歌う。そして、ストーリーが進む前にセリフを言い、笑い所になる前に笑う。

我々は「もう…勘弁して…」という苦笑。

でも、それだけ愛されている作品。会場のあちらこちらで歌う観客。

実は、日本でも2回、リバイバル上映に足を運んでいる。もう、どんだけ好きなの?って思われるかしら。観た事がないようでしたら、是非。そして、日本でも結構みんな口ずさんだり、体を揺らしたり。

だけれど、日本のそれとは訳が違うカナダの豪快さ。

我々は前半が終わると(長い作品なので、途中休憩がある)お手洗い+他の席を探した。

お手洗いで列に並んでいると、もうみんな「私はどれだけこの作品を愛しているか大会」開幕。私は後ろにいた女性に「も~興奮するわね!最高よね!」と話しかけられ

「最高ですよね、もう20回くらい観てるけど本当に大好き!」と返し、

他の女性が「私はNYまでミュージカルも観に行ったわよ」と話せば

みんなが「あ~それは羨ましい~!!!」と、もう一体感がすごい。みんな思い出を語ったり、一人が曲を口ずさめば皆が歌い出す。

そんな愉快なお手洗い休憩が終わり、パートナーと再会。「すごいね…なんか熱気がすごい」と若干引き気味な彼を(言っただろう、名作なんよ)と肩を叩いたりした。

割と空いているエリアを見つけ、(満席だと思っていたけれど空席は他にあった)着席。その辺りもやたら歌うグループがいたが、ネタバレ女性とはオサラバで映画に集中する事が出来た。

映画が終わってスタンディングオベーション。出口に向かうまでも、みんながみんな映画の曲を口ずさみ幸せな笑顔に満ちていた。

あんなに愛されている作品は、数少ないと思う。

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クリストファープラマーが晩年に出演した「人生はビギナーズ」(2010年)も名作である。彼はこの作品で、アカデミー助演男優賞を82歳で受賞し、演技賞を受賞した最年長者となった。

個人的に、大好きなMike Millsの監督作、トレインスポッティングファンだった事もあり、私はこの作品の公開を指折り数えたものだ。

この作品も、心を温めてくれる毛布のような存在で、大切に思っている。

特に、予告編でも少し出て来る、オリバーと父ハルのやり取り

Hal : ...let's say since you were little, and... and you... you always dreamed of... of someday getting a lion, and you wait and you wait and you wait and you wait, and the lion doesn't come. Then along comes a giraffe. You can be alone, or you can be with the giraffe.
Oliver : I'd wait for the lion.
Hal : That's why I worry about you.

このセリフが大好きである。

好き過ぎて、長年、手帳にメモし続けている。

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クリストファープラマーの姿が見れなくなるのは寂しいけれど、彼の作品はこれからも私の人生に寄り添い続けてくれることだろう。

ご冥福をお祈りいたします。


画像拝借;https://nerdist.com/article/christopher-plummer-dead-at-91/

この二つの映画は好き過ぎて、すでにnoteで語っている…


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