見出し画像

大企業からテック企業に転職してみたら、マインドセットのリセットが必要でした

¡Hola! マイコです。

昨年11月の転職でいわゆる日系大企業に戻ってきました。
初めての業界・職場なのに、なぜか懐かしい。
そんな感覚があります。

先日、社内でテック企業/スタートアップでの経験、特にマインドセットについてお話しする機会がありました。大企業出身者ならではの思考パターンや落とし穴は、今の会社でも共通するようで、共感していただけました。

もしかしたら、社内だけでなく、大企業からベンチャー転職しようとしている人、テック系企業に入ったもののこれまでのやり方が通用せずに苦労している人などにも参考になるかと思い、noteでも共有することにしました。

なお、これまで在籍経験のある企業はどこに対しても強い愛着を持っているし大好きです。私個人の体験談としてとらえていただければと思います。


最初に、背景となる私の経歴を紹介します。
某有名大学を首席で卒業。成績はAが基本。Bをつけられることが許せないような、全部できることが正義といわんばかりの、全方位型優等生でした。
いきなりですが、これ、伏線です。全体で回収していきます。

新卒でNECに研究員として就職し、青年海外協力隊での休職を経て、復職後は新規事業。その後クックパッドへ転職しスペイン駐在を経験。帰国後にユーザベースグループでマーケターとプロダクトマネージャーをしていました。

日系大企業とテック企業では、カルチャーやマインドセットが異なり、私自身も痛みを伴いつつアジャストしていく必要がありました。

そこそこちゃんと社会人らしくしていたと思っていたのですが、転職してみたら「違う」と言われ続けるという壁にぶち当たりました。当時は何がどう違うのかが分からず悪戦苦闘でしたが、数年経ち、その違いを言語化することができるようになったので、今日はそのお話をします。

まず、優先順位の考え方。
私にとって、「優先順位をつける」というのは、「順番を決めて全部やる」という意味でした。全部できない場合は、自分のキャパやスキルを上げれば解決できる、と考えていました。

ところが、「優先順位をつける」というのは「インパクトが出せることだけに絞って全エネルギーを注ぐ」ということでした。
『エッセンシャル思考』と『イシューから始めよ』の2冊を読みました。
頭で理解するだけならそこまで苦労はなかったです。
が、全方位型優等生にとっては、何かをやらないという選択がつらい。まるでトロッコ問題です。

キャパやスキルを上げるのは大いに結構ですが、業務時間中に「苦手を克服しようとする」「苦手領域を時間をかけて頑張る」のは、単なる時間の無駄です。

これと関連するのが、二つ目のSpike/ Edgeを明確にする、ということです。
Spike/ Edgeは、「自分の得意領域」のことで、Spikeはクックパッド、Edgeはユーザベースでの表現です。
「全部できる」は「全部できない」と同義。これもまた全方位型優等生にとっては辛い世界です。

Spike/ Edgeは、自分の得意を認識し、自分のやるべきことの定義です。これをチームで互いに認識することで、得手不得手を補完し、チームとして成果を最大化することができます。

個人が全部できることをよしとする文化の中で長く生きてくると、Spike/ Edgeを見つけるのは難しいと思います。苦手はすぐに言えると思いますが・・・
そこでSpike/ Edgeを見つける方法のヒントをお伝えします。方法は至ってシンプル。
他の部門から業務・役割ではなく「あなた」だからお願いされるお仕事は?会社の肩書をとっぱらっても、お願いされることは?
一緒に仕事はしたことないけど、仕事っぷりを知ってる人からどう見えてるか聞いてみる。

ぜひやってみてください。何人かが共通して言ってくれるようなら、それはあなたのSpike/ Edgeです。あとは自分がそれを認めて伸ばしていきましょう。

最後にFail fastです。

"Fail fast, fail cheap, and fail smart"と言いますが、小さく素早くやってみて、小さい失敗を繰り返しながら、学びを積み上げて大きな成功につなげるということです。最大の失敗は「失敗していない」こと。Failを繰り返すと精度もスピードもあがっていきます。

これもまた、優等生は頭では理解できるが実行難易度が高い。
最初から完璧を作ろうとして、不要な調査や準備やディスカッションをやって机上の空論だけが積みあがっていく。

そんなときは、仕事も自転車の練習と同じだと考えてみてください。
自転車に乗るという目的を達成するためには、とりあえず乗ってみて転びながら徐々に上達していきますね。
膝をすりむいたり、転んだりしているうちに、だんだんコツをつかんできてまっすぐ走れるようになります。

しかし改めて考えると「自転車に乗る」というのは、実に複雑な現象と状況の組み合わせです。だからといって、人体の神秘や物理学を完全マスターしてから、自転車に乗ってみようという人はあまりいないと思います。何もトライせず、失敗もしていないうちは「自転車に乗るために、分厚い教科書を読み始める」のと同じ。

Fail Fastは実行難易度が難しいと言いましたが、これは本人の努力だけでなく、いやそれ以上に、それを全力で歓迎する周囲ことが重要です。環境や風土を作る上司や上層部こそ、ここは腕の見せ所です。

私自身、まだまだ発展途上の身です。あくまでもこれは一つの体験談として参考になる部分があれば幸いです。一緒にトライしていきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?