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【日常雑記】地図は客観的?主観的?〜おすすめ!ゼンリンミュージアム

この週末は、長崎から北九州にかけて旅してきました。

最終日の本日訪れたのは、ゼンリンミュージアム。
地図情報の会社で、北九州に本社がある㈱ゼンリンさんが手がけた、「地図愛」あふれるミュージアムです。

ここでは、Zキュレーターという展示の解説をすすんでしてくださる方々がいて、展示物の情報のみならず、地図への愛あふれるお話をうかがうことができます。

ここで、おお!と思ったお話がふたつありました。

今回はそのふたつについてお話させてください。

1.地図は客観的なものではなく主観的なもの

ひとつめは、地図は主観的なものだということです。

地図は測量してなるべく正確にその地形を表示するものだと思っていた私は、地図は客観的なものというイメージを持っていました。

ですが今回、日本が登場するかしないかのころのヨーロッパの地図を見ながらZキュレーターさんにお話をきいていて、地図は、その人が知りたい情報を得るための、むしろ主観的なものだと考えをあらためました。

日本の銀に注目している人たちのための地図には、石見銀山がしっかり描かれている。
キリスト教の宣教師向けには、キリシタン大名に印がついた地図。
航海図は沿岸の街は細かく乗っているものの、内陸については情報なし。
戦国の世が終わった日本では、観光名所が記された街道の地図。

地図は主観的なものなんですね、とキュレーターさんに話をしたら、客観的な地図は、むしろ知りたい情報が浮かび上がってこないので使いにくいのではとのお話をいただきました。

なるほど確かに!

2.自動車の自動運転はカーナビをなくす


ふたつめは、カーナビについてです。

ゼンリンミュージアムでは、いま「クルマの地図 大集合!!~68年の軌跡~」という企画展をやっています。

自動車のための道路地図から始まる展示は、後半カーナビへと移ります。

最初のカーナビは、まず、自分がいまどこを走っているかをわかるようにする、ということを目的に、地図をすげ替える形で始まりました。
デジタルではなく、アナログスタートですが、製造したのはさすがはホンダ。

これをもとに、現在地を確認するだけではなく、ちゃんとナビゲーションする技術を最初にホンダが編み出していったとのことです。

展示はそこから、高所得者層むけのゴルフ場へのルートは必須のカーナビから、低価格となっていき、どんどんコンパクトになっていきます。

いまはスマホでもカーナビができますし、それと連動するシステムもあるそうです。

自動車の自動運転対応のため、自動車に組み込むシステムもあるそうですが、ここでひとつの大きな問題が。

車をナビゲートするためのシステムであるカーナビは、自動車が当たり前に自動運転するようになったら、その機能はそもそも不要になるのではないか?ということです。

これまではどうナビゲーションするかが問題だったのが、その「効率よくわかりやすくナビゲーションしてほしい」というジョブそのものが、自動運転でなくなってしまう時代が、もしかしたらすぐそこまで来ているのかもしれません。

さいごに

ゼンリンミュージアムのZキュレーターさんは、自動運転が当たり前になったら、地図を見るスキルが不要になり、地図を読める人がどんどん減っていくのではないか、と危惧されていました。

「地図を読める力は、必要なものです」
そのZキュレーターさんの意見に私は大賛成です。

自分がどこにいるか、何を目指しているか、自分で地図が読めなければ、いつの間にか自動運転に乗せられて、他人に操られるようなこともゼロではないかもしれません。

このミュージアムに行くと、地図を読む力の大事さがわかりますし、Zキュレーターさんからの愛溢れる解説で、地図の面白さがよくわかります。

おみやげも豪華で、今回は、企画展「クルマの地図大集合」の展示の地図帳をつかったチケットホルダーでした。

デザインの昭和っぽさもいいですし、とても使い勝手もよさそうです。

入館料1000円。
近くのかたでご興味あるかたにはぜひオススメですし、遠方から旅行で行くだけの価値もあります。

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