電子行政サービス60歳代の利用が多い?企業の80%がクラウドサービス利用?総務省調査でいまを見る
総務省より、令和6年「情報通信に関する現状報告」(令和6年版情報通信白書)が公表されました。
日本のデジタル化の現状がわかる大規模調査の結果、おさえておきたい資料です。
特集となっている災害時の情報利用から、ICT関係、プラットフォーム、サイバーセキュリティ等と、12種類にわたっている数多くのデータのなかから、今回はふたつのテーマで取り上げてみます。
1.電子行政サービスの利用、2位は60歳代
情報通信機器の利用の推移をみると、スマホの保有率は右肩上がりで90%となっていますが、PCは固定電話と同じくらいの保有率であること、タブレットは2018年くらいから頭打ちであることがわかります。
この調査はあくまで「世帯」単位なので、日本国民の90%がスマホをもっているというわけではありません。
ですが、世帯にひとつはネット環境があるということなので、それを裏付けるように、インターネット利用率は10代から50代まで、ほぼ100%になっています。
60歳代になるとちょっと下がって90%となりますが、電子行政サービスの利用状況を確認すると、「活用している」「利用したことがある」をあわせて、60歳代が30歳代についで多いということがわかりました。
「活用している」でも、30歳代、50歳代と同率。
高齢者のデジタル対策のターゲットは、もはや70歳代以上となるのです。
2. 企業の80%がクラウドサービス利用
企業のデジタル化、どのくらい進んでいると思いますか?
総務省のこの調査では、企業の約80%、77.7%が、一部または全体的にクラウドサービスを利用していると回答しています。
「今後利用する予定がある」まで入れると85%。
「今後も利用する予定がない」の約1割は、ごく少数派ということきなります。
この8割というのを聞いて、多いと思われましたか?
どんなクラウドサービスを使っているか見てみると、もっとも多いのは、ファイル保管・データ共有ツールです。
Dropboxのようなファイル保管・データ共有ツールは、テレワークを進めるうえでは必須のものです。
「電子メール」や「eラーニング」も入っています。
こう見ていくと、申請がぜんぶワークフローだったり、API連携を利用するなどの全体的なデジタル化は、上のグラフでもあったとおり、まだ50%程度、半々といえそうです。
注目すべきは、クラウドサービス利用の効果についてです。
なんと、「効果があった」総計は90%弱。
残りも、効果がよく分からないが10%強なので、マイナスの効果があった、あまり効果がなかった、は足しても1%いかないのです。
100社に99社が、デジタル化の効果を実感している。
こう言っても誇大広告ではありません。
おわりに
常日頃、報道などで私たちの脳内情報にはどうしてもバイアスがかかります。
定期的に政府からの白書を確認して、ファクトフルネス的にバイアスを修正する必要がありそうです。
もちろん、この白書にもおそらく目に見えないバイアスがかかっていることを承知したうえで、です。
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