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安心して働くことのできる環境整備、2022年度評価の結果は?〜厚生労働省の評価シートより

2024年3月18日に厚生労働省で行なわれた、第191回労働政策審議会労働条件分科会にて、安心して働くことのできる環境整備について、2025年の目標達成に向けてどのくらい進捗しているか?という報告がなされました。

チェック対象は、いわゆる有休、年次有給休暇の取得率と、週60時間以上働いている人のフルタイムにおける割合です。

2025年には、年次有給休暇取得率70%、フルタイム勤務のうち週60時間以上働く人は5%、というのが目標だそうです。

1.年次有給休暇は達成できそう?

年次有給休暇は、同じところで働き続けている限り毎年もらえ、長く勤めるほどもらえる日数が増え、上限で毎年20日もらえます。

つまり、20日もらったら、その年のうちに14日使えば70%です。

会社ごとにお休みの数は違うので、年次有給休暇をとらなくてもお休みの多い会社はありますし、年次有給休暇をとらないと年末年始休めないような会社もあり、いちがいには言えません。

ですが、毎年もらえるものなのだから、できれば毎年もらったぶんは使いたいものです。

いまの年次有給休暇取得率は62.1%。
2017年に始まった働き方改革関連の影響もあり、ぐぐっと伸びてきています。

1年で4%伸びている年もあるので、2025年に70%は難しい数字ではなさそうです。

2.フルタイム勤務のうち週60時間以上勤務の割合は達成できそう?

フルタイム勤務は、労働基準法で決められている上限時間働くということで、週40時間をいいます。

週60時間労働ということは、1日8時間、週5日働く人の場合、平均して1日4時間残業するイメージです。

ということは、9:00始業とすると、22:00終業!!
休憩の1時間をのぞき、1日12時間労働です。

土日に出勤するパターンだと、たとえば、9:00から20:00までの1日10時間労働を、月曜から土曜までする感じです。

ちょっと、くらっときますね。

これが、スポットでたまにある感じであれば、「そういうときもある」かもしれません。

ですがこれが毎週続いたら。
1ヶ月続くと、残業時間は80時間。
80時間の残業時間は、一般的に過労死ラインもいわれます。

会社を辞めて失業給付をもらう場合も、辞める前の6ヶ月のうち、連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して1か月で80時間を超える時間外労働が行われたため辞めた場合は、会社都合の解雇と同等の扱いになるくらいのおおごとです。

それが2025年に5%目標ということは、いまはどうなっているのでしょう?

2022年の結果は8.9%。

100人フルタイムの人がいたら、そのうち9人はそんな過労死ラインで働いているということになります。

ですが、働き方改革が始まった2017年の12.1%と比べると、73%ほどにはなっています。

5年かけて減らした3.2%を超える、3.9%を3年で減らす必要があります。

すでに結果がでている2023年は、減ってはいるものの8.4%。▲0.5%です。

残り3.4%を、厚生労働省はどう減らしていこうとしているのでしょうか?

2024年は、長時間労働で知られるトラックドライバーに労働時間の上限がもうけられます。

また、医療でも、2024年以降働き方改革が始まります。

これまで行なっていた働き方改革関係の助成金や、長時間労働の事業場への監督指導も引き続き行ない、2023年までよりもっと労働時間を減らしていく計画のようです。

目標が達成されるかされないか。
また、人手不足と賃上げがここにどうからんでくるのか。

これからも数字を追いかけていきましょう。


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