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古い新幹線車内誌 土門拳とみうらじゅん

古い雑誌をめくっていたら、同じ棚に東海道・山陽新幹線車内誌「ひととき」という雑誌が残っていました。2017年2月号とあるのでそのころ新幹線を利用したということでしょう。2017年ころといえばほとんど旅行はできない状態だったので、どのような用事だったのか、頭の中を探してみました。

思い当たることが一つだけありました!
そのころバイトしていた会社の車内旅行です。小さな会社で社長が旅行とか、みんなで仲良くやろうよ…といったことが好きだったので、温泉に行ったのでした。

さて、その車内誌ですが時刻表付と記されています。さすがJRの雑誌です。時刻表も含めて100ページほどの薄さ。

特集は奈良の室生寺のことらしいです。「龍神信仰と伝説」という副題がついています。

目次をたどってみると、「土門拳が撮った室生寺の美仏」などという見出しもある。文はみうらじゅんさん。

みうらさんは小学生のころすでに仏像マニア(?)で、クリスマスにサンタにねだったのが金箱に入った「日本の彫刻 上古ー鎌倉」という豪華写真集だったといいます。ゲームじゃないんだ!

上古~鎌倉の各時代を写真家が担当しているのですが、その中で飛鳥から平安時代に他のページにはない違和感を憶えたそうです。それが土門拳の写真だったと。

車内誌「ひととき」にも室生寺の仏像の写真が3点。

仏像だと思って見るから、仏像の一部の極大ズームだとわかります。でも、知らなかったら木彫りということしかわからないでしょう。流れる水のような仏の衣の中から覗く左手が一枚、もう一枚は左足の裏。

ここまでズームされると、いやでも「木」を感じざるをえません。

「自然に顔や体はないが、彫ることで現れ出でる仏の姿。」(みうらさん)だそうです。

そして、結びがかっこよすぎて…
「かつて『仏像は動くから早く撮らなければならない』と言った土門拳。仏像少年は大きなってその言葉のスゴサを再発見することになる。」

みうらさん、こんないいところで終わらないで!
どういう意味か気になってしかたないじゃないですか。
みうらじゅんさんの本を読んでみるしかありませんね。


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