休校中の職員室

先週は、火曜日から休校だった。

生徒がいない中学校というと暇そうである。確かに業務内容はかなり減るのだが、この時期特有のまあまあ大きな仕事がある。指導要録の作成だ。

指導要録とは、学校教育法施行規則で作成が定められている生徒ひとりひとりの記録だ。生徒の氏名や保護者名などの学籍の記録は20年保存。それ以外の指導の記録は5年保存することになっている。その指導の記録を作成するのがだいたい年度末の3月だ。内容は以下のとおり。

・各教科の学習の記録→1〜5の評定。9教科のうち1つと道徳についての文章記述。(これは、今年度のうちの学校はなぜか要録の様式に「道徳」の枠を別に作れていないから、ほかの地域は違うかもしれない。)

・総合的な学習の時間の評価→総合的な学習の文章記述。もちろん5、4などの標定はない。

・特別活動の記録→学級活動、生徒会活動、学校行事について主旨に照らして十分に満足できる状況にある場合には◯をつける。

・行動の記録→合計10個の「基本的な生活習慣」「責任感」「公正・公平」などについて主旨に照らして十分に満足できる状況にある場合には◯をつける。

・総合所見及び指導上参考となる諸事項→「学級委員」「◯◯委員」「◯◯科教科係」などの役割とその様子の文章記述。加えて、どんな生徒なのか性格や様子を書く。あくまで行動の記録とリンクするように。つまり絶対生徒にとって不利になるようなことは書かない。また、進路についてどのような指導をしたのかの記録、所属している部活動や各種検定や表彰、スポーツテストの結果も記入する。

生徒の様子をポジティブに捉えて書くだけなのでそこまで難しい内容ではないが、これだけの項目があるとなかなか時間がかかる。そして、これを学年主任→教務主任→教頭→校長の確認を経て業務が終わりというところに一番の虚しさがある。通知表の所見のように生徒も保護者も内容を知ることはないのだ。あくまで法律で保存が定められている書類だから年度末にまとめる。そして、鉄庫に入れて保管する。ただそれだけのために何時間も費やす。しかも、数年前までは手書きだったので本当に辛かった。(といっても、私は1回しか手書きで処理をしていないが…)

というわけで、今はひたすら要録の作成をしている。定時退庁をする日はあるけれど、全く暇ではない。

ちなみに、タイトルの内容とは少し外れるけれど、漫画などでたまに見かける「内申書」というものは書いたことはない。高校に提出する「調査書」ならあるが、これも指導要録同様に生徒に不利になるようなことは一切書かない。だから、「内申にひびくぞ」と言って生徒を脅すことは全くない。問題行動を起こしがちな生徒は「素直で物怖じしない性格」だったり、学校を休みがちな生徒も「自分の好きなことに対して真剣に打ち込める性格」だったりするのだ。

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