ほたてのおすし

中学校ではたらく女性。

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最近の記事

2023年の映画について。

 中学校で社会科を教えていると、「なぜ鎌倉幕府は滅びたのか?」という問いを考えるために「分割相続」について説明する。「土地所有者が死んだら配偶者と子ども全員に土地を分配する。結果として、一人当たりの領地はどんどん小さくなる」と図を使って説明すると、中学生はすぐさま「武士の生活が苦しくなる」と気付き、「こんな方法やめればいい」と言う意見が出てくる。「え、じゃあどうやって相続するの?」とたずねると、「きょうだいで戦えばいい」という意見が出てくることもある。そして、「でもさ、きょう

    • 休校中の職員室

      先週は、火曜日から休校だった。 生徒がいない中学校というと暇そうである。確かに業務内容はかなり減るのだが、この時期特有のまあまあ大きな仕事がある。指導要録の作成だ。 指導要録とは、学校教育法施行規則で作成が定められている生徒ひとりひとりの記録だ。生徒の氏名や保護者名などの学籍の記録は20年保存。それ以外の指導の記録は5年保存することになっている。その指導の記録を作成するのがだいたい年度末の3月だ。内容は以下のとおり。 ・各教科の学習の記録→1〜5の評定。9教科のうち1つ

      • 首相要請の後の中学校

        首相の休校要請があったのは木曜日。その次の日はまだ市教委の判断待ちで朝の段階では何も管理職からの報告はなかった。ようやく方針が決まったのは昼前で、昼休みの時間に職員打ち合わせを設けた。そこで知らされたのは、火曜日から13日間の全市一斉休校。 すぐさま学年主任を中心にその日の日課の見直しをし、連絡事項をまとめた。生徒には一斉放送で内容を伝える。生徒の反応は様々で、学校を休めて嬉しいという子もいれば、友達と会えないのは辛いという子も。 市教委の判断は、春休みの前倒しではなく、

        • すべての公立小中高休校の要請

          19:00すぎの職員室。同業者からのLINEメッセージを見た同僚の一言でそのことを知った。 「Yahooニュースが大変なことになってる。来週から公立の小中高の休校要請が出たらしい。」 急いでYahooを開いた。 ほんとだ…。しばらくして、わたしのLINEにもそのニュースに関するメッセージが届く。 わたしがいちばんに思ったのは「授業が終わらない!」だった。わたしは今、社会科を教えているが、3月の修了式まで残り8時間ほどでやる内容を煮詰めているところだった。もし、来週から

        2023年の映画について。

          道徳の評価

          中学校では、今年から道徳が「特別な教科 道徳」になり、自治体ごとに教科書を選定し、評価が義務付けられている。 今日は、道徳の評価をした。 これは、あくまでも「特別の教科 道徳」の授業をどのように受けたのか、どのような変容が見られたのかを見取るものだ。だから、他の教科のように数字で評定を出さず、文章で所見として書く。テストなどをするものでもないので、授業で使ったワークシートを一人一人点検していく。そして、目ぼしいものがあればその時の授業で使った資料名や活動を拾い出し、生徒の

          2月のある週の中学校教員

          先週は何をしたか覚えていないほど忙しかったが、そもそも忙しいのは先々週からだった。 学年末テスト作成とその採点。木曜日にテストを実施したらその日のうちに2クラスは採点をし、金曜日に返却。その日の午後は教育委員会の研修会。土曜日はサウナに行ったり、友達と遊んだりし、日曜日は部活に顔を出した後、残り3クラス分のテストの採点をした。 そして、先週はテスト返却をし、そのデータやそれまでのデータをまとめて成績を付けた。今回は、3学期の分を出した後、すでに出してある1、2学期分と合わ

          2月のある週の中学校教員

          中学校教員の日常

          仕事についてnoteに綴ろうと考えたのは、忙しくて先週のことを覚えていない、と友達に言った次の日、ドキュメンタリー映画を観て、記録することって大切なのでは、と思い始めたからだ。 とりあえず、noteの中を #中学校教員 で検索するととても張り切った内容のものか、なんらかの理由で職を離れた方のものが目立った。ふつうの内容がない。 近年、不条理な指導やブラックな労働環境が話題にされることが多いが、実際のところはどうなのかなかなか伝わりにくいとは常々感じてきた。教員を志望する若者が

          中学校教員の日常