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2022年2月前半読書の記録

2/1㈫ 古本屋仲間とランチをして、午後は同人になってる市場の市会(同人になってまだ3回目の市場、ほやほや)。今日はフリ(競り)が面白かった。帰りにお豆腐屋さんのワッフルを買い、はなさんと食べる。美味しいドーナツは売り切れだった。村上春樹読みながら寝落ち。ドライブ・マイ・カーまだ観てない。。ウェス・アンダーソン新作も早く観たい。。
振込手数料が安くなると熱心におすすめされ初めて(しかも嫌嫌……)ネットバンク登録してみたら、信じられないくらい振込簡単でなんで今までやってないの……と衝撃。少し前に生まれて初めて作ったICOCAも便利すぎてチャージばかりしてるし、ほんともっとそういうことに敏感にならないといけない。もしかしたらKindleとかも便利なのかもしれない。

2/2㈬ 昨日定休日だったせいか店内冷え冷え。高野文子『絶対安全剃刀』(帯付)買ってくれた方が、マックナゲットが発売されたとき宣伝用トレイの紙が高野文子のイラストですごく好きだったと言っていて、画像検索してみたらほんと驚くほど素敵だった。ミスドの原田治しかり、一人で気軽に食べられるファストフードの登場って画期的でおしゃれで革命的だったんだろう。子どもの頃はダンキンドーナツも好きだった。ファストフード、わたしは匿名になりたくて行ってしまう。
『詩人になりたいわたしX』、夜中に読んでラスト泣く。マジでわたしそこまで悪いことしてる?てことが若いときは親や学校の先生との間でよくあり大人になっても傷になっていたりする(たとえ普段は忘れていたとしても)。今なら「え?別に悪くなくない?なんでなんで?じゃあ○○はどうなの?」とか瞬時に言っちゃうと思うけど、当時は世界の終わりのように辛かったし、詳細は忘れてたとしても傷ついたことは覚えてる。はなさんもそうなのかもしれない。原稿、とてもデリケートなテーマなのでなかなか書く決心がつかない。たぶん書き始めたら5分。。
詩人X読みつつ先日買取りしたレコードを販売前に試聴。まずはJAMES TAYLOR「sweet baby james」から。カーリー・サイモンのパートナー。とてもセンス良いお客さんから買取させてもらったレコードが一箱あり、3月のイベントで売りたいので盤質チェック兼ねて少しずつ聴く。

ネットバンクの便利さが楽しすぎて、いつもはぎりぎりまで溜めちゃうのに片っ端から振り込み手続きをしている。不動産屋さんの母に電話で感動を伝えたら不動産も今みんなネットバンクで振り込むらしく、そうなると根がアナログなもので便利さが逆に心配に。

2/3㈭ 朝イチで原稿。いつもすぐに返してくれる編集さんで、今回も本の熱がちゃんと伝わる紹介文と言ってくれた。『詩人になりたいわたしX』は本屋さんでは児童書コーナーにあったけど大人の方にも読んでもらいたい、とも。本は手に取る瞬間、もっと言うと存在を知った瞬間から体験が始まっている(なのでその後、積読になったとしても大丈夫です……キリッ)。うれしい。今日はひとりアルバイトさんの面接もあるので朝からそわそわしていた。マヤルカのスタッフは基本わたしのスカウト制なので。。会ってみるととてもしっかりした感じのよい学生さんだったので少しお願いしてみることに。
夕方来てくれた若いお客さんが、お会計のときに「すいません、この本屋はなんていうか、チェーン店ですか?それとも個人の本屋なのですか?」と聞いてくれてちょっと面白かった。チェーン店なりたい。2/25から始まる丸善の古本市に向けて棚の配置図を描く。わたしの場合、即売会の準備は全体→細部。並行して来月の市場の出品準備も。一口作ってみて心の師匠(前回のnote参照)に写真を送りアドバイスをもらう。何事も過ぎたるは及ばざるが如し。
谷川俊太郎さんの本がまとめて入荷したのでお知らせツイートをすると、すぐに北海道にある谷川さんの本を集めたご本人公認カフェの方からTwitterで注文が入る。その本は初版で装丁もきれいで状態もよかったしきっとカフェに馴染むと思う。いつか行きたいな。
我が家の節分は(わたしが好きなので)手巻き寿司。恵方巻ブームは海苔業界が仕掛けてるとも聞いたので、より海苔を使う手巻き寿司ならきっと問題ないでしょう(真偽不明)。ちょっと高級な海苔を買うとほんとに美味しい。
今夜の試聴レコードは「THE LEGEND OF SLEEPY JOHN ESTES」。ブルース。ジャケットの写真がポイント。とてもよくてお酒がすすむ〜〜。

2/4㈮ 久しぶりに朝ウォーキングからの朝読書。引き続き『ケアの倫理とエンパワメント』、第二章はクィアがテーマ。クィアに関する日本のありえなさ、知れば知るほどうんざりする。誰もが生きられるように変えていくこと、選択肢や道を保証すること、一体何を恐れているのか分からない。
本を読みながらコーヒー飲んでた2階席とちょうど同じ高さのお向かいにアパートがあって、そこのベランダでお隣同士の男の子がにこにこしながらベランダの仕切り越しに二人でタバコ吸っておしゃべりしていた。わたしはときどきその様子をチラッと眺めたりしながらのんびり本を読んで、とてもいい朝だった。
その後車検のため遅刻。代車は窓にスモークがかかった車高低めの黒いプリウス。オープン直後にエルンスト百頭女や東郷青児装丁のロリータなどお持ち込みいただく。
夜は本屋仲間とzoom飲み会。去年の後半は忙しすぎて、なんと半年ぶりだった。寝る前にNetflixでゾンビ。ゾンビは進化し新たなステージへ。死んでるのに。

2/5㈯ 季節的なものか年齢なのか、毎日眠くて眠くてしょうがないので今朝は9時過ぎまでごろごろする。今月頭から一乗寺で使えるお得なクーポンがあり、マヤルカでも使えるので利用のために来てくれる方が多いような気がする。コロナで街には人がいないので本当にありがたい。昨日も来てくれた方が、今日も久里洋二や瀧口修造などお持ち込み。うれしい。月一更新のコラム書こうと村上慧さんの絵本『家をせおって歩く かんぜん版』を読む。面白い。わたしは土地がほぼタダみたいな田舎の出身で親戚みんな山とか持ってたので、地価が高くて限られた京都との土地に対する感覚の差、そこから来る生活すべての違いがとても興味深い。どっちがどうとかはないんだけど、やっぱり隣の家とくっついてるのは少し苦手で、今住んでる家は京都の街中なのに360度隣家がないところが決め手だった。
家に帰るとはなさんがチーズケーキと夜ごはん作ってくれてて美味しかった。おかずは粉ふきいもと鶏肉の何かで、粉ふきいも!とわたしはまったく作らないものなのでなんだか懐かしくなった。台所を運営するということは、自分が作らないものは一生出てこないということなんだなあ。はなさんの粉ふきいも食べてたらなんだかおばあちゃんの家のごはんとか思い出しじーんとした。
作家の西村賢太さん死去のニュース。みんなどうか、死なないで。

2/6㈰ 今月からスタッフが二人増えることになったので(一人は復帰!)、今日は営業しながら二人に古本屋講座。地味な作業の連続すぎる講座。。一人は今年から院に行く学生さんで、わたしの社会人一年目のときと同い年くらい。自分よりもはなさんのほうが年が近くて、ほんとにこんな若者をわたしの上司は徹底的に虐めてたのか、そして会社も一千万とかかけて(?)採用活動して入れた新入社員が虐められ、追い詰められて辞めていくのを黙って見てたのかと思うと信じられない。当時の上司も、たぶん今のわたしと同い年くらいだと思う。上司目線でもありえないし、経営者目線では経費の無駄使いすぎる。付き合いきれない。無理になる前に逃げてよかった。そこでできた大事なつながりもあって、それは今もちゃんと残ってるから。
本屋仲間のお客さんが来てくれて、街中の本屋事情など教えてもらう。
夜は肉まんをお腹いっぱい食べて、寝る前にNetflixでゾンビ。子どもを助けてくれない国、の強調は、多くの学生が犠牲になったセウォル号沈没事故への示唆とも取れるんだなあ。。新型コロナ禍も全人類の共通認識として当たり前のように登場したり、コロナで多くの人が経験しているいろんな理不尽もちゃんと掬い上げ整理されてストーリーに活きてて、韓国のエンタメほんとに成熟している。

2/7㈪ 朝ウォーキング。今日から読み始めた本が面白すぎる。買取先で読書家のお客さんに教えてもらった本。夢中で読んでいると、フランスの高校生がテラス席のあるカフェで離れて暮らす父親と待ち合わせをするのに「道沿いのテラス席を取っといて。最前列じゃなきゃダメ」と伝える場面があった。3、4年前に1日だけパリに行ったとき、最前列のテラス席でお昼に白ワイン飲んでサンドイッチか何か食べて、給仕係のおじさんが陽気で道の向こうでは情熱的な何かを演奏してる人もいて楽しかったな。

ちょっとモヤモヤすることがあり、熱量は自分が何かに注ぐのは楽しいけど、向けられる側になってみるとなんかずるいな、と思ってしまった。一度そう思ってしまうとわたしのことなので、あと何回かしんどさが続いたらその某分野のこと辞めるかもしれない。

店にあったとある雑誌のバックナンバーをあるだけ全部買ってくれたお客さん。感謝。わたしは雑誌の取り扱いが弱いと思うのでがんばりたい。
昨日に引き続き、今日も街中のお店事情を少しだけ聞く。一乗寺は、お店と住んでいる人がのんびりゆるやかに一続きになっている。なのに店と店の結束がそれほど強固ではない。気ままなわたしは気楽でとても好き。だいぶ前に、新しくオープンした店にわくわくしながら行ったら、店主さんわたしがマヤルカの人って知ってたみたいで話しかけてくれて、「一乗寺は一乗寺でひとかたまりになってるから、こっちはこっちで別で盛り上げようって周りと話してる」みたいなことを言われ初対面(出会って5分……)でいきなり遮断されてびっくりした。それ以来行ってない。
電話やメール、店頭での出張買取依頼が今日は4件。少しだけ遠めなので、週末ダブルヘッダーで予定組む。

閉店後、もう10年以上お願いしてる美容師さんのところへ。占いと仕事の話で盛り上がり楽しかった。髪ツルツル。

2/8㈫ 車検の見積もりにため息。同時にタイヤ4本変えることになったので心が無に。タイヤはこまめに変えなさいという学び。新しい車欲しかったけど車検あと2回くらいしてからにしよう。。朝ウォーキングからの朝読書。昨日に引き続き『赤いモレスキンの女』アントワーヌ・ローラン、めちゃくちゃ面白い。
市場入札後に久しぶりの映画館。観たかった「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」最高だった。その足でサントラも注文。大好きすぎる。ぜんぶのシーン思い出してる。レア・セドゥなんなの。。ウェス・アンダーソンはぜったいに映画館がいいと思う。最高。
寺町のスマート珈琲2階席でフレンチトースト食べながら赤いモレスキンの女をまた夢中で読んで、読んでたら飲みたくなった紅茶ラプサン・スーチョンを買う。夜ごはんにうっかりめちゃくちゃ辛いスパイスカレーを作ってしまい(カレーの壺なので一瞬でできる)はなさん辛すぎて無言になってた。

2/9㈬ 朝ウォーキング。『赤いモレスキンの女』読了。すばらしかった〜〜。離婚歴のあるパリの書店主が赤い手帳の入ったハンドバッグを拾う話。プルースト、マラルメ、タブッキ、ソフィ・カル、村上春樹、この本が出てすぐにノーベル文学賞を受賞したというパトリック・モディアノ……登場する作家のセンスの良さと初版本をコレクションすることや古い建物や調度品、歴史あるものを重視する文化とうっとりすることばかり。わたしもプーチンていう名前の大きい猫と暮らしたい。
この本をすすめてくれたお客さんはフランス語の原書も読んでいるそう。わたしも大学で2年間フランス語の授業取ったけど、会話になった途端ほんと一切分からなくて、しまいにはフランス人の先生わたしの後ろに立ちわたしよりも後列に向けて授業してた。
そういえば、カフェで白ワインとサラダ、食後のコーヒーだけを頼んでお会計するシーンがあった。理想です。。ランチまでは食べられない、でも甘いもの以外の美味しいものを少しと昼間の白ワインを楽しみたい、みたいなときに気軽に行けるお店が京都にあまりなくてちょっとさみしい。大阪はさすが食いだおれ、昼間も軽く飲みやすいお店が豊富だと思う。チェーンだけど、京都のシェイクシャックはいつも空いててポテトとアルコールだけ、とかの注文がしやすいから好き。

絵本買ってくれた小さな女の子が「わたしこのお店大好き」と言っていて、え!うれしい〜!と言ったら「どういたしまして」と言ってくれてかわいかった。一乗寺のクーポン、残り1綴に。がんばってわたしの店でぜんぶ使ってくれた方もいて感激だった。
今日の京都はコロナ陽性過去最多の2996人。
ゾンビドラマ、シーズン1佳境。もはやゾンビは現象となり、人はどう死ぬのか、みたいな深淵へ。

2/10㈭ 朝ウォーキング。今朝はオープン前に一件出張買取。出かける前にラプサン・スーチョン。美味しい、いぶりがっこの香り。え、違う?
お天気あまりよくなかったみたいだけどお客さんたくさん来てくれた。連休中に読む本探しに来てくれたのかな。一乗寺に移転を決めた一番の理由は平日にお客さんが来てくれる街、だった。一週間は平日のほうが多いので、当たり前だけど毎日売上が見込めるというのはすごく大きい。前の店はわたしを育ててくれて、今の店はわたしに生活と挑戦をさせてくれて、どちらにも感謝の気持ちでいっぱいです。

夕方、お客さんも発送も値付けも落ち着きたまたま手に取った桐野夏生さん『夜の谷を行く』が面白くて一気に読了。連合赤軍事件に関わった女性たちをモチーフにした長編。個人の資質と矮小化されたり、逆に一切の個を無かったものにされがちな女性たちの視点で歴史を読むということ(センセーショナルで大層だと思われていたことがそうではなかったあるいはその逆、であることが見えてくることも)、あと今はどんなに毎日が楽しかったとしてももう少ししたらわたしも偏屈で孤独なおばあさんになるかもしれない可能性などが身に沁みた。老いは自分ではどうしようもないものなのに、学歴より仕事より子育てより何より自己責任が求められ好きなことして自由に生きた罪を問われそう。しかし今の時代これを救いと言うのは違うのかもしれないけれど、たぶん救いあるラスト。実話ではなくとも当事者周りへの取材をしているらしい。連合赤軍関係はいろいろ読んだけど、当時を生きていないせいかこれまで読んだ男性側からの論理はいまいち腑に落ちていなかった。おそらくこれまで多くの人が見逃していたリアルな視点。作家ってすごい。文庫版解説が永田洋子の弁護人というのもすごい。たぶん、ある程度事件の流れ、情報が入ってる人のほうがより入り込めると思う。

2/11㈮ 祝日。Netflixでゾンビ「今、私たちの学校は」完走!個人のレベル、国家のレベル、どちらのドラマも作り込まれてる(でも最初のシーンがショックではなさんにはおすすめできてない……)。最終話も伏線だらけ……シーズン2早く……!

今日読んでよかった記事二つ。

愛のために「結婚制度」はもう廃止したほうがいい、法哲学者の私がそう考える理由

「おそ松くん」が描かれた時代の優しさ──。 京都の精神科医が一流のクラフトビールを作る理由

ここのビールほんとに美味しいのでますます推す。結婚はわたしも一度してみてその間も特に生活には困らず自分の好きなこともわりとしてたけれど、それでもやっぱり制限が多すぎてあまり向いてなかったみたい。。だけどその結論は、わたしが選べる立場だから。早急に選択肢を。
以前もたくさん本やグッズを買ってくれた学生さんが「すごい本を手に入れてどうしても見せたいのであとで行きます!」と電話をくれてわたしも元気に。実はそのお客さんのために店に出さずに置いておいた本があったのだ。わたしのところで揃えた本が論文に役立ったそうでうれしい。DUNEなどSF関連まとめての買取も。最後は小学生くらいの男の子が面白すぎる!といいながら杉浦茂の漫画を買ってくれた。趣味よすぎる。

2/12㈯ 連休二日目。消耗。。インスタのリールで世界の絶景みたいな動画見てたら羨ましすぎて気づけば夜中に。。延長戦後半ラストぎりぎりまで行ったクラブワールドカップ決勝最後まで見て就寝。

2/13㈰ お母さんが死ぬ夢を見て目が覚める。ハッとなったけど、夢占いでは吉夢だった。
今日は朝から京都→大阪と出張買取二件。よく働いた。若桑みどり『クアトロ・ラガッツィ 天正少年使節と世界帝国』上下巻をゲットしたので明日から読む。寝る前にNetflix「平家物語」となぜか今「愛の不時着」。久しぶりになってしまった。そういえば、今日たまたま見た大河は源氏側の話だった。

2/14㈪ いつもとは違う市場のお手伝い。わたしはこういう大事な日に限って必ず電車乗り間違えたりする……ほんとどうにかしたい。でも一日とてもお世話になり楽しく、欲しい本もぜんぶ買えてよかった。カーゴ一台分になってしまったので明日また取りに来よ。愛車も返ってくるし。往復の電車で若桑みどり読む。もうすでにめちゃくちゃ面白い。歴史の大きな流れと自分の研究がこんなにもきれいな一本道につながったらすばらしく楽しいだろう。若桑みどりさんは逸話もよい。完全外ホームの淡路で電車待ってたら、遠くからものすごく癖の強い弾き語りのレット・イット・ビーがずっと聞こえててついつい吹き出してしまった。

毎朝、豪邸の並ぶ住宅街を歩いてたら気づいたことがある。わたしの家の十倍くらい大きな家でも京都市指定のゴミ袋が一回りも二回りも小さい。ゴミの出し方(京都は各家の前に出すことが多い)もきちんとしてる。わたしが今気になってる店の某部門も、とにかくゴミがたくさん出るのがちょっと嫌。そのゴミの多さはもしかしたら、そのまま不利益に繋がっていてその嫌だな、という勘は正しいのかもしれない……なんて……。

ではまた半月後、よかったら!








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