【心が離れなくなった水俣のこと】


2月のある深夜のこと。

寝ながら、水俣病者でもある緒方正人さんの「常世の船を漕ぎて」本を読んでいたら、

突然、深いところに触れて泣き、寝れなくなった。

忽然と舞い降りてきた水俣。

昨年12月に熊本出張へ行った際、たまたま出会った田口ランディさんの本「水俣天地への祈り」を読んで号泣。

これも夜中だった。本文の水俣病患者である杉田栄子さんの語りのところで魂が震えて
おんおん泣いた。

居てもたっていられず、熊本市内にいた私は翌日水俣へ行くことにした。
私の中で閉じられていたパンドラの箱が開いてしまった。

なぜパンドラの箱と表現したかというと、1996年に東京で水俣展が開催され、何気なくいったのが

水俣病は終わっておらず、苦しんでいる人がたくさんいるのを知り、その痛ましさと全体像の大きさに衝撃をうけた。

当時の私には受けた衝撃をどう行動に移してよいかわからず、そのまま封印してしまっていたのだ。

それがパカっと開いてしまった。

そして、翌月2022年1月、九州出張の際、また水俣へ行き、主要な場所を相思社のガイドの方と一緒に周った。

益々取りつかれてしまった。

12月に訪れてから、ずっと水俣のことを書こうと思いながら、まだ言葉にすることができなかった。時々書いてはそのままになっていた。

それでも水俣への想いはずっと続いていて、どうして、今なの?
水俣病はもう過ぎてしまった過去のことではないのか?

とおさめようとしている自分がいた。

その地に足を運んでも不知火の美しい海があり
水俣病のかけらは拾い集めようとしても難しい。

チッソが流していたメチル水銀の排水が海を汚し、

たくさんの方がなくなり、今もその病を抱え戦っている人もいる。

水俣病の症状があっても差別を怖れ言わずに暮らしている方もいる。水俣病と認定された人はたった2283人(2021年時点)しかいない。

有機水銀の影響でダメージや症状があったり、原因不明で亡くなった人は50万人はいるだろうと言われています。

汚れた海をまるでなかったことにするかのように、県とチッソは海を長い年月かけて埋め立てた。
税金を使ってだ。

広大な面積の海を埋め立て今は、エコパークという名のついた公園になっている。

海を見渡せる一角に木で彫られた仏さまがいくつも鎮座している。

多くの水俣病で亡くなられた魂が何か私に訴えかけている。

終わってないよ~

ずっと続いているんだよ~と言われてる気がした。

かの地に足を運んでも表向きには終わっているし、終わったものにしようとしているけれど、

体感としては、水俣病は終わっていないんだなぁ。とつくづく感じた。

論文やマスコミや人がいうことよりもその場所に足を運んでみて感じる、見えないものも体感することが大事だと思っている。



コロナで直接患者さんからの語りは聞けなかったけれど、ビデオになっているのを借りて観た。

今は亡き杉本栄子さんの語りを何度も観た。私だけではもったいないのでスタッフともみて、そのたびに泣いた。

栄子さんの母親が水俣病になり、当時はマンガン病と呼ばれ、伝染すると言われていた。

網元でたくさんの人がいつもいた家だったが手のひらを反すように村人からいじめや差別を受ける。

その後母を失い、父も亡くなり、自身も水俣病で苦しんできた。人生の中でどんだけ憎んでも憎み切れないチッソや国や差別してきた人たちを

許していく人生。「人は変えられんけん、自分が変わらんば。」

「憎むのではなく許さんばね~」自分が同じ立場やったら同じことをしたかもしれん。うちが一番最初に水俣病になったばってん、それをせんですんだ。と語る。

海が病み、魚が死に、人が死んでその理由がチッソの排水と分かっても、国は、チッソを止めなかった。

行政は魚を食べるな、獲るなと止めなかった、だから広がった。マスコミも本当のことを報道しなかった。医者も企業に有利なことを言った。

そして、その後水俣病の症状がでても、それをチッソによる排水からの魚を食べてそうなったと因果関係を認められない。ということが

66年たった今でも続いているのだ。





全体像を知ると原発や今現在起こっているコロナのこととも繋がっていると思う。

人のいのちを守ろうとしない、責任をとらない、国や行政、企業、ほんとのことを言わない医師たち。



今度こそ、あの時はできなくて封印してしまった水俣病をうけとめ、今の私にできることを

していきたいと強く思った。

それは私の視点から伝えること。表現すること。

そして、コラボ―レーションすること。

水俣とマヤをつなぐコラボです。

それがようやくできそうです。



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水俣を訪れた時にミカン畑やお茶畑が目に入った。

早速、宮崎さんの無農薬緑茶を購入してみたらとても美味しかった。

水俣病の経験から水俣では海や自然を壊さない、人にもできるだけ害のない減農薬や無農薬栽培をしている農家さんが多い。

そういう農家さんを支援している相思社さんから

楽しみにしていた甘夏が届いた!!

今季からマヤナッツグラノーラ甘夏ピールは水俣の甘夏とコラボしていくことにしましたよ~~~~

来週から本格的に発売開始します。

https://mayanuts.cart.fc2.com/ca26/103/p-r26-s/





















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