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ホラーマンガ『学校怪談』の簡易紹介

久しぶりに学校怪談を読みたくなって引っ張り出したらこんなのが本の間から落ちてきました。

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どういった経緯で講談社BOXのファンクラブ会員証が学校怪談の単行本の間に挟まることになったのか不明すぎる。妖怪会員証隠しの仕業でしょうか。ニッチすぎです

学校怪談について

週刊少年チャンピオンで連載されていたホラーマンガです。作者は高橋葉介先生。夢幻紳士が有名ですね。学校怪談でもちょっと出てきます。

初めは一話完結の短編集でした。主人公として山岸涼一という少年がほぼ毎話登場しますが、見た目と名前だけ同じで別の人物という、近い例でいうと星新一作品のエヌ氏みたいな扱いでした。

もっと近い例で甘詰留太先生の作品に出てくる満子がいますがわかるひとが少ない気がするのでやめました。

山岸くんは人を殺したり、殺されたり、顔の皮を剥がれたり、骨だけの体にされたり、結構扱いがひどいです。基本的にクールで感情の起伏に乏しく、危機的状況に陥っても焦ったり驚いたりするシーンが少ないキャラでした。

単行本5巻まではそんな感じで、表紙も全て山岸くん単独だったのですが、6巻で彼より大きく描かれた女性が登場します。カバーをめくると、作者コメントで、

第6巻では新任教師の九段九鬼子先生が登場します。第5巻までとは全く違うシリーズが始まったと思ってください。なんちゅー身勝手な。

とあり、その言葉の通り一話目から山岸くんのクラスに新任教師として九段先生が登場。自分は魔女だといい、山岸くんの周りでおこる怪奇現象をことごとく解決していきます。九段先生が豪放磊落なキャラだったので、それに引っ張られて作品も明るい雰囲気になって、山岸くんも随分と表情豊かになりました。

6巻だと通り魔の話が好きです。短編としても面白いし、九段先生の生徒への愛情が伝わる傑作ですね。

7巻で峠美勒が唐突に現れ、彼女(彼)が九段先生の生徒たちを不幸へ陥れようと動き回る話が続きます。やがて峠美勒が九段先生の幼い頃に寂しさから作り出した存在であることが判明し、巻をまたいで二人が和解するまでの話が描かれていきます。この頃になると、山岸くんは女難の相がある霊感の強い一生徒といった感じで、九段先生に主人公が交代したように感じます。

8巻で出てくる神宮寺八千華という転校生は元ネタがエヴァのアスカであることが明らかなツンデレっぽい子でしたが、割と早い段階で能天気なウザキャラに転向しました。この子が出てきてから更に作品のコミカル具合が増しましたね。山岸くんをめぐる双葉とのやりとりも多く、登場するのこんな遅かったっけと思うくらい印象に残ってる女の子です。

9巻から九段先生につきまとうストーカーとして溝呂木がレギュラーに。最初はイケメンでしたが段々とデフォルメが進んでピエロ化していきました。彼の登場でキャラが出揃った感があります。

それからしばらく新キャラは出てこず。14巻では山岸くんの霊能力者としての力が強まり単独で解決することも増えました。

最終15巻で九段先生の大学時代の話が入り、そこで出てきた棟方助教授とのコンビでしばらく話を続けます。現代編に戻り教授になった棟方さんと九段先生の結婚までのエピソードで終了となりました。


なんか途中からただの事実の羅列になってしまいました。

言いたかったのは、学校怪談はミステリアスで冷めた雰囲気だったホラーマンガから、九段先生の影響で明るく楽しいドタバタギャグホラーマンガへと変遷していったということです。

こういう経過をたどるマンガってあんまり見ないので特殊事例として記憶に強く残ります。幽遊白書も最初ハートフル幽霊マンガだったのがバトルマンガになりましたけどちゃんと話のつながりはあるので、ゼロから仕切り直した本作はやっぱりレアケースだと思います。

ぼくの好きなキャラは九段先生と峠美勒です。この二人についてはちょっと書き足りない話があるので別の記事で追加で書くと思います。

電子書籍版もあるので興味ある人は読んでみてください。巻末の全話解説も面白いですよ。

終わります。(^。^)

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