【ミネアポリス】 フランスで本物の味を知ってしまった者の悲哀 - 最高のクロワッサンを求めて
最高傑作を味わい、至福のひとときを経験した者につきまとう不幸。それは、次に味わうどの品も、かつて感動したあの味にはかなわないという悲しみだ。
"Back to Burgundy"という映画をつくった Cédric Klapisch 監督は、「私はかつてロマネ・コンティを味わうという不幸な過去を持っている。」と映画の解説で語っていた。
1本少なくとも100万円以上、ヴィンテージによっては数千万円するというワインの王様、ロマネ・コンティ。 「飲みたい」と思っても一般人には無理である。
私はもちろん飲んだことがないが 、もし飲む機会に恵まれたとしたら、それはとんでもない幸運であると同時に悲劇でもあるのかもしれない。
きっと、「こんなに香り高くて美味しいワインがあるのか!」と感動し、それ以降のワインがいかに素晴らしくても、「あのレベルには及ばない」と思うのではないだろうか。 ま、私にはそんな機会はないと思うので取り越し苦労だけど。
ワインに比べると、そんな大げさな話ではないのだが、私は先日のフランス旅行で、外はサクサク、中の層が美しく、バターの香りが良い美味しい本場のクロワッサンの味を覚えてしまった。 この記事のカバー写真がそれである。
たまに、あの味が恋しくなり、ミネアポリスで美味しいクロワッサンを探している。
【1】Cooks Bellecour
まず、ミネアポリスのダウンタウンにあるベーカリー、Cooks Bellecourに行ってみた。
なんと、美味しい! 正直、アメリカで買えるクロワッサンに全然期待していなかったので、期待を良い意味で裏切られた感じだった。 ミネアポリスも全然捨てたもんじゃないね。
ただ外側のパリパリ感がいまひとつなのは、焼いてから時間がたっているのだろうか。フランスのベーカリーのクロワッサンの味を求めると、もう一息な感じ。家に持ち帰り、あたため直すと外側がパリッとして中のバターの風味も増して良くなったが。
店内にイートインコーナーもあり、コーヒーも販売している。
【2】Black Walnut Bakery
2軒目に行ったのは、ミネアポリスのアップタウンにあるカフェ、Black Walnut Bakery。 人気のお店で、日曜日の午前中11時ごろに行ったら行列が出来ていた。
ここのクロワッサンは外側はサクサク、中はしっとりで、求めていたフランスのクロワッサンの味にかなり近い! なんだ、ミネアポリスでも美味しいクロワッサンが手に入るんだ! 知らなかった。
でも・・・。
リヨンで人気のパン屋さん、Eric Kayser のクロワッサンとは違う。繊細さと香りが違うような。もちろん、上記2店舗のクロワッサンはすごく美味しい。でも何かが足りない気がする。材料の小麦とバター、塩などが違うのだろうか。
ワインほどではないけど、クロワッサンはパンの中では高級品で、しょっちゅう食べらるような物ではない。でも、たまに贅沢しようと思った時、私はフランスのクロワッサンの幻を求めてミネアポリス中を放浪してしまうかもしれない。(← 大げさ) 味というより、香りと食感を探しているような気がする。
それで思い出したが、一度でもヘロインを打った者は、「神のキス」と呼ばれる至福の快感を再び求めてやめられないのだという。 でも2度目以降の快感は、1度目のものには決しておよばないのだとか・・・。
小麦は、薬物ほどではないが、中毒性があると言われている。 気をつけよう!
芸術的に美味しいクロワッサンは、いつかフランスに再び行く時の楽しみに取っておくことにしようかな。
でもミネアポリスならここがおすすめ!↓↓
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはミネアポリス探索の活動費に使わせていただき、記事に反映したいと思います。