見出し画像

多様な選択肢のあるアメリカ、細かい選択をするのが苦手な私

日本人って、選択の自由をあまり主張しない、与えられたものを素直に受け取る国民性なのだろうか。

例えば日本のレストランでサラダを注文すると、ドレシッングを選ぶ選択肢は少なく、始めからかかった状態で出てくる場合が多いように思う。(ざっくりな印象だけど。)

一方、アメリカだと、サラダのドレッシングの種類が5〜10種類ほどあったりして、そこから選択することになり、さらにドレッシングは最初からかけてもいいか、サイドに置いて欲しいか聞かれることもある。私にとっては、選択肢があるのはありがたい一方、めんどくさい気持ちも入り混じる。

北米のチェーン店でサンドイッチのオーダーするのって疲れませんか?

サブウェイなど、アメリカのサンドイッチのチェーン店でオーダーする時の選択肢の多さも私は苦手である。パンの種類(普通の白いパンか全粒粉か)に始まり、挟む野菜の種類と数、肉の種類(ハム、ベーコン、ターキーなど)、ソース(マヨネーズ、マスタードなど)の種類、ピクルスは入れるか入れないか、テイクアウトか店で食べるか、飲み物はつけるかつけないか等、軽く10回くらい選択を繰り返すことになる。私にとってはなんだか疲れる作業。

パートナー (アメリカ人) が私にハーブティーをいれてくれる際も、どの種類のお茶がいいか、ハチミツを入れるか入れないか、入れる場合はたっぷりめか少なめかなど聞かれる。 リモートで家で仕事をしていて、次の会議の準備なんかで頭がいっぱいの時なんかは、「種類はなんでもいいよ。ハチミツはいらない。」("Any kind of tea is fine. No honey, thanks!") となどとぶっきらぼうに答える私・・・。 ごめんなさいパートナー、せっかく親切に聞いてくれているのにね。 でも本心は、頭が他の事で忙しい時は特に、何も聞かずにほうじ茶なんかがさっと出てきたら最高、と勝手に思っている。 

緑茶やほうじ茶は砂糖もミルクも入れないからシンプルでいいなあ

ちなみに私の仕事は、アメリカ企業 (ほぼアメリカ人かインド人) のお得意先とシステムやマーケティングのオペレーションの話で電話会議することが多く、自社からの参加が自分1人でお得意先が複数だったりするような時は特に、ついナーバスになってしまいがちだ。

・・・とこれを書いていて気づいた。次に日本に帰った時に、ほうじ茶のティーパックをたくさん買ってこよう。 仕事中、特に電話会議が重なっている日は(つまり気持ちに余裕のない時)は、ほうじ茶一択にすればいい。 コーヒーも好きだけど、飲み過ぎると余計ナーバスになりやすい気がするので、コーヒーとかカフェインが入っている飲み物は朝の一杯だけ、と決めている。

とにかく、選択するには、けっこうエネルギーが必要。

これは日本で生まれ育った私が、日常の食べ物なや飲み物ではほぼ選択肢を与えられることなく、与えられたものをそのままいただくのが当然として育ってきたことにも関係があるんじゃないだろうか。複数の選択肢がある事に慣れていないのだ。

私が子供の頃は・・・、などと言い出すと年齢がバレそうだが、小学校の学校給食の主食はほとんどパンで、選択の余地はなかったし、牛乳なんて飲みたくなかったけど毎度の給食に必ずついてきて飲まざるをえなかった。

家族との食事はなごやかで食べたくない物を無理に食べる必要はなかったけれど、選択というのはあまりなかった気がする。それは親が好みを聞いてくれなかったとかそういう事ではなくて、一般的な日本の家庭の食事というのがそもそも、家族全員分を一緒に調理するので、一人一人の好みを聞いたりするような類いのものではないためだからだと思う。

和食は洋食に比べ、焼き加減とか、ソースなどの選択の余地が少ないと思う

考えてみると、20歳を過ぎてやっと、夕食時に両親のビールのご相伴にあずかるかどうかの選択肢が食卓に登場したような気がする。

一方、アメリカ人は選択肢を与えられて選ぶ練習を子供の時からしてきたケースが多いのではないか。学校のカフェテリアでメニューを選んだり、お肉にかけるソース、サラダにかけるドレッシングを選ぶとか、家のバーキューで、ハンバーグはレアかミディアムか、ウェルダンか選ぶような些細な選択だったとしても。 そんな環境から、ドレッシングや肉の焼き加減の自分の好みを彼らは小さい頃からわかっていたり、選択する筋肉が鍛えられてきたのではないかな?

最初、私は選択するのにエネルギーが必要と書いたが、時間と心に余裕がある時は、選択が負担になるのではなく、むしろ楽しくなることに気づいた。一日の終わりに、お風呂に入れるバスソルトを選ぶのは楽しい。「ラベンダーにしようかな、ユーカリプスの香りにしようかな〜♪」と考えるゆったりした時間は幸せだ。

一方、サンドイッチ屋さんでは、選択肢が二択ですまないことも多い。パンの種類が「白」「全粒粉」のどちらか、くらいで済むならいいけど、4種類くらいあるお店とかもあって、英語で一瞬聞いただけではわからなかったので、とりあえず聞き取れた選択肢をとりあえず選んだこともあった。 

また、お店が混んでたりすると、一瞬で決めなくてはならない、もたもたもたしてまわりに迷惑かけちゃいけないような時もあって、時間の制限もプレッシャーになる

さらに、お店の人に自分の選択結果をコミュニケーションする必要がある状況は、あくまで自分の中で完結して終わり、ではない。 相手に伝えなくてはならない
ちょっとおおげさな言い方だが、伝える責任が伴う

まとめると、次のような処理が脳内で必要ということになる。

  1.  どんな選択肢が与えられているのか把握する

  2.  その選択肢から秒速で1つ選ぶ

  3.  その選択結果を母国語以外(英語)で瞬時にコミュニケーションする

忙しい時は、もともと少ない私の脳内キャパがいっぱいいっぱいになっているので、上記の余分なエネルギーを絞り出す余裕がないのだ。ゆえに私は「決めるのめんどう!」「もう聞かんといて!」という状態になってしまうというわけだ。

なんだか整理できてきたような気がする。

ということは、

「ほうじ茶作戦」で上記3つのエネルギーを節約できそうだ!


秒速でのお店での注文はどうしようか?

==> 事前のオンライン・オーダーがあるではないか!

事前オーダーやメニュー確認ができない場合はどうする?

==> 自分の先に注文した人をマネて、「彼(彼女)と同じでお願いします!」ということにしちゃおう。

ちょっと芸がない気もするけれど・・・。

いつか脳内エネルギー省エネで秒速選択し、英語でスマートに結果をコミュニケーションできる自分になれたらいいな、と思っている。

電話会議も、なごやかにもっと余裕を持ってこなせるようになりたい。

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはミネアポリス探索の活動費に使わせていただき、記事に反映したいと思います。