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ご報告「田丸雅智先生の"誰でも物語が書けるショートショートの書き方講座"に行ってきました」

実はわたし、公募ガイドの「高橋源一郎の小説指南 小説でもどうぞ」に毎月応募している。

毎度毎度ハナにも引っかからず、もう落選慣れしつつあるのだけれど「鈴木さんの働き方改革」や「走馬灯チャンネル」のように、結構上手く書けた!と思うものも、あっさりと落選する上、毎月選考に通った素晴らしい作品を読んでは、歯が立たないなぁと思う。

目指すは長編小説家なので、ショートショートはどちらかというと、校正力や語彙力の強化のために書いている。ショートショートや短編の定義は千差万別だが「小説でもどうぞ」は2,000文字と文字数が程良く、かつテーマが2カ月前に出るというのも個人的にはスケジュールが立てやすい。

たまにショートショートでは収められず、中編小説になってしまうものもある。「イエス know 枕」は当初“裏表”というテーマだったけれど、書いていて楽しくなってしまい応募は諦めた。でもとても気に入っている。

話を戻すと、わたしには選考に残る力量が足りない。
はて、では、力量とはなんぞや?
語彙力、テーマ性、文体、それらの多さと使い分け…
ウン、全部無いぞ!?笑

悩ましい時間を過ごしていた頃、折良く友達が「中央図書館でショートショートの書き方講座やるみたいだよ!」と教えてくれた。

同世代にすごいひとがいたもんだなぁ…と思いながら応募したところ当選。「こりゃあ良い!プロから無料でお悩み解決のヒントをいただこう、ゲヘヘ」と垂涎しつつ、中央図書館まで足を運んだ。

みんな大好き中央図書館!

田丸雅智先生は元々は理系の方(東大生人生で初めて見た〜という阿呆な感想しか浮かばなかったワタシ笑)で、国語の成績もあんまり良くなかったが(絶対謙遜!)ご家族が「ものづくり」に造詣が深く、物語を紡ぐことも先生にとっては「ものづくり」の一環だったとのこと。

肝心のショートショートのワーク、これが個人的にはとても楽しかった!忘れたくないので簡単にまとめます。
掲載フリーとのことだったので、お言葉に甘えて。

STEP1

①思いつく言葉をいくつか書き出す
②書き出した言葉の中でひとつを選ぶ
③選んだ言葉から連想するものを書き出す
④②と③の言葉で面白い組み合わせを探す
 この時、出来るだけ②で選ばなかった言葉にする
⑤テーマの出来上がり!

わたしはこの時点で「避雷針雪虫」「空の布にハスカップ」「避けてる?換気扇フィルター」という言葉が出来上がった。中央図書館に向かう道中に遭遇した雪虫の大群、最近恋をしている避雷針(執筆中)、前日に食べたハスカップジャム、年末までに掃除しなきゃいけないけれど放置している換気扇フィルター。なんて生活感の溢れる思考。そこから組み合わされた言葉は全くもって理解不能だけれど、先生いわくこれで良いらしい。

会場の参加者からは「さみしいと死ぬスニーカー」「くつろぎカーテン」「折りたためる猫」「霧ダンス」「子どもが集まる穴」など、なんだかわくわくする言葉が出ていた。皆さん詩人ですね!!わたし、この作業、好き!(語彙力)

STEP2

①STEP1で出来上がった言葉からひとつを選ぶ
②それはどんなものかを説明する
③説明をさらに深掘りする
 どんなメリットデメリットがあるか考える

ここまで出来るとほぼ物語が書ける。
というか、もう書きたくてたまらなくなる。
だってほぼプロットが出来上がっているんだもん!

メリットを先に持って来てデメリットをオチにすると面白い

STEP3

あとはもう自由に書くだけ。自由に!
せっかくなので完成した作品は校正後に掲載します。

先生いわく「長ければ短ければ、優れている、というわけではない」とのこと。優れた作品の評価は文章の長さではない、と第一線で活躍されている先生から聞けることは、大変有り難い気持ちになりました。会場の方の作品発表の時間もあり、最後の「ブラックホールの進路相談」が、とても素敵だった!!

今回使ったワークシートは、田丸雅智先生のオフィシャルサイトに無料で掲載されていた。

今回の講演会もそうだけれど、自分が作り上げた貴重な商売道具をこうも世の中へ曝け出せるのは、それだけショートショートを世の中に広げたいという強い想いからなのだろう。現に先生の活動の3〜4割がショートショートの普及活動と仰っていた。その活動量で3〜4割って、残りの執筆活動は莫大すぎませんか?寝てます?笑

田丸先生個人としてはとても熱い方で、ワークそのものもとても楽しかったのだけれど、若干の執筆スランプ中のわたしには、先生の言葉に強く胸を打たれた。先生の仰る言葉には力があり、それは自分をショートショート作家と名乗るために数々に培ってきた知識、経験、それを得るための生半可ではない量の努力、そうしたものが裏打ちされての力強さだった。

わたしにとっては書くことは、究極のエゴイスティックな行為。日々、誰のためでもなく、自分のために書いていると思う。それでも書くことが、やめられない。やめたくない。なのに、うまくいかない。迷っていた中、教えられた。 

「引き続き、やるしかない。
やらないと、開かれない。 
くらいつかないと!」


メモした言葉が後からじわじわ来ている。

「小説でもどうぞ」で高橋源一郎先生に褒められる日も近いかもしれない。誰かの心に届く作品を書ける日も、近いかもしれない。その日まで、これからも、楽しんで苦しんで、もがいてもがいて、紡いでいこうと思う。

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