フリースペース「コスモ」訪問~小学生から就労支援まで
吉祥寺のフリースペース「コスモ」さんを訪問
吉祥寺からバスで3つ目 三鷹の森ジブリ美術館のそば
この週末、フリースペース「コスモ」さんへ行ってきました。
フリースペース「コスモ」
フリースペース コスモは、学校に行けない、行かない不登校の子どものための居場所。小学生から高校生年齢まで、学習サポートと進路指導を行っています 。
吉祥寺駅からバスで3停留所目。私たちの活動している杉並区からは通いやすい場所にありました。
ヤフー地図を頼りに歩いていたら通り過ぎてしまったようで、実はバス停から近かった!
三鷹の森ジブリ美術館のそば、緑のとても多い心落ち着く環境にありました。
フリースクール? 通信制高校サポート校? 就労支援?
・フリースクールじゃなくてフリースペース?
・通信制高校と提携してる?
・就労支援の活動もしている?
などなど、本体が何なのかよくわからなくなっていたので(!)、まずはご担当の藤井智さんに、丁寧に説明していただきました。
小・中・高校生から青年期までをサポート
小学生・中学生・高校生のサポート
もともとは、地域の保護者が中心になって作った子どもたちの居場所なのだそうです。
「フリースペース」という言い方は「スクール」を使いたくなかったから、とのことで、イメージとしてはフリースクールでよいそうです!
小学校1年生から中学3年生までが「コスモ」、高校生は「コスモ高等部」に所属。
勉強をしたりゲームをして遊んだり、過ごし方は自由で、なんとなく小学生・中学生・高校生のグループになって過ごしているとのこと。
農場や畑を持っているので、農作業をして作物を育てたり、休みを利用してキャンプをしたりと自然体験もできるそうです。
高等部は通信制高校サポート校としての機能を持つ
高校生が所属する「コスモ高等部」は、通信制高校と提携したいわゆるサポート校です。学習支援をしながら高校へのレポート提出を手助けしていくそうです。
ただ、学び方にはこだわりがあり、単なる知識の詰め込みではなく、生活の中で生かせるような英語力や読解力を身に着けることを目的として授業を行っているそうです。
素晴らしいです!
私がいたサポート校では、営業の人が教員の目を盗んで、とにかく自分が入学させた「お客さん」の生徒に、レポートの解答を写させていましたが( ! )それとは大違い。
サポート校によっても大きな差があることを考えると、学校をお勧めするときには慎重にならざるを得ないと、改めて感じます。
「若者サポートステーション」としての活動
自治体の委託事業としての「若者サポートステーション」
そして、小・中・高サポートのあとには「青年期支援」の活動があります。
自治体の委託事業として、「若者サポートステーション」の活動をされているのです。
高校生から青年期にかけて、進路や生き方に悩む人たちをサポートする事業です。
むさしの地域若者ステーション
武蔵野市ひきこもりサポート事業 「それいゆ」 ※家族セミナーはこちら
ひきこもりサポート事業・10代向けの居場所については、以前、訪れた中野区の「まごころドーナッツ」の活動と共通しています。
(参考記事)「中野区若者フリースペース「まごころドーナッツ」見学 学童期~青年期の連続した支援体制」
『中野区若者フリースペース「まごころドーナッツ」見学 学童期~青年期の連続した支援体制』
中野区「みらいステップなかの」にある若者のためのフリースペース「まごころドーナッツ」を見学させていただきました。 ホーム - 中野区若者フリースペース まごこ…
パン屋さん・DTPラボも併設
その他に、パン屋さんとDTPラボを持っていて、若者たちが実際に就労をしています。
「風のすみか」
コスモの建物に併設されていて、作業の邪魔にならないよう少しだけ見学させていただきました。
農場で作ったブルーベリーなどを使ったおいしそうなパンが並んでいました!
「DTPユースラボ」
自分たちで、職場をつくる 働きやすい職場を若者自身がつくり出し、働き方・生き方を学びあっていくことができる、そんな場を目指しています。
不登校にはICTに強い子が多いこともあり、自治体などから請け負って原稿作成・デザイン・レイアウト作業などを行っているそうです。
きちんと経営が成り立っているということ
「不登校の子たちがやっているお店」ではなく、実際にいいものを作って売り上げを出しているのだそうです。
私が個人的に取り組んでいる美術展「Free Art of Kids & More」と考え方が似ているかも、と、思いました。
(参考記事)共同主催で子どもたちの美術展を開催しました~自分の作品を「売る」ということ
『共同主催で子どもたちの美術展を開催しました~自分の作品を「売る」ということ』
12月6日(火)~12月11日(日)まで東京都世田谷美術館で開催された美術展「Free Art of Kids & More〜 時間割の外側で生まれるゲージュ…
前向きに働いていくための就労支援
実際に就労できる場所を作った理由
「風のすみか」や「DTPユースラボ」を作ったのは、バイトに出た青年期の人たちがバイト先で「使えない」「失敗するな」などと叱責されて、すぐにやめてしまうことが多かったことがきっかけだったのだそうです。
失敗しても大丈夫、リカバリーの仕方を学べば働き続けられる、ということを学習できれば、誰もがスムーズに働くことができるはず。
でも、心無い言葉でめげてしまうのはあまりにもったいないと思います。
「使えない」「失敗するな」という声は聞きたくない
私も比較的社会不適合なので、今までけっこう職場を転々としてきたのですが、どの職場に行っても、「使えない」「遅い」「あいつ仕事できない」というような言葉を本当によく耳にします。
不登校の子や障害のある子を見てきていると、なぜ「何か理由があってそうなっている」と想像できないのか、どうしてもっとやさしくできないのかと、本当に心が苦しくなります。
中小企業との連携で働きやすい環境作りを
ただ、最近は「中小企業同友会」ともつながり、若者の就労について意見交換をしているとのこと。
大企業と違って中小企業は待っているだけでは人が来ないので、若い人の働き方について理解をしようという方が増えてきているのだそうです。
不登校を経験した子どもたち、高校を卒業して働いていない子や中退をした子たちが、安心して働ける環境が整うとよいな、と思います。
子どもたちが生きていく上で、大切なことが学べる場所
コスモさんのような就労支援があれば、繊細な人や感受性の強い人も、もっと楽に社会に出ていけるのではないかと思います。
本当に、素晴らしい取り組みをされていると、とても心が動かされました。
「不登校だから行くフリースクール」というよりも、長い人生を生きていくうえで大切なことを教えてくれる場所なんだな、と感じます。
こういった取り組みの一端を担えるよう、連携していければ……と改めて強く思いました。
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