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パリ ファッションウィークで思う事

前回3月に初めてお手伝いをしたTRANOÏ(トラノイ)というトレイドショーにこの秋にも参加させていただきました。

パリ・ファッションウィークというとシャネル、ディオール、YSLなどハイブランドのド派手ファッションショーのイメージですが、それらはピラミッドの頂点のごく一部。頂点以下、大半のブランドは個人でアトリエを借りて展示したり、ホテルの一室などに一定のバイヤーだけを招待したり、そしてTRANOÏのような合同展示会に出展したりしていて、パリの至る所でバイヤーが買付けをします。

この1週間は全世界中から来るファッション関係者で人も交通もごった返しているパリ。目を疑うような足の長さのモデルさん、取り巻きだらけのセレブリティー、ボトックスで顔パンパンのアメリカ人、謎お金持ちのアラブ人、何を見ても「かわいい」しか言わない日本人で溢れかえっています(ひどい笑)
セレブリティーを乗せた車は平気で道をブロックするし、特に重要じゃない人でもファッション関係者はタクシーしか使わないので、道の混雑具合が半端ないです。つくづくファッションの世界は(今のところ)儲かっているのだなぁと、貧乏音楽家の私は遠い目で見ています(笑)

前回に引き続き今回もTRANOÏに韓国政府が出資していて、韓国の若いブランドがたくさん出展していました。そして週末には韓国ブランドだけのファッションショーが開かれたりしていて、韓国の勢いに圧倒された日々でした。一国がこのようなイベントをサポートすることによって、TRANOÏの展示会としてのレベルが下がったという声もたくさん聞きましたが、国が若いデザイナーを大々的にサポートをしているのはすごく羨ましく感じました。

韓国セクション

展示会中に日本大使館の方とお話する機会があり、韓国の出資の話をすると「日本は逆に国に関わってほしくないクリエイターが多いので逆にサポートがしにくい」とおっしゃっていました。その場では黙っていましたが「いやいや、国が関わると制限ばかりされるからじゃないの?」という言葉が喉まで上がってきて口から飛び出る寸前でした(笑)

それは今まで日本でコンサートをするたびに助成金の申請をしてきたので、個人的にひしひしと肌で感じたこと。全体を通して「支援してもらうんだからこれぐらいは言う事聞けよ」と言うスタンスを感じるのです。そんな条件付きではアーティストは本当に表現したい事が発信できません。他の国の事情は全く知りませんが、少なくともフランスはアートに対しての出資は惜しまないし、制限されるようなことはありません。

仕事後のフリーカクテル🥂と言っても去年は4日間一日中コーヒー、紅茶、ジュース、シャンパーニュ、ヴィエノワズリ、サンドウィッチなど全て無料だったのに、今年はこれだけ….ケチり始めた?

韓国もきっと相当な問題を抱えていると思います。映画【パラサイト】のように華やかな世界の裏で犠牲になっている人が大勢いるでしょう。ただハイブランドのショーにたくさんのKpopアイドルが招待されていたり、パリで“いいお店”に入ると必ず「韓国からですか?」と聞かれるようになったり、はたから見るととても華やかで、フランスにおける韓国のステータスが日本より上がっているのは確実だと感じます。

Made in Japanと言っていれば物が売れていた時代を引きずってあぐらをかいていた日本はいつの間にか文化的にも経済的にも“幼稚でダサい国”になってしまったと思います。ま、スカンジナビアブランドの勢いに負けているフランスも同じような状況ですが・・・。

日本の文化、芸術、産業の底上げにもっともっと投資をしないと、このままでは「韓国の真似をする日本」という目で見られてしまいますよ、日本政府の皆さん。

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