夫が浮気してた4【経過報告】
クリスマスに夫の浮気が分かり、罵詈雑言を吐き散らして悶絶した挙げ句、再び3人で生きていこうと決めた。
頭ではそれがベストチョイスだと分かりつつも、心は、ショックを受けたあの瞬間から一歩も動けずにいた。
そこで、年始に実家に帰省したこともあって、そのまま私と息子だけ実家に滞在することにした。
実家に滞在した3週間の間に、自分なりにこの状況を受け入れ、自分の傷を癒やし、夫を赦すことをしなければならなかった。
夫には、再出発するにあたり条件をいくつか提示した。
そのうちの最上位に掲げたのが、これ以上嘘はつかないだった。
もう嘘は隠さない。
性欲に関してもどうすれば外部に頼ることなく運用できるか包み隠さず話し合うことを誓わせた。
自宅に戻って1週間後に息子の一歳の誕生日が来た。
2人で飾り付けをして、3人でケーキとプレゼントを買いに行き、お祝いをした。
実家でお祝いすることになるかと思ったけれど、こうして3人でお祝いできて本当によかった。
その次の日、夫は不倫相手以外に出会い系で6人の女性に会い、そのうち3人とSEXしていたことが判明した。
繰り返すが、もうこれ以上嘘はつかないと夫は誓ったはずだった。
出会い系はやっていないと夫は言っていた。
夫の言い分を念のため紹介しておくと、散々最低なことをしてきたので、これ以上本当のことを話すと私の心が離れるんじゃないかと怖かったらしい。
その気持ちは分からんでもない。
しかし、どうせ奈落の底に突き落とすなら一回で済ませて欲しかった。
また嘘をつかれたことはさることながら、自分から動いていたことがショックだった。
夫は感化されやすい人だ。
だから、言い寄ってこられたらひょいひょいいっちゃいそうだなと思っていた。
職場の不倫相手の女性は、まさにそのパターンだった。夫はロックオンされ、まんまとついていった。
だから、そんな女性と巡り会ってしまって夫も運が悪かったなと内心思っていたのだ。
けれど違った。
夫は、私と付き合っている頃に職場の先輩に出会い系アプリの存在を教えてもらい、女性と会っていた。
結婚してからも5人と会っていた。
夫はインドア派で、人見知りな性格だ。
そして超がつくほどめんどくさがり屋だ。
その彼が、出会い系でやれそうな人を検索し、ターゲットとLINEでやりとりしてアポを取り、時には食事に行き、時にはホテルで待ち合わせし、初対面の相手とSEXしていた。
その労力たるや。
いかにSEXしたかったのか、その性欲の高さを改めて思い知らされた。
そして、ここにきてようやく理解できた。
なぜ夫がこれらのことをさしたる罪悪感も感じず、バレもしないと確信していたのかが。
出会い系アプリの存在を教わったのは、先輩との飲み会の席だったらしい。
同席した先輩たちは、みな既婚者だったが、夫に教えたような出会い系アプリや風俗を利用していたそうだ。
だから自分もやって良いと考えたのだろう。
夫には自分の軸がない。
自分の軸がない人は、選択に迷った時、大多数や、権威者が選ぶ道を行く。
そうすればきっと間違いはないだろうと信じてしまえるのだ。
私の妊娠中も、出生前診断を受けるかどうかで迷った時、他のみんなはどうしてるのかしきりに気にしていた。
病院の先生から、診断を受けるカップルの割合は低いことを知らされ、安堵の表情で受けないで良いと思うと私に告げた。
人間は集団生活をしてきた生き物なので、集団にいると安心するのはよくわかる。
赤信号、皆んなで渡れば怖くないの心理だ。
それはよくわかるのだが、安心と正解は違う。
大勢の人が選ぶ道の先に自分のとっての幸せが待ち受けているかどうかは分からない。
皆んなで渡ると怖くないかもしれないが、轢かれる時は轢かれるのだ。
自分にとっての正解は自分で選ぶしかない。
今回も、先輩たちという権威者のお墨付きをもらったので、きっとバレないし、うまいこと行くと信じていたのだと思う。
だからこそ、私に対して罪悪感を感じることなく楽しんできたんだろう。
昨日まで、私には夫が私の苦手なカミキリムシのような異物に見えていたが、そんな彼を再び愛するには、理解が必要だ。
大衆にたなびく貧弱な彼の価値観はどうかと思うが、少し彼の生態を理解できた気がする。
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