夫が浮気してた1
昨年のクリスマスは切迫早産の疑いで病院のベッドで過ごした。
来年は家族3人で楽しいクリスマスを過ごそうねって夫と話していた。
その、息子が生まれて初めてのクリスマス。
夫の浮気が発覚した。
ことの発端は、クリスマスイブの前日、夫が不用意に発した言葉だった。
同僚の女性が会社の他部署の人と付き合っていて、結婚したいと相手から言われているけど悩んでいるらしい。とリラックスした感じで話してきた。
夫は仕事とプライベートは分けたい派だ。
なぜその混み入った情報を知っているのか不思議に思った。
どういう点に悩んでるの?と私が聞いたら、その理由もサラサラと答えた。
なんでそんな詳しい情報を知ってるのかさらに聞いたら、一瞬の逡巡ののち、うちの部署仲が良いからみんな知ってるとのこと。
私の知る限り、夫の職場は、職員が結婚に悩んでる理由を共有するほどアットホームではない。
その日、夫がお風呂に入ってる間、人生で初めて夫の携帯を見た。
黒だった。
LINEのやり取りを見たことは言わず、お風呂から上がってきた夫にその女性との関係を尋ねると、シラを切ってきた。
潔白だから信じてほしいと言ってきた。
その晩、ラインのやり取りを見たことをどう伝えるか、これからどうするか考えていたら朝が来た。
休みの日の早朝、とりあえずコーヒーでも飲もうかと起きたら、夫も異様な雰囲気を感じ取ったか起きてきた。
その女性とのLINEのやり取りを見せてと言ったら、いいよっとひょいっと渡してきた。
見たら、黒のコメントが全て消されて、事務的なやり取りのみ残っていた。
消されていたということはもう確定だ。
浮気したんだね?ってもう一度聞くとまたシラを切って、信じてくれと言った。
昨夜、黒の部分を撮った写真を見せたらようやく観念した。
なんと、3年半前からの関係だった。
3年半前って、入籍して10ヶ月。
結婚式を挙げて半年のタイミングだ。
新婚旅行に行く1ヶ月前だ。
つまり、結婚生活の思い出のほとんどが夫と私とその女性の3人で成立していたことになる。
なかなか子どもができず、本格的な不妊治療を始めるか悩んでた頃、俺の子を産んでくれと夫は言った。
一体どんな思考回路でそんな台詞が言えたんだろう。
一体どんな気持ちで、仕事帰りに他の女を抱いて帰ってきたその手で息子を抱っこしてたんだろう。
問いただしてみたけど、最初こそ罪悪感はあったけどもはや最近ではバレなきゃ良いと思ってたらしい。
息子を触る時も罪悪感など感じてなかった。
今まで全幅の信頼を置いていた愛おしい夫は消えた。今は化け物にしか見えなかった。
やめてくれと言われたが、夫の両親と夫とその女性の共通の上司に電話させて状況を話した。
もちろんその女性にも電話をさせたが、出てすぐ空気を察したのか切られた。そのまま音信不通になった。
夫いわく、その女性は性欲の捌け口であり、私とやり直しをさせてほしいと何度も泣いて謝ってきた。
そもそもその女性は結婚を前提に付き合っている彼氏がいるのに夫と浮気していたのだ。
夫もその女性も気持ち悪すぎた。
これまで、ん?ということはあったけど、その都度シラを切られてきた。
夫を疑うより信じようと思ってきた。
度重なる嘘の果ての謝罪の言葉に何の価値もなかった。
今まで、育児は大変だけど、最高の家族だなと思っていた。自慢して歩きたいくらいに。
今でこそ専業主婦になったけど、フルタイムで猛烈に働いていた頃は、慣れない家事を精一杯分担してくれた。
息子が生まれてからの育児も何でもしてくれた。
頼もしい夫であり、父親だった。
夫は、SEX依存症ではないかと思ってると言った。
そういえば、結婚当時、毎日でもしたいと言っていた。
気持ちはわかるけど、そもそも私はそんなに性欲は高くないし、バリバリに仕事をしている平日はさっさと寝たい。
私も応じられるだけは応じるけど、足りない分は自分で済ませたらどうかと提案し、渋々承諾してくれた。
そんな折だ。
天からの授かり物のように性に奔放な女性が入社してきたのは。
細かく聞くと、その女性が入って1ヶ月くらいで2人は初めてホテルに行っていた。
飲み会の帰りに、酔ったふりをして夫に体を預けてこられ、夫はイケるかもと思ったそうだ。
もはや昭和のコントのような伝統的な手法に夫は引っかかった。
いや、むしろ引っかかりに行ったのだろう。
その後、職場で示し合わせては、度々仕事帰りのラーメンよろしく2人でホテルに通っていたそうだ。
しかも、相手はその手のプロなのか、自分のドライブレコーダに記録が残るのは嫌だからと、途中で車を降り、夫の車に乗ってホテルへ行っていたというのだ。
その車に、彼女が座ったであろう助手席に私は何度も座っていたのか。
そもそも3年半の間、夫の体を共有していたのか。
チャイルドシートを乗せ、後ろにはbaby in car のステッカーをつけた車でせっせとホテルを出入りしていたのか。
色んなことが渦巻いて気持ちがぐしゃぐしゃだ。
これからどうするかまではまだ考えられていない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?