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妊娠記録-vol.2 出生前診断-
前回、つわりについて記事を書いてみたが、まだその時は、つわりのピークを迎えていなかったようだ。あれから、胃のむかつきと胃もたれと吐き気と嗅覚の異常で熟睡もままならず、食べられるものも白米に梅干し、そうめん、冷奴と白い物ばかり・・・7月はずっと廃人のように過ごしていた。
現在、12週目に入って、ようやく徐々に熟睡できるようになってきた。
そんななか、昨日やっと出生前診断を受けないことを夫婦で納得して決めることができた。
今回は、そんな出生前診断を取り上げてみようと思う。これはとてもデリケートなテーマなので、先に私のスタンスをお伝えしておく。
私のスタンス
出生前診断というのは、その名の通り、生まれてくる前の赤ちゃんに主に染色体異常がないかどうかを事前に確認するための検査のことである。
私は、出生前診断を受ける/受けない 又は、陽性が出たのちに堕胎するのか/生むのかの判断をするに当たって、みんなで「正しい回答」を出すことに何の意味も感じていない。
例えば、Aさんカップル、Bさんカップルでそれぞれ回答は違って当然だろうし、その回答について、世間がどうのこうの「こうすべき」と言っちゃうのは止められないかもしれないけれども、その意見に当事者カップルは惑わされなくて全然大丈夫って思っている。
平たくいえば、正論クソくらえって思っている。
なので、私たち夫婦の回答はあくまで個別の回答であって、その回答を押し付ける訳では決してない。へぇ〜そういう考えもあるんや〜。くらいで捉えていただけると嬉しいです。
妻側の判断
私は36歳で結婚をしたので、出生前診断について以前から考えることがあった。出産年齢が高くなるにつれ、生まれてくる子どもの病気のリスクが高まるからだ。
結婚前の私は、もしかしたら受けることになるかもなぁと漠然と考えていた。
結婚後、2年半の不妊治療の後、子どもを授かることができた。
とある妊婦検診の際、出生前診断の説明ってしたっけ?と先生に尋ねられた。
出生前診断についての説明はまだ聞いていなかったのだが、その頃にはどんぐりくらいの大きさのわが子がお腹にいて、その姿を検診の度にエコー越しに見ることができていた。
もらったエコー写真を折れないように本に挟んで持って帰る自分がいた。
我が子のおかげで大いにつわりに苦しみ、地べたに座った時、今までだと何でもなかった体勢が苦しく感じることがあった。TVで小さい子が懸命に頑張っている姿を見かけると不覚にも胸がジーンと来てしまうことが増えた。
お腹はまだ出ていないけど、そんな風にして、我が子の存在を十分すぎるほど感じる日々を送っていた。
先生から出生前診断について尋ねられたとき、説明を聞くまでもなく、堕ろすという選択肢は私の中で皆無だと瞬間的に悟った。堕ろすという選択肢が皆無ならば、診断を受ける理由がない。これが自分の中で一瞬ののちに沸き起こった結論だった。
思い返すと、この2年半、妊娠に向けてあらゆる努力を行ってきた間に、子どもを授かることの覚悟が固まっていたのだと思う。
夫側の判断
とはいえ、パートナーにも聞いてみなければと思い、すぐさまLINEで夫に聞いてみた。出生前診断を受けたいかと。
すると、「ん〜、受けたいかな」という返信がきてびっくりした。
すぐさまその夜は家族会議(参加者は私と夫)が開かれた。
私からは、家族会議が開かれる前に調べたことを夫に伝えた。もちろん出生前診断は受ける必要がないという立場から。
・検査には様々種類があること
・検査によって、検査精度も違えば料金も違うこと
・検査でわかるのはあくまで染色体異常であり、病気を子どもを持ちたくないというのであれば、唯一のリスク回避方法は堕胎することであること
・堕ろすという判断をした場合、不妊治療に再び前向きに取り組めるかは私自身が自信がないということ
ざっくりこんなことを述べてみたが、夫は漠然とした不安があるようで、一般的にどのくらいの割合で診断を受ける人がいるのかを知りたがった。
残念ながら、妊娠した方のうち、何割くらいが出生前診断を受けているかについては統計が出ていないらしく、ネットで調べても全くわからなかった。
ただ、出生前診断で陽性が出た夫婦の9割は堕胎しているという統計は出ていた。
そうなのだ。考えるべきは、出生前診断をした際、陽性が出たときにどうするかなのだ。
決着へ
夫は朗らかなようでいて非常に繊細な心の持ち主である。
それからというもの、急に子どもの話題を出さなくなった。出生前診断のことを自分なりに調べている形跡もない。
夫は、耳に蓋をした状態になってしまっていた。多分、親になることの重圧を目の当たりにして一歩も動けなくなってしまったのだと思う。
そのままやり過ごし、強引に出生前診断を受けないでいることは簡単だったが、どんな子であっても受け入れるという覚悟を自分で決めること、もしくは子どもを諦めることを自分の意思で決めることは、彼にとって、そして子どもや私にとっても非常に重要だなと感じた。
そこで、いつもの産科で出生前診断についての説明を夫婦揃って聞かせてもらうことにした。
コロナ禍真っ只中の今日び、よっぽどの理由がない限り夫が産科/不妊科を備える病院の施設内に入ることは許されていないが、夫こそ説明を聞くべきだと強く感じていたので、無理を言って入らせていただいた。
そこで、先生の口から直接説明をしていただいた。
その中で、この病院では、3〜4ヶ月に一組くらいのペースで出生前診断を受けるカップルがいるという説明が夫の決心を後押ししたらしい。
結局そこかよ!って全力でツッコミを入れたくなったがこらえた。
マジョリティ側にいることは大いなる安全・安心材料なのだろう彼にとっては。
説明を聞き終わってすぐに、出生前診断は受けなくて良いと思う。という回答が返ってきた。
ようやく夫婦揃って納得をして出生前診断を受けないことを決めた。それが昨日の出来事である。長かった!
最後に
出生前診断を受けるか/受けないか 問題を考えるに当たって、一つ自分に問いかけたことがあった。
「生まれてくる子が病気だった場合、その子を愛せないか」ということだ。
もし、愛せないならば、出生前診断を受けるまでもなく子を堕ろした方が良いのかもしれないと考えたからだ。
しかし、先に書いたとおり、受精卵だった小さな小さな子が細胞分裂を繰り返し、すくすくと成長していることを感じている今、既に我が子を愛し始めている。
きっと、私と夫のDNAが刻まれた子どもを腕に抱いたとき、その子が病気であるかどうか関係なく愛しているのではないかと想像するに至った。
きっと夫も同じ心境になるだろう。
この問の答えは想像の域を超えない。希望的観測なのかもしれないが、きっと愛すると思うって今そう思った自分を信じようと思う。
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