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オイスターボーイの憂鬱な死

ティム・バートン著

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この季節になると、思い出す映画があって、
それと同時にまた読みたくなる一冊。
「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」の監督が
描いた、シニカルで不思議な絵本。

登場するキャラクターは、マッチ棒だたり、針山だったり、目がたくさんある少女だったり…。
擬人化された様々なモノたち。

起承転結のあるストーリーではなく、ほとんどが読む、見る側の想像力に委ねているような、
そんな世界。

何度も読んでいるけれど、その時々によって、気になる話が変わるのが、私の中での楽しみ。

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今回、想いが向いたのは、
ROY, The Toxic Boy「有毒少年ロイ」

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*イラスト:『オイスターボーイの憂鬱な死』より

スプレー缶や車の排気ガスが好物の少年の話。
たまにはキレいな空氣を吸わせてあげようと、
太陽の輝く外に連れて行かれた彼は…。

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息が苦しくなって、倒れしまう。
そして、天に登って行った。

"オゾン層に大きな穴を残して。"

ここ1、2年のガラりと環境が変わった。
何年前だったかな、海外旅行に行った際に、

「マスクをしていると病気だと思われて、
 とても嫌がられますから。
 絶対に着けないで下さいね?」

と、ツアーガイドさんがまぁまぁ強めの口調で何度も注意していたのをふと思い出した。

今は、世界中がほぼ、真逆になってしまった。

そう、遠くない未来、
有毒少年ロイのように、
澄んだ空氣を吸うと病気になってしまうような
人間ばかりになってしまうんじゃないかなぁ…
このままでは。

身体ばかりではなく、心まで染め替えられて。

今回、気になったのは、そんな、
私の身体と心が呼んだのかもしれない。

樹々が呼吸してくれる森や山は、
ほんとうに心地よいし、
大切な人には会いに行くし、
たくさん話して、身体も動かして、

自分で考えて、自分を信じて
生きたい。


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