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ある英単語で友人を失いかけた話

はじめに

今日は私が最近失敗した英単語系の笑い話をしていこうと思います。出てくる単語は少し下品ですが、実はそういった類の言葉は日常に普通に目にする言葉だったりもします。今日はそういった言葉が日本で少しニュアンスが変わる、もしくはデフォルメされていたという経験話です。

前座的な話

本題に触れる前に、このお話の背景として私の隠れた趣味のお話をしておきたいのです。が、私は同世代の女性には珍しく(?)オンラインゲームをしています。私の周りの友人の多くが美容系が好きなキラキラ女子、ないしはバリバリのキャリアウーマン、または育児奮闘中の教育ママといったラインナップで構成されているため、あまりこの手の話をポジティブに受け入れてくれる人がいませんので伏せている趣味でもあります(後ろめたいことは本当は何もないのだけれど)。

思い返せば私自身、ゲームを始めたのは20代です。それも当時お付き合いした人の影響でした。女性と男性の趣味は面白いほど違いますが、私は比較的新しいことや知らないことに挑戦することが嫌いではありません。過去にはパチスロ、ボードゲームなども嗜んでみたものの、肌に合わず。なぜかゲームだけは面白いと思えたんですね。とはいえ、今から15年以上も前の話です。当時はパソコンは今よりも高価であり、ましてやスマホでゲームをするというのは今ほど簡単ではなく、PCゲームをやっているなんて言えばオタク扱いされました。ゲームの世界も今のようにDiscord(ゲーム界のSkype、LINE通話)で集まって画面を共有しながら通話してゲームする文化もありません。そもそも通話しながら一緒にゲームをするという感覚が私たちの世代には理解し難いものかもしれません。それほどゲームというのはバーチャル要素が強いものだったと記憶しています。

Gamingの世界

出典:『ファミ通ゲーム白書2023』
出典:『ファミ通ゲーム白書2023』

アラサーになってから突如戻ったゲームの世界。私はゲームの友人の薦めもあり、MMO RPG を始めました。これは、オンラインプラットフォームに大勢の人数が集まり一緒に物語を進めていく、基本的には勇者・魔法使いなどの類の職業を選択して育成していきます。昨今のアニメで言えば葬送フリーレンのようなパーティーを組んで行う3人称のゲームです。具体的には、ドラゴンクエストオンライン、ファイナルファンタジーオンライン、ブループロトコルなどがそれに当たります。(上記図だと青緑のゲージになります)。

ゲーム業界はコロナで旅行や外出ができなくなったこと、在宅勤務が増えたことなどがきっかけに市場を急成長させました。今はその成長度合いを減速させてはいるものの国内外から根強い支持を受けています。ここ数年はオンラインゲームでも FPS という種類のゲームが人気です。FPSとはFirst Person Shooting Gameの略で、一人称視点でまるで自身が実際に操作している感覚で射撃ができるタイプのゲームを指します。具体的には米国発信のAPEXはエペと呼ばれ10代〜30代に幅広く支持されています。PUBGは携帯でもできるので爆発的にFPSの市民権を得ることになったゲームです。これらは、ゲームに興味のない人にとっては何が違うのかわからないかもしれません。しかし昨今では民法テレビ番組、Youtubeでは芸人さんやアイドルがゲームをするコーナーが出来たり、ゲームが広く市民権を獲得しつつありますので、ゲームはオタクがするものであるという概念がある場合には脳内アップデートも必要かもしれません。

さて本題に少し戻りましょう

ゲームの話に火がつくと後戻りできなくなるので、これはまた別の機会にお話しするとして、もしお子様やパートナーがゲーム好きでお困りの方がいたらコメントを残してください。あなたが理解できるようにオンラインGamingの世界について私なりに助言をできるかもしれませんので。こういった趣味を否定すると特に恋愛や夫婦関係の場合は、コミュニケーションを破壊することになってしまうので、制限の掛け方などは助言できますよ!(何を言っているんだ私は・・・)

ということで、今日の本題は「英単語」に対しての理解の差異を書くことでしたね!元々、ゲームの世界は国の制限がないこともあり、多くの英語が流れ込んでくる傾向にあります。例えば、

GG : Good Gameの略で一緒にプレイした人を称賛、または励ます言葉
Troll : 俗語で荒らすこと、火種を植えること、人の嫌がることをして注目を浴びる行為をすること

これに加えてSRYやMy Badなど謝る言葉もそうですし、YVWなどの略語はネットスラングでもお馴染みです。こういった言葉を多くの若者がネットゲームを通して理解し、実際に世界中のプレイヤーと戦う機会に恵まれるのがオンラインゲームの世界です。英語が日常的に行き交うことで、ゲーマーと呼ばれる人たちの英語力は実はそこそこ高かったりします。というか、耳が英語アレルギーを起こしていない人が多いのです。

だたし、一見、共通の意味で単語を理解しているかと思いきや、感覚で感じ取っていてそうでもないこともあります。いわゆる和製英語的に似ていて、実際に言っても本来の言語とは違う意味を持つ、ないしは全く存在していないなどのギャップが生まれるようなこともあるようです。

今日はとあるゲーム上の友人、ゲーム用語ではフレンド(実世界の友達ほど親しくはないので友人とは言わず、フレということで意味合いを違うものにしている)の話をしたいと思います。ほら、早速面白い違いが出てきました。ネットでいうフレンドはあくまでもネット上での関係に留まること、現実世界の友人よりも交友の度合いが低いことを意味するのです。

話を戻しましょう。

彼女について少しお話しすると、彼女は私より若い30代の女性です。持病の関係もあり人生のほとんどをインターネットの世界で過ごしています。義務教育は終えていますが、現実世界では飲食店のアルバイトを昔にしていたことがあるくらいで、彼女の生きる世界は完全にインターネットの中です。要するに、友人関係、恋愛関係共に全てネットを起点にして動いています。一般的にはゲーマーと呼ばれる人種になると思います。
ご両親が共働きということもあって家事全般は彼女の担当だそうです。彼女の生きるための財源はご両親のお給料、または国からの病気に対しての補助金となり、自由に遊ぶお金が工面できない状態が続いています。
そうなると彼女が大好きな地雷系ファッション、巷で人気のあるお化粧品、自分のコミュニティを確保するためのゲームの月額使用料、それを楽しむための媒体であるパソコン等のディバイスには手が出ないわけです。それでも彼女は何とかして資金を調達しなければならない!当然彼女は、ネット上でこれも工面していく術を身につけていくのです。

それではどうやって?これはとても現実世界に似ています。異性から貢がれるシステムを彼女は自然に構築していきます。ただし、彼女のMottoとしてねだらないというものがあります。それはおねだりすることで貸を作ってしまうことを嫌がるからです。男から受け取って欲しいと言わせることで、彼女は10年以上もほぼ無課金でゲームの世界を通して現実世界の娯楽を賄っているのですから、正直聞いているこちらが真面目に働くのをバカらしくなってしまいます。これってでも、今流行りのP活女子の理論に似ています。これだけ聞くと男性が不憫ですが、最近は女性が貢いでいるケースも多いと聞きますのでこの点はゲームの世界も現実世界もあまり差異はありません。

ある日行ってしまったその単語

あなたって××だよね!

そんな生活が息をするように当たり前になった彼女。もう正直、現実世界ではそんなことで稼げる年齢でもありませんが、インターネットは半分バーチャルの世界です。本人は自分が年齢を重ねているという感覚はないのです。

彼女が貢がせる男の人たちは立派な社会人です。ある人は誰もが知る良い大学を出て誰もが知る会社に勤めている。ある人は3勤交代制の工場勤務。みんな職種は違うものの、月に自由になるお金がある人たちで現実世界で一生懸命働くことで資金を調達しています。そのストレスや疲労した心を持ってゲームの世界に逃避にやってくるのです。そこにいつでもいてくれる彼女。いつでも優しく返信をくれる彼女にひとときの休息の時間を求めてしまうのです。この子が自分の癒しだ!そう思うと人はその人を失いたくなくなります、時に淡い恋心を抱くのです。だからこそ一緒に遊んでもらうために月額使用料を肩代わりする、しかも喜んで。パソコンの調子が悪いといえば一緒に遊び続けてもらうために20万するゲーミングPCを買ってあげる、しかも喜んで。また普段も携帯でLINEで会話して欲しいならLINEスタンプをあげる、喜んで!と、自分と一緒にいてもらうために努力するようになります。それは本当にどことなく現実世界のようです。

こういった行為を男の子を騙すという意味で悪い風に捉える人も多いかもしれませんが、あなたならどういう単語で表現しますか?

「あなた本当にビッチだよね!」

それが私が口にした言葉でした、それもとても明るく言ったのです。もちろん冗談めいていった言葉でもあります。というのも英語では「ずる賢く男性からお金を投資させていることを認識している彼女」はビッチであり、彼女は何も自身を汚すことなくそれを成し遂げていて、一般的な女性はそういうことをしないという自覚もあります。それは友人同士で言うところの「ほんとあなたってば性格悪いわね!」くらいのニュアンスで笑い飛ばすニュアンスを持っているものだったからです。それが蓋を開けてみれば「私はお金のために誰とも寝るような女じゃないわよ!」っと彼女が激昂する事態になってしまいました。

英単語にはいろんな意味がある

Hey Bitches! と言うフレーズがあります。これは仲良しの女性同士の挨拶で、少しギャルだったりヒップホップ系の女子が使うイメージ、ないしはティーンが親しい中で仲間を呼び合う時に使います。これを使うことでお互いがなんとなく近しい存在であると言うことを認識します。

私の勝手なイメージですが、特にアメリカでは男性に対して少しずる賢いくらいがセクシーであり、女性としての魅力があると思っている節があります。貞操観念が日本よりもだいぶ緩く、結婚するまでは性行為も含めて遊ぶイメージもあります。イタリア人やフランス人もそんなイメージですね、自由恋愛、奔放、人間らしいチャーミングさ、子供らしさなどが見え隠れし、哲学や歴史、そして芸術に対して感性を揺さぶられる人が多いです。そして日本はふにゃふにゃした、ぽわんとした、天然の?か弱い女性が男性にウケます。守ってあげたいと思わせるというのがポイントなのだそうですが、欧米では違います。自分の意思をしっかり持った、芯のある女性が好印象を持たれます。アジア人が好きだ!という欧米人の男性には注意が必要だと私が思うのもこの点です。中には自身が気の弱く、優しい穏やかな性質のため、欧米の強い女性が性に合わないからという人もいます。しかし、アジアの女性は強く出ると断らず、男性を常に立ててくれる、家政婦のようによく働き、自分の思い通りになる。と考えてアジア人女性を好む人もいます。

もちろんご家庭の教育、宗教観、あとは見た目の地味さなどがリンクすると、もちろんこの限りでない人もいるので一概にはこうだと言いません。ただ女性の魅力という意味では、女性らしさを身体的にチラつかせること、声色や雰囲気を魔性的に表現することなど、そういった行為は日本ほど下品だと判定されないと感じていますが、皆さんはどう思いますか?

そんな文化の中で誕生した "Bitch"という単語と俗語的な意味合いを考えたとき、もちろんビッチと本人にいう場合には、相手を誹謗中傷する、非難するときに使うこともあります。この場合は声色がだいぶ変わるイメージです。具体的にいうと「喧嘩している状態」「喧嘩をふっかけている状態」「注意をしている状態」が考えられ、「この性悪が!」みたいな感じなのかな?どちらにせよ、相手が強い女性、自我を持っている人に向けられる言葉です。正直、私はこう言った意味合いでこの言葉を本人にかけた経験はありませんが、映画などを見る限りではそういうシーンを多く見かけることができます。

ビッチについてもう少し深掘りしてみましょうか。
ビッチという言葉は元は雌牛を指します。そこから雌牛を飼育する女性へと変化し、女性へ言う言葉として変化した歴史があるという説が有力であるとされています。先にも述べた通り、主に誰からも好ましくない横柄な性悪な行為をする女性に対してビッチという言葉があるものの、少ししたたかで強気ミステリアスなセクシーさが人を魅了するという考え方もあります。具体的に言えば胸元がざっくり開いたドレスや腰のくびれを強調したり、Tバックが見えたり、はたまた大きなヒップなどが良いセクシーになる、言動も自分の意見をはっきり言う、周りに流されないなども含まれてきます。そう言った意味を包括して褒め言葉として仲良しの間でビッチを使います。

そして面白いのはこの俗語は自分に対して使うこともできるのです。
「私、ビッチじゃない?」と表現することも稀にですが仲良し同士であります。これは2つ大きく意味があって「私今なんか性格悪かったよね?」と反省の意も含めて言うこともできるし、「私今日すごいイカしてる、セクシーじゃない?」と相手に同意を乞うこともできます。この差は文章の前後と雰囲気で読み取ることができます。後者の場合は堂々としたセクシーポーズを取りアクセント強めにする姿が想像できますし、前者の場合は少し肩をすくめて首を前に出しながら相手に問いかけるように話すかもしれません。

結局、何が言いたいのかって?

英語の単語はひとつに多くの意味合いを含むことが普通であり、前後の文章や雰囲気から単語を選択する必要があるのに対し、日本語は文章においての裏の意味はあれど、単語(ただし「かみ」神・髪などの同音語は除く)に複数の意味を持たせない特徴がある気がします。ビッチについて言えば、英単語の意味が明らかに一つだけになってしまったとようだ、ということです。

日本で広まった意味は性的な意味だけでした

先ほどのエピソードの話に戻って言うならば、フレは途端にいつもの萌え声から低い自の声に戻りこう続けます。

「確かに色々貰い物はしているかもしれないけど、体を売っているわけじゃないし、そういうことしてない!酷くない?」

彼女はもう完全にヒステリーを起こしていました。それはもう、信じられない!と言った具合に。。。彼女は自分の性的なヒストリーを色々(聞いてもいないのに)話し出します。要するに自分の身の潔白なことを説明して誤解を解きたかったのだと思います。

【もしかして、彼女が考えているのって Hooker のことじゃないのかな?】

Bitchにはそういった性行為を揶揄した女性のイメージは私にはありませんでした。Bitchはもっと性格や気質に対しての言葉のイメージです。

男性とのそういった行為、または金銭の授受が発生する行為が絡む場合には 俗語でいうなら Hooker は正式には Prostitute を選びます。日本でいうところの誰とでも寝る男性関係にだらしが無いとなると Slut という言葉がピッタリ当てはまります。このように本来の言語では棲み分けされていたはずの言葉が一つの単語に集約されて受け入れられてしまった。ということを気がついた私の経験が今回の文章を書く経緯に至った理由でもあります。

言葉の再利用

私はこう言った事象をそう呼ぶことにしようと思います。
実在した単語や言葉を聞きかじり、その言葉が持つイメージと感覚だけでその言葉に新しい意味を付加してしまう。言葉にはよくあることです。

主にエンターテイメントの世界、音楽や映画の正解で使われる悪い言葉、ちょっと下品な言葉が人は好きです。あとはショッキングな言葉もそうですね。印象がどうしても残ってしまうものです。だってお手軽ですもん。

こういったことは英語でも同じことが言えます。私が高校生の頃、ちょっと悪ぶった目立つ男子は私に日本語で "Fu ** You" はなんていうの?と聞いてきて一発で覚えて10分もしないうちに人に言っては茶化していました。人が困った顔をするのが面白くて仕方なかったようです。結果、調子に乗って数学の先生に使い、私まで巻き込まれて意味は何かを聞かれました。学校の先生の力はアメリカでは凄いです。逃げられるわけもなく、彼らはすぐに呼び出されて謹慎処分を受けていたのは良い思い出ですが。言語なんていうのはそうやってすぐに印象深ければ人の中に記憶されてしまうものだと思っています。

そういった意味以外でも前述したようにショッキングな言葉や出来事も外来語として受け入れられやすいですね。例えばTSUNAMIという言葉。これは自然現象で起きた高い波が地上に押し寄せる現象を指します。それに加え、ケンブリッジ辞書などにももう一つの意味があります。それは膨大な量、圧倒的な量で何かが押し寄せることに使われます。

"Atsunami of data pours into the CNBC newsroom every minute of every trading day"

といったような具合に使います。データの津波がCNBCの報道局に注がれていくという意味合いです。日本だったら、膨大なデータが、データの山が、などというでしょうからデータの津波がと言われるとちょっと違和感を覚える人もいるかもしれません。

また、日本では言われないKAMIKAZEという言葉もそうです。無鉄砲な、自虐的な、自殺行為とも取れる言動、無謀なことにたいして使われます。日本語では全くない意味です。

Kamikaze attitude : 無鉄砲・無謀な態度
Kamikaze driver : 危険な運転をする人

などと使われるようです。これらは全てケンブリッジ辞書に乗っている例文ですので、学術的に英語として認識されている言葉です。
今の日本にしてみれば、この2つの単語はこんな風に安易に使ってほしくは無い言葉ですよね。「神風みたいな運転するやん!」なんて言いませんし、「毎日、津波のような宿題量だわ」とも言いません。こちらは両方とも長い時間をかけて英語として親しまれてきたのでしょうか、こういった言葉のはざまに常に立たされる帰国子女にしてみれば、このギャップに驚かされる日だってきてもおかしくはありません。

こういったややこしい単語たち

帰国子女はこういう単語を日本で使われる外来語の意味で理解することができないことが多く、社会人になっても???という場面に出くわすことが多くあるのです。特に今は、コンセンサスを取る、コミットする、エビデンス取れてる?など沢山使える方がなんとなくかっこいいという意味不明な時代に突入しています。その英語がまた略されてもはや日本語になっていることも。帰国子女だからこそ危うい、そんな単語って実はいっぱいあるんです。

小中学校編

もはや少し死語かもしれませんが、タレントと言う単語は日本語では職業ですが、英語では "talent" 才能です。今はアイドル、芸能人という機会の方が圧倒的にあるかもですが、タレントという言葉が消失していないので驚くかもしれません。

スマートと言う言葉も驚くかもしれませんね。日本でスマートと言うと、体型に直結します。健康的に細いと言う意味です。英語の "smart" は賢い、頭の良いといった能力的な意味合いを強く持ちますし、この言葉は学校の先生が誉める教育で多用しますから小学生くらいから理解しているので、日本で???っとなる可能性はとても高いです。

バイキングと言う言葉はどこでどうなったのか日本語では食べ放題の意味ですが、英語では "Viking" はヨーロッパ史で習う限りは船に乗って移動した冒険家、開拓民のことを指します。中学生くらいになると歴史の勉強をするのでこう言った言葉が自然に耳に入りますから、全然違う言葉に驚く子もいるはずです。

相手を励ます言葉ファイト!にもびっくりするかもしれません。"fight" は文字通り戦うと言う意味で、物理的に殴り合うようなイメージを持ちます。格闘技などで戦うようなイメージもあります。ですので、いきなりファイトだよ!と言われると驚いてしまう子もいるはず。英語でいうところの "Good Luck!" "Do your best!" "You can do it!" "Hang in there!"などのいろんなニュアンスを日本語ではファイト!と言えてしまう。便利だな、日本語!

よく知った話ですが、マンションは大豪邸のことを英語では指します。私たちが住んでいるのは英語では賃貸マンションをアパートメント、分譲マンションをコンドミニアムと言います。マンションの感覚はディズニーランドにあるホーンテッドマンションを思い浮かべてください。屋敷くらいのところに使用人を使って住んでいるといったイメージです。日本でアパートと言うとボロボロの安っぽいイメージ、マンションは鉄筋コンクリートの分譲住宅みたいな感じですよね、ちなみに我が家はアパートですが!

高校生〜大人編

これは多すぎるので私の経験と共に話していきたいと思います。私は日本の経験の方が長かったので英語の意味を知った時にあまりの違いに???っとなったものも含まれています。

ニートという言葉。これは主な意味は無職、ネットでは自宅警備員と言ったりします。今では少し意味合いが変わり、包括的に家に篭っている人のことを指します。「今日はニートするわ」と言えば家に引き篭もることをいう感じです。ただこれが英語になると「カッコいい」と言う言葉に変化します。ただしこれにはトリックがあって、日本のニートは略語からできています。
英語で無職は "unemployed" ですが、このニートは以下の頭文字から来ているのをご存知ですか?

Not in Employment, Education or Training
(就業してもいなければ、就学も訓練も受けていない)

なので、実は "Neat" カッコいい、イカしていると言う単語とはスペルも違うのです。だけれど日本語にしてしまえばニートと同じ音を綴ってしまうので誤解してしまいがちです。

個人的によく通じなくて困るのが "Drama(ドラマ)" という言葉。もちろん日本語で言うテレビドラマという意味も英語は持ち合わせています。が、その場合はTV Dramaと言わないといけません。私が言いたいのは、このドラマは結構女性の世界では多用できる便利な英語のニュアンスを含みます。
大袈裟に物事や出来事、人間関係をしてしまう人を英語では男女関係なく "drama queen" と言います。日本で言うと理解できる人がガクッと減りますが、これほどしっくりくる単語がないんですよね。悲劇のヒロインぶるとか日本語では言いますが、なんか悪意が強すぎる感覚があります。少し妬みとか相手に対しての嫌悪感をもろに含んでいるような気がするのです。私の感覚では彼女・彼はそういう性質があるし信用しなくていいんじゃない?軽い被害妄想癖あるよね的な意味を含む時も多いです。
そもそも英語の "drama" にはもっと広い意味で大変なことがあったり、それこそ60分放送のTVドラマにはこれでもかと事件が起こります。そういった状態を指すような感覚があります。Dramatically, Dramatic など副詞や形容詞になると突然大幅に劇的に飛躍的に変わる、何かが起きると言う意味合いになります。要は普通よりも状況が大幅に何かされること、起こることがDramaには含まれているような感覚がありますね。

今でも結構難しい編

最後にフレイバーと言う言葉についてお話しします。
多分概念の話に近くなりそうなのですが、日本人の意味するフレイバーと英語の意味する "flavor" が若干噛み合ってないことに、新卒で飲食業界に身を置いてから考えさせられる機会があります。要は、人との解釈の違いに少し困ったなとなったことがある単語です。

日本語ではフレイバーというと口に入れた時の香りや風味などを包括したものを指すようです。しかしながら私の英語的感覚の "Flavor" はどちらかといえば舌が感じる感覚が含まれていないといけないイメージです。 それはテイスト "tastes" ではないの?と言われればそうです。ただ、Tastes はもっとシンプルな舌に受ける感覚で、Sweet / Spicy / Salty などの舌への刺激を指しています。It tastes good! と言えば、そう言った刺激が美味しいという表現になります。大人になると Flavor を感じるようになります。詳細な味覚です。例えば、舌触りの感覚であったり、その食べ物から導き出されるイメージや記憶、そして嗅覚などが総合的に表現される感じでしょうか。ただし口に含んだ後に込み上げてくる匂いと味は "Aroma" とも表現できます。

あれ?一瞬同じじゃない?と思う人もいるでしょう。
いいえ違うのです。これはアメリカの場合?私の経験談に限ったことかもしれないのですが、もし何かの食品に "Lemon flavor" "Orenge flavor" と書かれていた場合には、臭い "Smell" もさることながらしっかり舌で受け取る味 "Taste" もレモンやオレンジがないと納得がいかないのです。Flavorはその両方を含んでいるものである!という味で単語を認識しているのです。

例えば、あるスコーンに「ほのかにチャイのフレイバーを感じることができます」と書いてあった場合、チャイの匂いも去ることながらスパイス、具体的にはチャイを感じることのできる味がする。両方する!というのが私の中のチャイフレーバーであり、仮に味しかしない、匂いしかチャイじゃないとなるとフレーバーという言葉ではなくなるのです。これについては大手のYoutuber、Kevin's English Room でも取り上げられていました。

当時の飲食店ではフレイバーと書かれているものがそこら中にあり、実際にお客様で「これほとんどその味がしないよ」と言われることもありました。ただ匂いはとてもその匂いがする、味もするのかと思ったら違う。期待外れだ、ということなのです。私は日本で生活してきたのが長かったので、ここの差に気づくまでに時間がかかったというよりは、いつの間にか無意識に単語に持つ感覚が現地で修正されてしまった。アメリカ側になってしまったというのが正しいのかもしれません。というのも食べること、一緒に何かを味わうことは女性にとって友情を深めることなので、何かまずいものがあったりすると情報を共有します。食べ物をあげない文化で有名なアメリカですが、私の友人は少し食べてみてよ!ともう自分は手をつけないので、綺麗な部分の端を私に食べさせて熱く語ったりしていました。なので、個人的にはこの感覚を体得した感じです。こういった経験から、食べ物以外の商品にフレイバーがついている商品を見ると、どこか気持ち悪い気がします。

私の大好きな宇多田ヒカルの大ヒット曲、First Loveの歌詞で "最後のキスはタバコのFlavorがした、甘くて切ない香り”とあるのですが、これはタバコの匂いとタバコの味がキスの時に同時にしたと今では考えています。しかし、歌詞が香りと言ってしまったことで、Flavor は香りを強く意識させた日本語だと考えている人が多そうで、実際にそんな話が上記リンクのコメント欄ではされています。ここ結構微妙な差ですが、使う単語って難しいです。

カタカナ英語で溢れかえる日本で

英語に慣れ親しんで多くの語彙を習得して帰ってきた帰国子女ほど、この言葉のギャップに悩むんだろうなと思うのです。今回は比較的にアカデミックではない単語、ビッチという言葉ではありましたが、実はこういった少し Slang だったり人をよく言わない単語 Swearing Words 、悪態をつくための言葉は簡単に若者の耳に届き、興味をそそるものです。
それに加え、日本語はその英単語を略して世間で使います。インテリはインテリジェンスから派生して略された単語だと思われがちですが、実はロシア語のインテリゲンチャ(知識階級)から取られた言葉です。そしてインテリは知識や教養を持っていること、その知識を活用して社会に役立つ人と言うポジティブな言葉だったはずが、いつの間にか悪い意味合いも強くなりました。インテリっぽい、インテリ風といった感じで、意味合いもどちらかと言えば英語のインテリジェンス(賢い)に傾いているような印象がありますね。それに加えて、負けず嫌いだとかプライドが高いような意味合いも含ませ、必然的に社会の中ではエリートを指すようになる。もうこうなってくるとカタカナロシア語がカタカナ英語になって生きているのです。

こんなことが日常茶飯事に起きるわけですから、英語から派生した言葉も改めてカタカナ英語の外来語として覚える必要が出てきます。これは全く別物だと考えて覚える方が賢いなと思うのです。今回のビッチ事件もそうです。日本でのビッチは英語で言うSlutだなという印象に加え、金銭の受授の有無関係なくそこに複合されている。性的な意味合いが強いので、相手にとってどんな使い方であろうが良い印象は持たせないものだ。とアップデートする必要がありました。こういうことを「これだから日本は」とする必要は全くなく、日本以外の国もTSUNAMIやKAMIKAZEのように日本語を派生させて自国の言葉にしている文化は多くあります。そうやって言葉が海を越え、陸をこえ、相手の文化に吸収されていくこと、それはとても良いことだと私たちは頭を切り替えて単語を覚えていったらいい。そして本来の意味も知っている人は教えてあげればいい。そうすれば誤解や語弊による争いや、決別、ないしは問題の回避に繋がるはずだと感じたのでした!





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