わたしがもしもパンだったらさ
自分がパンだったら何だろうとよく考える。
チョココロネとかはなんか違うなと思う。かわいらしすぎる。もう少しシンプルな感じ。でもクロワッサンとかパンオショコラやバゲットはちょっとおしゃれすぎる気がする。
しっくりきたのはレーズンパン。真面目そうで、あんまり目立たない。華やかなパンオレザンに憧れはあるけれど、自分に大きな不満はない飄々とした感じ。
夫はソーセージパンだと思う。ケチャップとマヨネーズがかけられた細長いやつ。お惣菜パンの代表、みたいな。安定感があるけど、どことなくやんちゃなところ。
夫にもインタビューしてみた。
「わたしってパンだったら何だと思う?」
夫「人間をそんな風に見たことない」
わたしをつくるよ
夫を困惑させたところで、レーズンパン(わたし)をつくることにします。みんな自分がパンだったら何かって考えたことないのかな。あるよね?
コネコネして一次発酵中、暇なのでつらつら考える。
母はチョコパンだと思う。なかにクリームが入ってるふにふにタイプじゃなくて、大きめチョコチップがごろごろ入ったごっついタイプ。いたずら好きで、茶目っ気がある。
父はなんだろう。焼きそばパンかな。大きめのコッペパンにはさまれたやつ。のっそりしてるけど、意外とフットワークが軽い。
先日、京都旅をした大学時代の友人は絶対にクレッセント!切れ長の目、所作の美しさがあの優美な曲線とぴったりだ。でも話すとちょっと抜けててかわいい。
職場の上司はメロンパン。隣席の先輩はあんぱんだな、桜の塩漬けじゃなくてごまがのってるやつ。この2人は意外と仲良しだ。
来週会う予定の友達は、ミルクフランス。楚々とした雰囲気だけど芯がある。もうすぐ誕生日の友人は、にぎやかで大らかなチョコレートパブカ。
あ、今CMに出てきた佐藤健はなんだろう。難しいな、クロックムッシュかな。かっこいいしシュッとしてて、ミステリアス。
焼きあがり
気づいたら焼けてましたレーズンパン。わお!
塗り玉濃いめ、温度高めで予熱してじっくり焼いたらいつもより焼き目がついて嬉しいぃ!
さて、焼きたてを食べるか。ということでわたし(レーズンパン)をいただきます。
半分に割るとほかほかの湯気が出てきて、思わず顔を埋めそうになる。ああ、この柔らかみとあたたかみに入りたい。これは悔しいかな、人間のわたしにはないものだ。
見た目は地味だけど、もっちりした生地とレーズンの優しい酸味がなかなかおいしくできたな〜レーズンパン。いや、これはわたしなんだっけ?無駄に混乱してきたぞ。
レーズン、多かったかなって思ってたけどまだまだどっさり入れてもよかったなあ。中にバターとかマーガリン塗って焼いてもおいしいね、きっと🤤クリームチーズも合いそう。
あなたは何パン!
あの人はパンだったらなんだろう、と考えるのはなかなか楽しい。わたしはよく食べものを脳内で擬人化するのだけど、普段からそんなことばっか空想してるからかもしれない。
手持ち無沙汰のときには、自分がパンだったらなんだろな〜って考えてみることをオススメします。そしてそのパンを買ってもよし、つくってもよし、食べてみてね。言われなくてもみんなやってるかな!だよね!
ちなみに冒頭のインタビューの翌日に、夫から「考えたんだけど、強いていうならフレンチトーストが食べたい」って言われてそんなことは聞いてないんだわとソーセージパンをワイルドに噛みちぎりたくなりました。