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「麺とスープが絡み合わない」って何?

昔読んだ『かいけつゾロリ』にラーメン屋さんの話をする巻があって、その時に「麺がおいしいんだけどスープがおいしくないラーメン屋の麺」と、「麺はおいしくないけどスープが美味しいラーメン屋のスープ」を合体させて最高のラーメンをつくるぜ!というおはなしがありました。
それを読んだ私は「麺とスープが合わないってどういうこと?一つの器に入ったら全部一緒になってるじゃん」と疑問に思ったのを覚えております。
スープって液体じゃん、麺が液体の中に入ったらどうしたってスープは麺に浸るしなんなら吸い上げて伸びるじゃんと思っておりました。

でもどうやらそういうことではないということが20年以上越しにわかったんです。
麺とスープが絡み合ってないラーメンに私は出会ってしまった。

つい最近のことです。
夏だから暑くて冷やし中華みたいな冷たいラーメンを食べたいととあるラーメン屋に入ってそれに類するものを頼んだのですが、驚くほどスープと麺がマッチしていなかった。
というか多分麺を湯切りしてから水で締めたあとの水がすっごい残っていて、スープに絡む前に麺をバリアしている感じというんでしょうか。スープはラー油強めで辛いのに麺を食べると全てが薄くなって水っぽいという謎の「1器(うつわ)で2回味わえる」システムでした。
スープの味自体に勢いがあって「辛い!!」という気持ちに支配されていたせいか食べている時はなんとなくの違和感に過ぎなかった。でも全部食べ終わってから「これってもしかしてスープと麺が絡んでいないということなのでは?」と気がついたわけでした。
その時の「あの時言ってたアレに出会えた」嬉しさと「つまり今食ったラーメンって不味かったってことじゃん」という落胆。

私って「おいしい」「まずい」の判断遅過ぎじゃない?という話もしたいけど一旦置いておいて、すぐに「なるほどなあ」と思いました。
私は幸運なことに今までほとんど「ほどほど」か「おいしい」のラーメンだけを食べてきました。
はっきり言えるぐらいに美味しくないラーメンってほとんど食べたことがなかった。
強いて言えば口に合わないだけで支持する人はいるんだろうなというのはあった中で、ようやくキッパリと「これがおいしくないってことか」という体験が新鮮にできたのはなかなか巡り会えないというか、試行回数を重ねないと出てこない体験でそういう経験ができるのは嬉しいことだなと思いました。

そこのラーメン屋さんはちゃんと温かいラーメンは美味しいし、たまたまシフトに入った人が作り慣れてなかっただけなのかなとか色々考えることもあって楽しいです。
ただ、夕飯の満足度としては圧倒的に欠けるものがあるので今めちゃくちゃ何か美味しいものを食べてリベンジしたい気持ちでいっぱいになっているのが良くない。
時間を追うごとに「あれは美味しくなかったから何か別の美味しいもので埋め合わせをしたい」という気持ちが湧いてくるのは私が今まで大体のご飯をそこそこおいしいというラインで済ますことができていた幸運な人間だからに過ぎないというのに。

そういうわけで今日のお話は「スープと麺が絡んでいないラーメンという食体験をしました」という報告でした。
こちらのお話はお題箱からのリクエストで作られました。

リクエストありがとうございました!
引き続きお題箱での質問やリクエストをお待ちしています。
なるはやで仕上げられるようにがんばります。


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マオンロンシー
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