心の休み場 美容室 ガーデン
5年以上同じ美容師さんにお世話になっている。ひとり美容室。よって、お客も私だけ。最高なのだ。
大抵、仕事が休みの土曜日に行く。美容師Yさんは見た目がチャラい。とにかくチャラい。(私は「チャラい」を「イケメン、ゴージャス、カッコいい、かつオシャレ」という敬意を込めて使っている。)美容学生時代に髪を切りたくなくて実習の前に勝手に帰宅する、就活の面接のスーツ姿がホストにしか見えなかった等、エピソードは数多。業界のことにも詳しい。ドラマも詳しい。でも中身は礼儀正しい。そのギャップがちょっぴりミステリアスでおかしい。
そんな美容室「ガーデン」(仮称)に学生の頃から通い続けているのだが、社会人になってからの私の変化が一点。ブローが気持ちよくて眠い。眠すぎる!
大なり小なり緊張感のある会社生活。そこから完全に解き放たれるひと時。一気に疲れが溶け出して体が緩まる。ガーデンに行く日の朝、「おっ、今日は目覚めがいいぞ。はつらつな1日の予感。」なんて思っていても百発百中で意識が飛ぶ。
「眠くなるっしょ笑」とYさんは嫌な顔をしないでいてくれる。私の仕事や、プライベートの話もしない訳ではないが、詳しく話すわけでもない。でも、今元気なのか、そうでないのか、元気じゃなかったけれど回復してきたところなのかをYさんは察する。無理に話さなくてもよくて、話したければ適当に聞いてくれる。適当に、それがありがたい。
Yさんと話していると、「もうダメだわ、解決しないわ」みたいなことを抱えていても「あぁ、これはそもそも私が解決しようとがんばらなくてもいいことだわ。」とふわっと気がつくことができる。緩めた体から余計な不安や心配や怒りが逃げていく。しかも髪型もバッチリ、カラーもバッチリ!「ショートカットの中村アンみたいに綺麗になったぞ、ふふ!」と調子に乗る余裕すら出てくる。
いつもありがとうYさん。いつまでもチャラくいてください。
ちなみに、YさんがX(旧Twitter)のアカウントを持っていないことが発覚した。芸能人や業界関係者もお客としてやってくるらしいのにどういうことやねんと思ったが、私の髪にカラー剤を馴染ませる時間でアカウントを作った。いや、タイマーが鳴っても止めて、しばらく格闘していた。
「時間置きすぎると変な色になったりしないよね…?」と若干不安になったが、これが達成されないと次には進めない空気だったので無事に成功することを真剣に祈った。
苦戦しているのでちょっと拝見。カレンダーから自分の生年月日を選ぶ。西暦の部分を押せば一気に飛べるのに、地道にひと月ずつカレンダーをめくっていた。
チャライのにデジタル疎いのか!意外!
で、お目当ての動画は「アントニーがタクシーに乗っている時に運転手が勝手に他の外国人のお客ものせて全く別の目的地に走り出すドッキリ」だった。めちゃくちゃくだらない!アントニーのせいで私の髪色が死ぬところだった!でも爆笑してしまった!!
お礼に「菊池風磨が水泳中に海パン溶けちゃって全裸になるドッキリ」をおすすめして一緒に観た。爆笑していた。年頃の女性が男性に紹介して、かつ一緒に見て爆笑するには少々そぐわない動画だったかも。でも面白いんだから仕方がない。くだらないは最強だ。
力も抜けて、笑って、綺麗にもなった。これだからガーデンはやめられない。
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