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島津家の歴史を紐解くシリーズ。第1回目は第一代、島津忠久(しまづただひさ)編。

今回は島津家の歴史を紐解いてみたいと思います。

では、早速いってみましょう。

鎌倉時代から廃藩置県を迎えるまでの役700年間、一貫して統治を続けた武家一門は、両手で数えられる程度しかいません。

相良(さがら)氏(熊本)、南部氏(青森)、相馬氏(福島)、宗(そう)氏(長崎・対馬)、松浦氏(長崎・平戸)、宇久(うく)氏(長崎県・五島)、

そして、皆さまご存知の、島津氏(鹿児島)です。

今日はそんな西国の雄藩、島津家について、1代目からおサラってみたいと思います!現在は33代目。全部やってたら年が明けちゃうので、ちょいちょい省きます。

では、行ってみましょう!

一代目:島津忠久(ただひさ)

島津氏の祖。噂によれば源頼朝先輩と側室の丹後局(たんごのつぼね)氏との間に出来た子と言われています。源氏の総大将、頼朝先輩の子ですから、さぞ重宝されて生まれてきたのかと思いきや、先輩の正室である北条政子氏は戦国最強の恐妻。

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政子「頼朝、側室なんて作ったら、どうなるか分かってるんだろうな」

と常日頃から圧をかけまくっていましたから、側室の元に通っていたことですらヤバいのに、子どもが出来たことが政子にばれたら、子どももろとも殺されるかもしれない。

そこで、丹後局は密かに鎌倉を脱します。命からがら摂津国(大阪)まで逃れてきましたが、住吉大社で産気づいてしまいます。

雨降りしきる夜更け、暗闇の中困っていたところ、現れた狐が狐火を灯してくれました。そして、丹後局は傍にあった大きな石を抱え、子供を出産します。

そうして産まれた子が、忠久(ただひさ)。後に島津の祖と呼ばれる人物です。

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こんな忠久(ただひさ)先輩の生い立ち伝説から、島津一族はお稲荷様の加護を受けていると考え、稲荷神を信仰するようになります。

ちなみに、狐=お稲荷様と思いがちですが、お稲荷様というのは、稲を象徴とする農業の神様、宇迦之御魂大神(うかの みたまの おおかみ)先輩のことで、狐はあくまで先輩のお遣い(メッセンジャー)です。

また、忠久が生まれたときに雨が降っていたことから,島津家では雨を縁起の良いものと考え、「島津雨」と呼び吉兆の証と考えているそうです。

島津雨、かっこよすぎ。

さて、そんな住吉大社は現在も大阪府住吉市にございまして、そこには丹後局が出産時に抱えたと言われる石が「島津忠久誕生の石」として現在も鎮座しております。

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中世歴史めぐり様より拝借

こうして産声をあげた忠久先輩。

その後、母である丹後局が惟宗廣言(これむね ひろこと)オジに嫁ぎ、惟宗(これむね)姓を得た忠久は、惟宗忠久(これむね ただひさ)を名乗るようになります。

成長して、京都で貴族の名門「近衛家」(このえけ)に仕え、武士としての頭角を現すようになった忠久先輩。きっと、政子が怖くておいそれと名乗れない 父・頼朝も嬉しかったことでしょう。

(父)頼朝の推しもあり、忠久は現在の鹿児島・宮崎両県にあたる薩摩(さつま)・大隅(おおすみ)・日向(ひゅうが)三国の守護(政治・軍事・経済を見るエライ人)職に任命されます。

ちなみに、薩摩・大隈・日向ってどこやねん↓

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全国史跡巡りと地形地図様より拝借

更に、三国にまたがる日本最大の貴族の私有地である島津荘(しまづのしょう)に地頭(年貢を取り立てるコワイ人)職としても任命されます。

守護地頭ダブル兼務。しかも日本最大の私有地(島津荘)付き。島津荘は近衛家が管理していたことから、近衛家に仕える忠久が守護職につくのは自然の流れらしいのですが、頼朝、我が子が可愛かったんだなと思わずにはいられない。

そして、あの泣く子も黙る、島津家の家紋、丸に十字紋ですが、昔はただの十字紋だったそうです。これも頼朝先輩から授かったものらしい。

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昔はただの十字紋だった

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丸に十字紋となったのは16〜17世紀ごろ


話が逸れましたが、島津荘の地頭職に任命されたことを機に、忠久は島津姓を名乗りようになり、ここに島津の祖、島津忠久(ただひさ)が誕生します。

さて、そんなこんなで薩摩の土地と深い繋がりをもった忠久ですが、彼自身は一度も薩摩の地に足を踏み入れたことはないそうで、(父)頼朝が開いた鎌倉幕府のおひざ元、そう、鎌倉に居たそうです。島津家当主が薩摩の土地に暮らすようになるのは、5代目の島津貞久(さだひさ)になってからです。

話があっちゃこっちゃ行きますが、島津家一族の墓地は基本的には鹿児島にあるのですが、初代の忠久のみ、鎌倉市西御門(にしみかど)の法華堂跡(源頼朝墓)に隣接する山の麓にあるのです。

島津家初代のお墓が鎌倉にあったとは。これは是非行ってみたいですね。

と、島津家シリーズは本当は一回で終わらせようと思ってたんだけど、一代目で既に力尽きたので、これにて一旦終了。二代目以降は次回に持ち越します。

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