見出し画像

つまらないサーカスと、『働く』ということ

フランスではサーカスが家族の娯楽として割と人気で、プロフェッショナルなものから、家族で代々やってます、というファミリーサーカス団まで、サイズもさまざまです。

私のサーカス・デビューは10年ほど前で、フランスでも有名なものを観に行きました。
遠くからも見える美しい赤と白の天幕、観客の高揚感、映画を観ているようなハラハラドキドキのショーの連続・・・
どこを切り取ってもステキな思い出です。

Cirque Arlette Gruss 北部フランスの方は是非!

このサーカスをまた観に行きたいな~とずっと思っているのですが、例の感染症の影響で、しばらく南仏での公演を中止されていて願い叶わず・・・
今年の秋は来てくれたらいいな~と願っています。

さて、そんななか、ご近所に割と大き目なファミリーサーカス団が来ているというので、昨日観に行ってきました!

これがね・・・・もうもはや『つまらな過ぎて逆にネタ』というレベルだったのでご紹介したいと思います。

================
注:動物保護の観点から、色んなご意見があるかと思いますが、今回は『働くとは』として記事を書いていますのでご了承くださいませ。
================

私にとって、こういう家族で経営されているサーカスを観に行くのは人生で初めてでした。
最初に観た素晴らしいサーカスのイメージがあったし、テントもかなり大きかったし、外には行列ができていたので、かなり期待値も高かったと思います。(チケットも割と高かったし・・・)

が、蓋を開けてみたら「え?これで終わり?」というものばかり。

ショーというより『お遊戯会』のノリ。

アクロバティックなショーも、体操部の運動神経いい人ならできるよねレベルだし、色んな動物(ライオン、らくだ、カバ、ポニーなど)が出て来たのですが、ちょっと大きなジャンプをしてくれたライオン以外の動物は、餌をもらいながら会場をくるくる回っただけで終わりだし、カバに至っては「いかに大きな口をしているか」を見せるために、大量の餌が与えられただけ。

そうそう、ヘビも出て来て、「え?ヘビってなんか人間の言う事聞いたりするの?」と思って見ていたら、「触りたい人はどうぞ前へ!」って・・・

ほぼ、「ふれあい動物園」なレベル・・・・

まあね、それはそれで「あ~今日、失敗したね~」「やっぱりプロとまではいかないね~」で良いのですが(今日観たものがそうだっただけで、ファミリーサーカスでも良いものはあると思います)、でも、ふと思ったのは・・・

彼らはそれで幸せなのだろうか・・・

かなりの人数がいた会場ですが、恐らく彼らはお金を払った人(大人)を誰1人としてハッピーにすることができなかったと思います。
(サーカスが初めての子どもさんたちは我が子を含め、そこそこ楽しんだようですが・・・)

こういったショーって、最後に出演者全員がステージに立ち挨拶をし、観客の大歓声の中幕が閉じ、ショーが終わった後も観客は興奮冷めやらぬ状態で岐路につく。
「あぁ、最高だったね・・・♥」と素晴らしかったシーンを思い出しながらお喋りするところまで楽しめるものではないですか?

対して昨日のサーカスは、カバが大口で餌を食べた後、司会のムッシューが「これで終わりで~す!今日はありがとう!」と言っただけ・・・・
まるでお金だけもらって逃げ帰る、そんな空気さえ漂っている・・・。

もちろん、生きていくにはお金は必要。

だけど、そんなお金の稼ぎ方をしていて、彼らは幸せなのだろうか・・・。

大規模ではない、ファミリーサーカスにはファミリーサーカスの魅せどころってあると思うんです。
でも、その魅力のかけらすら感じられなかった。
もう本当に「愛情もなく生活のためにやってます」というのが見え見えだった。

いつかタレントの紗栄子さんが確かTVのインタビューで、「子どもには心が震えるような仕事をして欲しい」と言われてたことをふと思い出しました。

多くの人が「天職に出会いたい」と思うのは、きっと「仕事で得られるものがお金だけ」というのに満足しないからではないでしょうか?

達成感とか、人を感動させる喜びとか、充実感とか、そういうものも、私たちが仕事を通して得られる素晴らしいものだと思うんです。

昨日、私たち家族の隣にいた中年の男性2人の口から思わずこぼれ出た言葉・・

「午後が台無しだ・・・」

もし、彼らが本当に「お金だけが目的」でやっているショーだったら、きっと本当に人生の時間を台無しにしているのは彼らではないか・・・

そんなことを思った夜でした。





地球を愛し、自然を愛するイラストで、癒し活動を続けるため、よろしければサポートをお願いします♥