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浅間山に登ろう 〜 剣ヶ峰

浅間の空は噴気に滲む。

2021年6月8日(火)

長野県…小諸市/北佐久郡御代田町

群馬県/長野県の県境を乗せる浅間山は現在も活発な火山活動を続ける成層火山で神代の昔から大規模な噴火を繰り返しています。
気象庁が管理する噴火警戒レベルにより立入規制があり、今日現在はレベル2となっていて、湯ノ平高原の賽の河原までの入山が可能で、前掛山は立入規制となっています。
またレベル1でも山頂の釜山へは通年立入禁止です。
僕は立入規制に従い釜山に登った事は無いですが、立入規制区域に入り釜山へ登る人は多いですね。

今回の目標は外輪山の一つである剣ヶ峰で、浅間山の南側によく目立ちます。
剣ヶ峰へは整備された登山道は無く、目印が頼りとなります。
噴火警戒レベル2の規制となる釜山の中心から2kmの範囲円内に僅かに入る事にもなり、噴火の危険と合わせて道無しの為に緊張感も高く、より一層気を引き締めて行ってきました。

🌤晴れのち曇り 🌀軽風 🕡6h33m
🐾19,376歩 10.1km ⇅925m
♨️天狗温泉 浅間山荘 800円

7:45 天狗温泉浅間山荘⇒不動滝⇒火山館⇒
天狗ノ路地⇒剣ヶ峰⇒ヒサシゴーロ尾根⇒
天狗温泉浅間山荘 14:18

登山者用の無料駐車場は浅間山荘から砂利の細道を下って行くとあります。(山荘前の駐車場は500円)

無料駐車場に車は無く、山荘前の駐車場にも数台の車があっただけで、ちょうどご夫婦の方が先に出発して行きました。 

今日は静かな山行になりそうです。

7:45
出発ー!

山荘前から鳥居をくぐって、林道を歩いて行きます。

現在の噴火警戒レベルは2🌋🌋

前掛山への登山は立入規制となっています。
かと言ってバリケードなどがあるわけでは無く、
簡潔に"自己責任"という言葉を使ってしまえば、登る事は出来る訳です。
立入規制区域に入った場合には災害対策基本法
63条に基づく罰則が有りますが、気象庁が発表する情報は立ち入る事に対しての注意喚起を促すに留まっています。
家族や自分自身の為には入山規制に従い、行動する事が望ましいですね。

登山においての自己責任論は終点に私見を書いてみました。

今日のコースは規制範囲内に僅かに入る事になるので気をつけて行きましょう。

山道は初夏の装い、
朝から蝉の声が森に響きます。

浅間山登山の起点となるのは主に二カ所です。
浅間山荘からの湯ノ平口コースと高峰高原の車坂峠からの外輪山コースはハイシーズンにはどちらも、
たくさんのハイカーさんが入山します。
積雪期にはアプローチの良い車坂峠から黒斑山へスノーハイキングもおすすめですね。

8:21
一ノ鳥居

コースは沢音を聞きながら蛇堀川(じゃぽりがわ)沿いを進んでいきます。
鉄分を多く含む蛇堀川は赤茶けた錆色に染まり、
沢から汲んだ水を飲む気にはなれませんね。

8:38
不動滝

マイナスイオ〜ン♪

8:50
滝のしぶきを浴びながら一休み。

8:56
ニノ鳥居

滝上のニノ鳥居は休憩適地です。
木立の中で夏の日差しも遮ってくれるでしょう。

火山館までひと仕事しますかね、
一つ二つと薪を手にして登ります。

おっ!カモシカが登場しました!!

いつも思うのですがカモシカって堂々としていて、逃げませんよね。
人間を警戒しないというか余裕というか!?
戦前は狩猟の対象となっていましたが、国指定の
特別天然記念物となった昨今ではニホンジカや
イノシシよりも山中でよく見かけますね。
この子なんてまったく動じず、ムシャムシャと食事に夢中でした。

カモシカさんはしばらくの間、お付き合いしてくれましたが(相手にもされてないか 笑)
そろそろ先へ歩きましょう。

カモシカ平の景観は素晴らしく異世界の雰囲気が漂います。

硫黄臭い蛇堀川の源流部を一足で跨ぐと、
木立の中に火山館が見えてきました。

10:01
火山館

毎週月火は休館日です。
その他にも臨時休館日が有りますので利用したい方はこちらでご確認を           ⬇︎⬇︎⬇︎

10:10
一息入れて出発します

道標の✖︎印が剣ヶ峰へのルート、細い山道がコメツガの森の中に続いています。
剣ヶ峰の北側で日当たりが悪いのか、木の細いコメツガが密生していて薄暗いです。
目印となるビニールテープを追いかけます。

道形はかなり薄いので、気をつけましょう。

この辺りは所々に低木帯が有り、空が開けて
天狗ノ庭とも天狗ノ路地とも呼ばれています。

10:38
標高点2081m

テント泊が出来そうな広場からは浅間山と剣ヶ峰の頂上部がよく見えます。

この辺りでは慎重な行動が必要でしょう。

コメツガの枝葉が生い茂り道形を見失います。

地形は下り基調で、目印は石尊山方面に続いている様に思います。

半ば強引に薮を漕いで進むと、剣ヶ峰の北尾根の
末端に目印を見つけました。

北尾根は草地の急斜面、一面がお花畑です。
高山植物を踏まない様に気をつけましょう。

チリン♪チリン♫
あれっ!
上からハイカーさんが二人降りて来ます。

「こんにちは。」
浅間山荘で先に出発したご夫婦でした。

「この山とはなかなか渋いですね。」

「お互い様ですね 笑。」

僕とは逆回りでの山行でした。
ご夫婦は初めて剣ヶ峰に登ったそうです、この先のルートの状況など、お互いに提供しました。

ガレた岩場から素晴らしい眺めです。

ヤッホッホー!!気持ちいい〜♪

最後は草を掴んで岩場をひと登り。

11:35
剣ヶ峰 (けんがみね) 2281m

四年振り二度目の剣ヶ峰、前回は曇天で浅間山は雲の中でした。

今日はどうですかー。

ちょいと曇ってきましたがいい眺めですね。

眼下には牙山 (ぎっぱやま) 2111mが見えます。

計画当初はこの牙山への登頂も目標の一つでしたが調べてみるとなかなか手強そうです。
天狗ノ路地から牙山下部の岩場を越えて、南側から
直登するのが良いらしいが!?
または蛇堀川からの南陵ルートだがこちらはかなり危なそうで、自分には無理でしょう!!
これはちょいと装備が必要な上に調査不足の為に
今回は見送りました。

さてさてランチタイムです。
今日は簡単に済ませます。
即席の味噌汁にコンビニのおにぎりでネコまんま。

ふぅ〜ふぅ〜と、旨〜い。

ドーナツもGooood!!

12:30
お腹も満たした所でそろそろ下山しましょう。

山頂から南へヒサシゴーロ尾根を下ります。

上部では笹原に薄い踏み跡を探します。

東に尾根が分かれて行くので、目印を見失わない様に気をつけましょう。

進路を西寄りにとります。

火山帯らしいガレた尾根と樹林帯を何度か繰り返し高度が下がっていきます。

展望もまずまずで風が気持ちいいですね。

標高が2000m以下になると花々のお出迎え。

心細い道ですが、目印を見失わなければ大丈夫。

ヤマツツジがちょうど見頃でした。

ガレた尾根から樹林帯に入ります。

だそうです。
気にして鈴を探してみましたけど、
残念ながら見つかりませんでした。

13:58
湯ノ平口コースに下山

コナラの木に黄色いペンキの矢印が
ヒサシゴーロ尾根の入り口です。

今日のルートは薮漕ぎレベルで言ったら1くらいですが、道形が薄いのでヒサシゴーロ尾根を登りのルートにとった方が分かり易いと思います。

火山館へ周回する場合は天狗ノ路地が難所になりますので、日暮れ時や濃霧の場合は慎重な行動が必要でしょう。

14:18
天狗温泉の浅間山荘に帰って来ました。

ふぅ〜と深呼吸を一つ。

噴火しなくて良かったよー(笑)

今回もなかなか楽しい山行となりました、
何より無事に下山出来た事に感謝ですね。

〈おまけ〉

お土産は軽井沢の地ビールです。

近所のスーパーでも売ってますけどね、
せっかくですから地元に還元しましょう。

お疲れ様でした〜🍺

一杯やりながらのほろ酔いですが"自己責任論"についてのボヤキでもどうぞお聞きくださいな。

登山雑誌や山行ブログなどで、たまに目にする
"自己責任"という言葉。
僕はこの言葉を使いません。

登山においての"自己責任"とはその人個人にとっての都合のいい言葉だと考えます。
その人個人とはこの言葉を使う登山者とこの言葉を使って登山者を批判する人の両方を言います。

この言葉には魔力があり、ザックの奥に詰め込むと今回の様な火山帯や雪山、岩山、単独の山行などで不安感や弱気感などのネガティブな感情が、決意や
覚悟といった言葉に上書きされてしまい、
「私は"自己責任"で山に登るのだから、とやかく言わないで!」などとこの言葉を山行の拠り所として、他者と距離を作ってしまう様に思います。
また他者は「"自己責任"と言ってあなたはどんな責任が取れるのか!?」と批判するでしょう。

僕は"自己責任"なんて言葉を使う必要は無く、
"自分のやりたい事をやりたい様にやれば良い!"
ただそれで良いと思いますが、どうでしょうか?

身の程を弁えぬ物言いとなり、大変失礼しました🙇🏻

#326 《おしまい》               MR032606082021

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