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神山 地域再生の教科書

直近で神山に行く機会があるので、予習も兼ねて、神山モデルの本が新しく出たので読んでみました〜

「たった1人の野心が世界を変えてゆく。みんなの野心がやがて世界を動かします。モノをつくる力で、コトを起こしましょう」
神山まるごと高専を運営する学校法人神山学園の理事長 寺田さんの言葉

神山まるごと高専の「まるごと」には、キャンパスを飛び出し、自然と人の温もりにあふれた神山での暮らしを通して生きる力を育むという意味が込められている

2010年 サテライトオフィスは決して一般的ではなかった。現に、神山はサテライトオフィスの先駆者とも言える自治体だが、その神山のサテライトオフィス第1号はSansan

構想をぶち上げ、走りながら肉付けしていくという点でいえば、まさにアジャイルであり、ベータメンタリティであり、スタートアップの経営そのものだが、見方を変えれば「見切り発車」でもある

「神山サークル」
神山まるごと高専が育成する人材像として揚げているのは「モノをつくる力で、コトを起こす人」この人材像を実現するために、「モノをつくる力」であるテクノロジーデザイン、「コトを起こして社会を変える力」である起業家精神を重視している

フードハブとは、神山の「地産地食」を進めるために2016年4月に設立された企業。「食べる」ということを通して、神山で生産された農作物の需要拡大を目指している。神山にある食堂の「かま屋」は、そのための舞台

10社から10億円ずつ100億円の資金を集め、その運用益を返済不要の奨学金に充てる。「スカラーシップパートナー制度」という仕組みをひねり出した

神山には「何かしよう」「何かしたい」というマインドを持った人が多い。みっけの5人ももちろんそう

どんな事業も同じだが、プロジェクトを立ち上げる際に、他人事ではなかなかうまくいかない。真鍋や白桃のように、会社や店にオーナーシップを感じるようでなければ、どんなに優れた技術を持っていても人の心には刺さらない

齊藤は、2014年から神山・大埜地の山林で、サウナ建設プロジェクトを始めた。サウナを研究するため北欧やバルト三国を巡り、セルフビルドでサウナを建てた。完成には6年の年月を費やした

神山に視察に来る人が必ずと言っていいほど訪れる「えんがわオフィス」全面ガラス張りで、幅の広い縁側がある古民家は映像的にも映えるため、神山を象徴する存在として取り上げられている

ベゾスの「弾み車効果」
低コストで成立するビジネスの仕組み(Lower Cost Structure)をつくり、顧客に低価格(Lower Price)で商品を提供する。安価な商品は顧客の満足度向上(Customer Experience)につながり、満足度の上がった顧客は繰り返しアマゾンで買うようになるため、全体の取引量(Traffic)が増大する。取引量が増えれば、マーケットプレイスで商品を売る販売会社(Sellers)が参入し、品揃え(Selection)が豊富になるため、さらに顧客満足度が高まる。この好循環を生み出せば、慣性力によってフライホイール(弾み車)が回るように、マーケットプレイスも成長し続ける

おもしろがるセンス」が、グリーンバレーのおじさんたちの最大の魅力

大南は徳島大学の教授に依頼して2035年の神山町の人口推計を試算した。結果は、推計人口3065人。そのうち年少人口を小学校の1クラスに換算すると、当時の30人弱から12.5人まで減少することが分かった。1学年1クラス20人の単式学級を維持しようと思えば、親2人、子2人の家族を毎年5世帯ずつ受け入れる必要がある

神山は都会に慣れた人にとってちょうど良い距離感だという声が少なくない。その背景にあるのは、恐らく異質なものに対する「慣れ」

「アホも繰り返せば人格を得るんやな」

「都会では無理だけど、田舎では同じ意思を持った人が5人もいれば町は変わる」本気で変えたいという人間がいれば、地域は変わる

新しい選択肢は何かを選択することで生まれる。目の前に現れた小さな選択肢に対してワクワクを感じる方を選んでいけば、おのずといい方向に進んでいくもの

神山まるごと高専の仕組みや、神山町がシリコンバレーの仕組みを、うまく取り入れたような地域創生ができていることを詳しく分かり、とても参考になる1冊でおすすめです。読むと神山に行きたくなります^^


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