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「ゴシップ」が好きなのは誰❓~「ゴールデングローブ賞」でも「メーガン妃」でも話題にのぼる『ブリジャートン家』

1 なぜかゴールデングローブ賞ノミネートのがす

『ブリジャートン家』が、ゴールデングローブ賞のノミネートから外れてしまったのには、さすがに関係各社ともに、驚いたようで、今更ながら、ドラマ制作における白人至上主義が問題視されたようである。
何といっても、興行成績がものをいうエンタメ界、このような賞は、興行を後押ししてこそ意味があるわけで、選考に忖度が働いたなんてゴシップはそれこそ、賞自体の命とりにもなりかねない。
『エミリー、パリへ行く』はノミネートされているのに、『ブリジャートン家』はなぜ駄目だったのかを、取りざたされるのも仕方がないだろう。
だって、両ドラマのターゲットとなる視聴者層がかぶってますから。それでもって、どう見ても、『エミリー、パリに行く』が『ブリジャートン家』に及ばなかったのは明らかですから。わたしの個人的見解ですけどね。

事実のほどはわからないにしても、それらしく見えることが、「真実」に一番近い事実となってしまう。逆に言えば、ゴシップは真実らしく見えなければ、誰も面白がったりしない。すぐに消えてしまうバブルなだけなのだ。

2 イギリス王室はメーガン妃の言うとおり⁈

イギリス王室といえば、あのドラマ「クラウン」を思い出す。なにしろ、そのままNetflixの人気ドラマになってしまう世界一有名なご一家なのだ。
王室離脱したとはいえ、メーガン妃の一挙手一投足は注目されるだろうが、自ら語る王室内で辛かったという話は、大きく注目を集めた。
やっぱり、人種が入り乱れて物語が進む『ブリジャートン家』の世界観は素敵なファンタジーなのだなと思い知らされた

わたしは、以前から、メーガン妃へのバッシングの裏に、偏見からくる悪意をがあるのを感じていた。手の届かないセレブ一家の一員となった女性は、崇められるか、バッシングされるか、どちらかだ。そういういじめの構造とゴシップが絡むと、悲惨な結果になってしまう。

バッシングしたい側が、それらしく事実を作ってしまえば、ゴシップになってしまう、ゴシップにはそういう陰惨な部分があるのだ。

3 「ゴシップなんて、みんな好きでしょ」

ドラマの中で、こうサラッと言ってのけたのが、アッジョア・アンドウ演じるレデイ・ダンベリーだ。(この女優さん、クラッシックなドレスが似合って、メイクもお洒落で本当にカッコいい。ファンになった。)
レディ・ダンベリーはロンドン社交界を、表でも裏でも仕切っている人物で、知的で堂々としていて、度量の広い貴婦人である。サイモンの亡き母の友人で、陰になり日向になり、孤独な彼を勇気づけてくれる。
そういう清濁併せ呑む人が、ゴシップについてこういう定義をするというのがとても興味深い。

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『ブリジャートン家』では、レデイ・ホイッスルダウンが、ロンドン社交界のスキャンダルを機知にとんだ痛烈な皮肉とともに暴いていく新聞がでてくる。これが、狂言回しとなっているのだが、この新聞が暴くスキャンダルは、いわゆるゴシップだけど、人を傷つけることが目的ではない
もちろん、それによって、窮地に立たされる登場人物もいるのだが、けして、人間を貶めたり、争わせるためのものではない。あくまで、それを通して、人間とは何かという問いかけをしているのだ。

4 ドラマのもう一人の主役だったマリーンのしたたかさと可愛らしさ

『ブリジャートン家』シーズン1の中心となる女性主人公はダフネだが、もうひとりの主人公はこのマリーナ・トンプソンだと思う。

マリーナは、ロンドン社交界で、ダフネと人気を二分するほどのモテモテの女性だが、彼女には秘密がある。それが、やがて社交界の一大スキャンダルとなっていくのだが、周囲の人間模様がドラマチックに描かれている。
ここでは、ネタバレになるので書かないが、彼女の秘密は、女性なら、結構身近に感じられる秘密なのだ。それこそ、時代が変わっても、マリーナの身に起こったことが、自分にあるいは、友に起こったらと考えると、ずっとこのドラマは身近なこととなってくる。

マリーナは、このドラマだけのオリジナルの登場人物で、彼女を登場させたことで、愛と性という問題をきれいごとだけで済ませないという制作陣の野心的な意図が見て取れるというものだ。

そして、このマリーナを演じたルビー・バーカーがまたいい。等身大のイマドキの女の子って感じがして、生き抜くためのしたたかさと、周りを味方につけてしまう可愛らしさの両面を持っている。ダフネに負けない存在感で、もうひとつの「<愛>と戦争に反則はなし」を堂々と演じているのだ。

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