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1985年に2000円で人民服を買った話

1985年、天安門事件の5年ほど前になるが、中華人民共和国を旅行した妹の話。
妹は、17日間で中国を1周するという、今では、考えられないようなツアーに参加した。当時、中国は、バリバリの社会主義国であったので、ツアーの行程は、すべて決められていて、現地のガイドさんは、そのスケジュールどおりに案内するしかなかったようだ。
そのなかで、桂林に行った時のこと、船着き場で、土産物を売っているオバサンがいた。そこに真新しい人民服もあった。売り物ではなかったが。

当時は、中国人は、みんな人民服を着ていた。
へえ、こうなってるんだと、じろじろ見ていたら、オバサンは売ってもいいと言う。いくらかと聞くと、日本円にして、2000円くらいだったが、人民元で支払った。

すると、オバサンは、お札も数えず、これ以上ないという笑みを浮かべ、そそくさと人民服を包んでくれた。だいぶボラれたようだった。

妹は、それから、30年以上たって、また中国旅行に嵌まっている。
中国は、もう、まったく別の国、違う国になっていて、そのギャップが面白いのだという。

妹の2000円で買った人民服の話を、中国の友人にしたら、今、中国では、昔を懐かしむ風潮があり、もはやどこを探しても人民服なんか売っていないから、とても貴重品だという。

間違いなく、2000円以上、その何倍でもで売れると思うと言われた。
妹にそういうと、いや、でも、そういえば、あの人民服はどこにいっただろう?実家の物置でも探してみようかなとの返事であった。

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※2年前に、春節のころ、上海の豫園で撮った写真です。今年はどうだったのだろうか?感染収まったとはいえ、これほど、3密にはならないでしょうが。

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