やさしい心の使い方

30歳という節目のせいなのか、最近中学・高校の頃の旧友たちと会う機会が多くあった。
色々な話に花を咲かせて、とても楽しかったけれど、
多くの友人に

「変わったね」

と言われた。

10代、20代の私はとても優しかったと思う。

自分で言うのはなんですが、優しい人ランキングがあったら上位に食い込んでいると思う。
昔は人に優しくありたい、と言う思いをしっかり持っていたし、
そんな自分を誇りに思っていた。

困っている、悩んでいる人がいたら、力になりたいと思い
たくさんの人の悩み事を聞いた。

自分だけが楽しい思いをしないように、周りが楽しめるように常に気を配っていた。

人に嫌なことをされても、そんな人でも根は優しくて、今は余裕がないからそんなことをするんだと、必死でその人を肯定する道を探したり、

人にされて嫌だったことはやり返さずに、悪口も言わないように注意を払っていた。

本当に優しく、誠実で、いい人だったと思う

でもある時気づいた

たくさんの人の悩みを聞いてもそれを抱えきれない自分に

いつも同じ悩みを話す人は解決する気がなく、ずっと悲劇のヒロインでいることに

嫌なことをする人は嫌な奴だということに

嫌なことをされたら些細なやり返しをしないとストレスが溜まることに

今の私は相談を聞く相手は選ぶし、
同じことを何度も繰り返し悩み続ける人にはいつまでそのままなの？と言うし
嫌なやつはどんな事情があろうと大嫌いになる
嫌なことをされたら舐められないように反論する

そんな人間になってしまった。

そんな自分を受け入れられない時期もあったし、
子供っぽいな、と思う時もあったけど、
昔の自分と比べてとても生きやすくなったと思う。

でも今ままで人に与えていた優しさを、今後はもっと自分に使いたいし、
私は今まで優しいふりをしていただけなのかも、とも思う。

今後は正しい優しさの使い方をしたい。

その場の空気を収めるために自分の優しさを使いたくないし、
自分のことをどうでもいいと思っている人に優しさを与えたくない。
優しさにつけ込んで心無い言葉をぶつける人には、
正論を使ってぶちのめしたい。

そして、私とは違い、本当に優しい人たちが、
必要以上に傷付かず、生きやすくなってほしいと思う。

本当に心の優しい人は、相手のことを考えて、本当に苦しい時に相談ができないと思う。
自分の思いを一方的に、かつ何度も繰り返し話すのは相手に迷惑なんじゃないかと、考えてしまうと思う。

優しい人は人に酷いこともできないと思うし、悪口を聞いてるだけで心が苦しくなると思う。

優しい人が搾取されずに、生きやすい世界が訪れるのは望み薄だけど、
私の中に残ってる小さな優しさの心は、そういう人たちのために使えたらなあと思う。

おまけのはなし
※呪術廻戦のネタバレを含んでいます。

私は呪術廻戦に出てくる七海建人というキャラクターがめちゃめちゃに推しで、
絶対に幸せになってくれ〜〜〜と思っていたのですが、
悲しい結末を迎えました。1ヶ月くらい落ち込みました。

その時にも、こういう優しくてまともで人望がある人が犠牲になる世界やめろ、と病みました。