実家の猫でグッズをつくろう!
ごきげんあそばせ。
皆さんはご実家、あるいは今住んでおられるところで、ペットは飼ってらっしゃいますでしょうか。
かわいいですよね。目に入れても痛くないですよね。
五臓六腑の匂いまで知りたくて、あくびをしている口元を嗅いだりしてしまいますよね。
私にとって、自分と全く異なる生態を持つ彼らの存在は、幼いころから大変身近だった。毛の生えた生き物は、何でも好きだ。
老後は多様な動物を飼い、「マツゴロウ帝国」を作りたい。
祖母の家では絶えず犬が飼われており、歴代「ジョン」「しょうちゃん」「サン太郎」「ごんちゃん」などを愛でてきた。
ジョンはお会いした事がない。ボクサー犬で見た目がいかつく、近所の子供たちは怖がっていたが、滑り台を滑るのが大好きな、やさしい心の犬だったそうだ。最後は老衰で、私の母、のりこの腕の中で亡くなったという。その話を聞く時、私はいつも心の中にミケランジェロのピエタ像を思い描く。
母の話によると、近所に何を飼っても「メリー」と名付けるおばちゃんが住んでおり、気づいたら「猫」のメリーちゃんが家に居候していたこともあったらしい。
幼稚園…。そうだ、幼稚園には鶏がいた。朝に彼らが産んだ卵が給食に使用されたりする、大変オーガニックな園だった。誰にも信じてもらえないのだが、お昼寝をする二階には背の高い籠が設置されており、イグアナが飼われていた。そんな幼稚園あるわけがない。私の幻覚だろうか。
様々な動物遍歴を経て、今実家には、1匹の猫がいる。豆大福、通称まめくん。推定年齢5歳。
ある日冷たい倉庫でぽつん、と1匹鳴いていたという。
犬のミルク亡き後は、彼がこの家の王だ。
一時期は朝食の手作りヨーグルトと、キッチンで育った豆苗を勝手に食べるのを好んでいた彼。
田中みなみみてぇな食の嗜好の持ち主だ。しかし体重は6㎏もあり、病院の先生からは「肥満です」と太鼓判を押されている。1日小分けで5食のキャットフードを食べ、早食いしては掻き込みすぎて「ヴォエ!」と吐いている。
そんなまめくんの写真は我々カメラクルーによる撮影で、どんどん数が増している。それをどうにかできないか…。
と考えた時、知ったのがユニクロの新サービス「UTme!」。自分の気に入った写真や絵で、簡単にオリジナルのTシャツを作ることができるという。
そうだ、これでまめくんの写真をTシャツにしてみよう!!
やりたいことは何でも、できるまで気の済まない私のこと。
思いついてデザインし、即発注。
3週間後、届いたのがこちらです。
えっ、売り物じゃ~ん!!!
くすんだ色味の方が似合うのは普段の洋服選びで理解しているので、ナチュラルカラーを選んだ。
上下にはニーチェのもじりで「我々が猫を覗くとき、猫もまたこちらを覗いているのだ」と書いてあります。
このTシャツ、今んとこ、この世に1枚しかないんだよ~⁉ すごい時代だよ!!外へ着て行ったら、フォロワーにあたしが小松菜だって気づかれちゃうよ、これ!
まめくんの可愛さが全世界へ広まる上に、身バレのスリルも感じられる。最高の一枚です。(全体が少し右寄りなのはご愛敬。)
このTシャツは数あるコレクションの中でも、特にお気に入り。
職場の白衣の下に着こんでみたり。
人と会話に困った時には、「これ私がデザインしたんですよぉ~」と切り出してみたり。
たったちょっとのことでも我々の気分をアゲてくれる存在。それが猫。
豆大福くん。チミは偉大だよ。
動物は、人よりも寿命が短く、すぐにいなくなってしまう。
いつか向こうへ行けば会えるって、本当かなぁ?
「天国」という語彙でしか彼らの幸せを祈ることができないのが、なんとも歯がゆい。
私の左手には、まだ幼かったころのまめくんに引っかかれた跡が、はっきりと残っている。
それを知る母は「嫌やなぁ、残ってるなあ」と気にするが、私はすごく嬉しい。
いつかまめくんが居なくなっても、この傷だけはずっと残り続けるからだ。
天然のタトゥーじゃんか。これがあれば、私はいつでもまめくんのことを思い出せるんだ。
この傷跡について話した時、叔母が「そういえば」と腕を見せてくれたことがあった。
叔母の腕に走る縦の線。それはかつて、猫のメリーちゃんにひっかかれたという傷跡だった。
なーんだ。メリーちゃん。こんなところにいたんだね。
あんまり静かだから、気づかなかったよ。
ちなみにまめくんへTシャツを一般販売した場合の営業利益の配分について聞いたところ、「ニャー」とのお返事でした。
OK、Tシャツ1枚につき、ちゅーる1本な!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?