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【神社・お寺の豆知識】お賽銭はどうして5円玉なの?

私たちが何気なく、神社やお寺に来訪した際に、祈願として投げるお賽銭。投げるお金は「5円玉」が良いと広く知られていますが、覗いてみるとどうやら諸説あるようなのです。
今回は、神様に願いを聞き入れてもらう際の御供物としてのお賽銭についてご紹介しましょう。

●お賽銭とは

そもそもお賽銭とは、神様・仏様に祈りそれが成就した事でのお礼として捧げるお金のことのようです。
あれ?少し一般的に知れ渡っている認識と外れますね。
実はお賽銭の「賽」の字には受けた恩恵に対してのお礼「お礼参り」の意味が込められています。
昔はお金ではなく、お米などの供物を納めていたようですが、お金が普及した事が手伝って時代と共に変化していきました。
また、お米は「おひねり」と呼ばれる白い紙に包み、そしてひねった物を供えていたといわれています。現在でのおひねりは、ご祝儀やサービスを受けた際のチップとしての意味合いがあるようですよ。
そしてお賽銭はその他、穢れをはらい清める意味や参拝に来たことを知らせる意味もあるそうです!!

実は、お賽銭箱には書かれている字で込められている意味が異なるのはご存じでしょうか?
「浄財《じょうざい》」……損得勘定ではない欲を一切捨てた寄付の意味
「喜捨箱《きしゃばこ》」……その字の通り、自分の意志でお金を進んで寄付する事
「奉納《ほうのう》」……純粋に神様・仏様に献上する事

同じお供えでも、よくよくひもといていくと意味が変わってきますね。

●神社とお寺でのお賽銭の意味

神社とお寺では、少しお賽銭の意味合いが異なるようです。紹介しましょう。
神社でのお賽銭は、神様に対して日頃、見守ってくれていることへの感謝の気持ちをお金として伝えるためのものです。
それに対してお寺へのお賽銭は、自分が持っている欲や執着を捨てる「お布施」の意味があるといわれています。
この部分は、神様と仏様のありかたの違いが表れているのかもしれませんね。

●お賽銭はいくらが望ましいの?

さて本題のお賽銭はいくらが望ましいのか?
5円玉が良いといわれるのはなぜなのか?
全国でのお賽銭の平均は150円といわれています。このことから平均を下回る5円玉はだいぶ少ないようですね。
どうやら、厳密な金額はないようです。
お賽銭はいくら?が大事なのではなく、自分が神様・仏様に感謝の気持ちとしていくらお供えしたいのかが重要になってくるようですね。
また、人から借りたお金ではなく、自分のお財布から出す事で、さらにご利益を望めるそうですよ。

では、なぜ5円玉とされているのか?
それは語呂合わせに近く5円玉は「ご縁がある」、穴が空いていることから見通しが良いとして、お賽銭にうってつけの硬貨とされているようなのです。
その他、5円玉2枚で10円玉の「重ね重ねご縁がある」、11円で「いい縁」など、さまざまないわれがあるようですよ。
また、それとは逆の10円=「とーえん」と読めることから「遠縁とうえん」の縁が遠くなる、500円玉はこれ以上の硬貨が存在しないことから「効果が得られない」の意味があるといわれています。

●現代でのお賽銭

お賽銭もお米からお金に変わっていったように、現代ではキャッシュレス化の波が神社やお寺にも来ているようです。お賽銭箱にQRコードが貼られており、それをスマートフォンで読み取ることで、お供えできるようになっているそうですよ。
外国人観光客の増加や、キャッシュレス化の進んでいる若者たちを狙ったことがこの背景にあるようです。
便利になるのは、いいことのように思えますが、少し味気ないなと感じるのは筆者だけでしょうか。

●おわりに

いかがでしたでしょうか?今回は、お賽銭はどうして5円玉なの?について、ご紹介しました。お賽銭の歴史は古く、1700年頃から存在しているといわれています。
時代と共に変化してきたお供物、もしかしたらこの先お金の価値が下がることで、数百年後はそれに変わるものが供えられているかもしれませんね。

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