見出し画像

静寂からの言葉を求めて。

言葉は、3種類あるのかもしれない。

1つ目は、情報からの言葉。何かの外部的な刺激や情報が与えられ、それに対し思考が反応し、出てくる言葉。2つ目は、心からの言葉。悲しい、嬉しい、寂しい、楽しい。感情や感性が揺さぶられた時に出てくる言葉。

僕はこの2つを大事にしつつも、この2つの更に奥にある、次の言葉に出会いたがっているのかもしれない。それは、静寂からの言葉だ。例えば、大自然の中でずっと身を置き、思考も感情も消え去った時に出てくる言葉。僕で言えば、サハラ砂漠で数日間過ごした時に出てきた、作品を作らなければいけない、という直感もそうだった。この一つの直感が、僕を作家人生に導いた。

僕は日々の日課として、朝起きたら、何もせずにA4のノートに言葉を30分、3枚に書きなぐる。寝起きで表層的な情報が薄れている中、更に脳内にこびりついた言葉が剥がれ落ちていく。note に綴る文章のほとんどが、このノートの中に出てきた言葉を書き直しているだけに過ぎない。

表面的な思考や感情のさらに奥に潜む、静寂さ。洞窟の中、一粒の水滴が地面に落ち、その音が洞窟全体に響き渡る、畏れすら感じてしまうほどの静寂さ。その内的空間から出てくる言葉を、静寂からの言葉と呼んだのかもしれない。

そういった言葉に出会いたい。そしてその言葉は時に、自分のための言葉でも在ることもあるが、実は誰か一人のことを想い続ける中で生まれることも多い。それらの言葉に出会い、もっと、人に届けていきたいと願うのだ。

ここから先は

0字

芸術のげの字も知らなかった素人が、芸術家として生きることを決めてから過ごす日々。詩を書いたり、創作プロセスについての気付きを書いたり、生々…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?