好きの肯定

昔好きだった男の子がいた。

高校を卒業してからほとんど会うことはないが、SNSでは繋がっている。ふとしたことがきっかけで最近、卒業以来初めてLINEのやりとりもした。

彼氏とよく、その男の子の話をする。まぁ、もしその男の子に「彼氏とよく君の話をするよ」なんて言ったら嫌がるだろうけど…。
私がその男の子にひどいことをしてしまったことがあって、その話をしたら彼にちょっと叱られたりした。

学生時代は「いやいや、めちゃくちゃ良いやつだけど、ただの友情だ」と思っていた。でも今思えば、好きだったんだろうなと思う。
家庭の事情で、あまり恋愛に前向きな性格ではないし、友達の状態でも十分楽しかったから関係性を変えたくなかったのもある。

「昔好きだった」と書いたが、今でも好きだ。ていうか、卒業してからも好きじゃなくなったことなんて一度もない。実らなかったものほどいつまでも引きずるものだ。

それは彼氏にも見抜かれていた。
「君は今でもその男の子のこと好きなんだよ」と言われた。「そうかも」と言って、初めてその子が好きなことを自分で肯定できた気がした。
なんとなくどこかで、好きだけどそれを肯定してはいけない気がずっとしていた。

彼は私の気持ちを肯定してくれている。たまにセックス中に「その子のこと考えて良いよ」とまで言ってくれることもある。
ヤキモチも焼いているみたいだけど、どうもその嫉妬も彼の中では一種のスパイスのようらしい。

その男の子が好きだという話を、彼と共有できることが私は嬉しい。

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