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井の外に蛙、大海に片足つける


部屋の掃除してたら、就活してた頃の資料を見つけた。

ESとか、ノートとか、インターンの名札とか、会社のパンフレットとか。

掃除してて気づいたら思い出の品に夢中になってるみたいな、もうあるある過ぎるあるあるにまんまと引っかかった。


見返してたら今の自分とは少し違ったことを言っているものもちらほらあって、

あーこんなこと考えてたなーとか、

単純にあんなに必死になって悩んでた自分すげえなーとか、

いろいろ蘇っきて。

逆に今の自分がハッとさせられたりもして。

自分の日記とか、未来の自分への手紙とかみたいで面白かった。


何冊かあったノートのうちの一冊に、某広告代理店に提出したESのコピーが挟まってた。


「あなた自身にキャッチフレーズをつけて、それを説明してください。」

いかにも広告代理店っぽいお題に就活中の自分がなんて答えたのか、なんとなくワクワクしながら読み進める。



ーーーーー


「井の外に蛙、大海に片足つける」


チャレンジした経験がない。

決断力・行動力がない。

すでにある状況の中で、最大を目指すことしかしない。


井戸の中で、満足してました。


そんなつまらない奴でした。


でも、ある日偶然、井戸から海が見えました。

海が大きくて、自分が小さくて、嫌になりました。

見なかったことにしようかとも思いましたが、

自分の海に行ってみたい気持ちの強さに気付いてしまいました。


その気持ちに突き動かされて、井戸の壁を這い上がり、外に出ました。


外は、すごく、すごく、怖いです。


井戸に戻りたい気持ちと戦いながら、

今、海に片足をつけました。


あとは、勢いをつけて、飛び込んでみるだけです。


蛙じゃなくて、僕の話です。


ーーーーー



やるやん、俺、って正直思った。

書いたのは自分のはずなのに、読んで鳥肌立った。

正直これだけ読まされても面接官はなんのこっちゃわからんと思うけど。

自分にだけは、ちゃんと伝わる。


これ深夜に勢いで書いたな、みたいなことも思い出したけど、

何より、就活に対して、自分のコンプレックスとかも含めて全部正直に伝えようとしてた過去の自分の覚悟みたいなものが伝わってきたことが嬉しかったし、心地よかった。


今の自分、どうやろな。

蛙はその後、大海に飛び込めたのかな。


まだ、膝までくらいかな。入れたのは。

それも、自分で進んでいったっていうより、潮が満ちた、ぐらいの感覚。


そういえば。

膝上くらいから、ひーーーつめてぇぇぇっ!ってなるよな海入るときって。

そこからは徐々に入っていくのもなんかゾクゾクするから、ヨイショーーーーッ!!とか言ってイッキに肩まで浸かるよな。


あんな感じで飛び込みたいな。


ずっと飛び込めなかった自分がダサくて恥ずかしいから、

潮が満ちるのを待ってたってことにでもしとこう。


もう、

ダサい自分を誤魔化すうまい理由も見つからないし、

行くなら、

多分今だ。





ヨイショーーーーッ!!




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