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映画「talk to meトークトゥミー」のネタバレ 考察

用法用量を守って正しくお使いください。

薬のCMなどでよく言われる注意喚起。
とはいえ僕らはなんだかんだでルール破りがち。
人それぞれ「マイルール」があってそっち優先しがち。
僕で言うなら、花粉症の薬の副作用がきついので一回の量を半分にしたりする。
薬の服用から料理のレシピ、約束の時間に厳しいか否かとか枚挙にいとまがない。
けど破っちゃいけないものもある。なんでも自分都合で考えるのは危険だ。

メンヘラだから孤独を感じるのか孤独だからメンヘラ化するのか?

ミアはいわゆるメンヘラだ。
父親はずっと無視する癖に一人を嫌がり、母の死を理由に友人宅に入り浸る。
好かれたいし目立ちたいからライリーに甘いし、憑依に率先的。
こいつあんまり好かれてない。
母の死を言い訳にしてるけどそもそもこいつ自己中の可能性がある。
親友の癖に彼氏との間に居続けるのはどうなの?
周りに受け入れられたくて死者と交信し、のめりこんでいく。
彼女の孤独が霊に付け込まれ孤立し事態が深刻化する。
でも彼女の豹変は大人のせいでもある。

ドラッグと霊媒師

監督は双子のyoutuber。ドラッグではしゃいでる若者をみてインスピレーションを得たそうだ。
日本でいうところのトー横の人たち。
降霊はドラッグと言い換えられる。ラリって楽しそうだし。孤独を埋めるための快楽行為だ。
別に時代を問わず家に居場所がない人は多い。だいたいが親との仲が悪い。
この映画、あんまり大人が出てこない。出てきても主人公たちから邪険にされる。父親は無視され、ジェイドの母は口うるさい。
古今東西変わらずいる親のテンプレ。
ミアの母は自殺、ジェイドの父はおそらく離婚。この辺は現代的だ。
大人は快楽行為を注意するだけで原因である子供の孤独とは向き合わない。
で、そんな孤独を利用するのが霊だ。霊を霊感商法の人々と考えてもいいし、未成年と売春してるオッサンと置き換えてもいい。
霊はミアが聞きたい事、信じたい事をうそぶく。
要は都合のいい真実(嘘)。子供はのめりこんでいく。

不都合な事実と都合のいい嘘

実際の母はミアを置いて自殺したことがわかる。
霊の言葉は嘘だらけだ「事故だった」「父は嘘をついてる」「ライリーを楽にしてやれ」
ライリーをミアに殺させるために孤立させコントロールする。
カンガルーを轢き殺さないのは大きなお世話だから。
「楽にしてあげたい」を都合のいい理由にしてる。乗っ取られてないから轢かない。乗っ取られてるから轢かせようとする。
霊は自分の為に子供を利用する。それは幼いほど乗っ取りやすい。ライリーがそうだったように。
子供は孤独を埋めるために危険な快楽行為に走る。でも誰もをそれ止めない。90秒、50秒のルールは平然と破られ子供も大人も自分の都合で判断し都合よく生きようとする。
言いにくいから子供に母の手紙は渡さない。
仕事だし子供の孤独とは向き合わない。
子供は快楽のために友達を利用する。
体と心が触れ合った時にはもう遅い。
得をするのは幽霊、悪い大人だけだ。
この映画は何も解決せずに終わる。ライリーはケガをしただけだし、子供は降霊術は快楽として外国の子供にも人気だ。
もし君が孤独を感じているのなら、君の子供が非行に走ろうとしているのなら聞いてくれるまで、話してくれるまで触れ合い続けた方がいい。
孤立してからでは遅いのだから。

備忘録

カンガルー=「ここオーストラリア、これ現状」って意味かも。
霊もライリーを楽にしろと言う。大きなお世話。兄の言った通りほっておけば霊は弱まる。自分ができないからやらせようとする。t

ライリー、家族が迎えに来てくれない事に不満。ミア化の初期症状。

霊、社会悪とか悪人の立ち位置。いわゆるクズ。

ミア93秒で最初とりつかれてる。

ラストの父親が乗るエレベーターは上か下かどっちだったか?

子供の残酷さ。冒頭で死んだ少年は家族以外から見捨てられてる。
兄が「弟をいいように利用した」と責める。ライリーの事件後も自分の罪が軽くなるように動く。

孤独ゲージMAXのミア。足に触れようとするミア。ゆっくりとした動きが哀れ。

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