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映画「アトランティスの心」ネタバレ考察。

自分はピーターパンだと思ってた。

小学校の時、45分の授業時間が永遠に思えた。25分の休み時間も楽しいのに長く感じた。
「もしかしたら僕は永遠に大人になれないんじゃないか」と思った。
結局そんなことはなく、大人になってあの時を懐かしんでる。
いつ子供じゃなくなったのか?あの時を亡くしたのか知りたい。

大人にあって子供にないもの

欲望。
欲は人によって違う。
ドレスでもいいし、派手な車でもいいし、セックス相手でもいい。
で、それを手に入れるために必要なのがお金。
稼ぐ手段のない子供は物欲こそあれ、手に入れることは大人任せになる。
大人になり稼げるようになればモノは簡単に手に入る。
だけどその代償は大きい。子供にあって大人にないモノもある。

時は金なりは嘘。時の方が重要。

冒頭に「過去は人の心を飲み込む。行き先を知るすべはない」とか、
小説家の「我々は永遠に時間の虜囚である」とかいろいろ言う。
ごちゃごちゃとカッコつけてるけど、時間は大事って話。
なぜか?子供時代とはアトランティス、つまり理想郷といえる時だから。
原作ではテッドがボニーに渡す本は「蠅の王」だけど、
映画では「失われた地平線」になってる。
蠅の王は子供たちが漂流する話。
失われた地平線はシャングリラって理想郷が出てくる小説。
既に少年時代を失ったテッドが少年であるボニー渡す。
テッドはボニーが遅刻しても怒らない。シャングリラにいるボニーの時間とテッドの時間は等価値じゃないからだ。

子供時代のタイムリミット。

「夢見る少女じゃいられない」
どういう意味かは知らないけどそんな歌詞がある。
その後「激しい夜に抱かれたい」と続く。
老いたボニーは窓ガラスに「11」と書いて11歳の頃を思い出す。
なぜ11歳なんだろう。
アメリカの初等教育、小学校が終わる時期でもあり、精通する時期でもある。
性欲が現れ始める。つまり「欲」が強くなった。
大人はこの欲にとりつかれて生きてる。
子供の自転車そっちのけでドレスを買いあさる母。
支配欲から戦争を始める国。
性欲から未亡人をかどわかす。
そのためには金が必要。だから働く。
ボニーは少年期の終わりに働き始める。自転車の為に。

過去を切り取る写真。

ボニーは自転車を手に入れた。テッドの配当金は親子の再出発の資金になり、これまで働いたお金と配当金の一部が自転車の代金になったと思う。
なんにせよ、ボニーが働いたお金と言っていい。
働いたお金で物欲を満たしたボニーは大人になった。
ボニーがキャロルに手紙を送れなかったのは大人になってしまったからでもある。
子供時代のキスが忘れられないのは性欲に根差したキスじゃないから。
純粋な好意からのキス。
大人になればそれ難しい。
ボニーは写真家になった。
彼は若くして子供時代、時の大切さを知ったから。
二度と子供には戻れないけど子供はその時の影響を受け大人になっていく。
喪失感と希望をもって。

備忘録。

「蠅の王」について、残酷な15少年漂流記。子供が生きるために働き、闇落ちしていく。
糧の為の労働と欲の為の労働は一緒か?
なんかぶつ切りになってる感じがする。原作をほとんどおもい出せない。
グリーンマイルのコーフィとにたような能力も持ってた。やっぱり神の使い。
それを悪用する人間。


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