純ジャパがTOEFLで109点取った勉強法振り返り

はじめに

はじめまして。2023Intakeの海外MBA受験に向けて準備中のghostsheepと申します。
2021年の1月からTOEFLの勉強を始め、同年10月末に109点(R30, L28, S23, W28)を取ることができました。9月末に100点、年末までに105点を取ることを目標としていたので、想定より早いタイミングで満足のいく結果を出す事ができました。
その後GMATの勉強に移行しつつ社費派遣の選考を受けていたのですが、めでたく社内選考に落ちまして(笑)、傷ついた自尊心を取り戻すべく、この一年間のTOEFLスコアメイクの努力を振り返ろうと思い、この記事を書いています。
TwitterのMBA垢界隈にはTOEFL111+のモンスターも珍しくない中恐れ多いのですが、「あの時自分は頑張っていたんだな」という自己満足を得つつ、この記事を読まれた誰か一人でも何か参考にして頂ければ幸いです。

英語バックグラウンド

自分は私文卒で総合商社勤務の純ジャパで、英語は会社に入るまでは受験勉強の範疇内で頑張っていた程度でした。
内定者時代に一時集中して勉強し、入社式に受けたTOEICは800点。入社後はずっと営業で海外(非英語圏)担当で、一度目の海外駐在からの帰任時に受けたTOEICは850点、そして今回TOEFLの勉強を始めようと思った時にベンチマークとして2021年1月に受けたTOEICは880点でした。

現在は二回目の海外駐在中で、非英語圏の事業会社に唯一の日本人として出向中です。出向先の社員の殆どは英語が通じないので、仕事の詳細な会話は英語が通じる数少ない社員に依存しつつ、日常会話は赴任してから勉強した現地語でなんとかサバイバルしているという日々を送っています。

仕事でずっと英語を使い続けてきたのは大きな財産でしたが、ずっと非英語圏のトレード担当だったので、求められるのは高尚で丁寧なナチュラルな表現というよりは、相手に誤解なく自分の要求を伝え、後になってから言った言わないで揉めないコミュニケーション(従いSpeaking・ListeningよりもメールでのReading・Writing重視)、それに加えてボキャブラリーも売買契約書とか決済で使う様な事務的な固い表現ばかりに偏っていた感があります。

TOEFLではアカデミックな内容や学校生活での会話などの題材が多いので、それが自分のバックグランド的にはかなり新鮮で、それなりに刺激を受けながら勉強を続けられるモチベーションになりました。

スコア推移

スコア推移は以下の通りです。初めての受験から半年で20点のスコアアップが出来ました。

ちゃんと受けることができた本試験は全部で10回。これ以外に、5月に初めて受けたHome Editionは休憩時間に間違ってスマホを触ってしまい試験強制終了(授業料返金無し)になり、10月にもSpeakingの音声がちゃんと録音されていなかったとテスト後に通知がありスコア自体がキャンセルになった回(受験料は全額返金。)もありました。本試験以外にAGOSの模擬試験とTPO数回を受けていますが割愛しています。

初受験の4月で89点が出たので幸先は良かったのですが、やはり巷で言われる通り90点・100点の壁は厚く、90点台に上ったのは勉強を始めて半年時点の7月。そして9月末までに100点を取ることを目標としていたので9月に続けて受験したものの、90点台後半で停滞して苦しい思いをしました。

実は5月に受けたTPOで102点が出てしまっていて、これでかなり油断してしまっていたと今では反省しています。後述しますが、全体的に良いスコアが出やすいと言われるTPOもその中で難易度にバラツキがあり、TPOを受けた際には後からそのバージョンの難易度を確認することで、正しい自分の立ち位置を把握する事が重要だと思います。
(後述するKMFで、この102点を取った時のTPOのバージョンの難易度を後から確認したところ、やはり易しいバージョンでした。)

「まあ年末までに100点取れれば良いか。。」くらいに目標を下方修正しようかと思っていた矢先、社費選考のスケジュールが想定より早いタイミングで発表されて慌てて10月末に続けて受験したところ、10/21:99点、 10/27:101点、10/31: 109点、と一気にスコアを更新する事ができました。
89点→99点のスコアアップには7ヶ月かかったのに、99点→109点のスコアアップはたった10日と、ラストスパートは自分でも信じられない展開でした。

この記事のタイトルを「109点取った勉強法」としたものの、この109点を取った時にR,L,Wの3つでベストスコアを更新しており、運良くスロットの目が良い感じに出揃った感があり、正直再現性は低いと感じています。。
海外MBA受験ではこのスコアでほぼ全てのトップ校が受験可能になる様なので一旦これでスコアメイク完了としていますが、もし時間に余裕があれば、正直TOEFLのこれ以上のスコア改善は期待できないのでIELTSで7.5を用意しておきたいと考えています。

日々のスケジュール・学習リズム

後述するAGOSのプログラムを軸に勉強しており、このAGOSの授業が1コマ3時間で、最初の半年はこれを週1セットまたは2セット受講していました。
AGOSの授業を除く自習は、平日・休日を問わずだいたい一日コンスタントに3時間くらい勉強していたと思います。平日は出勤中や昼休み等のスキマ時間で合計1時間、帰宅して机に向かって2時間という感じ。休日はもうちょっと長く机に向かっていました。

休日は6-7時間机に向かうという話も聞きますが、自分は既婚で子供もいまして、長いMBA受験で最初から家族との時間を犠牲にして家族に負担をかけても仕方がないので、授業を除き基本的には子供が起きている間は机に向かうことのない生活リズムを続けていました。

よく言われることですが、まとまって長時間勉強するよりも、スキマ時間を使って一日に「何度も」勉強する事の重要性は、特にボキャブラリーの勉強を通じて痛感しました。単語帳を机に向かって読み込んでいても定着は薄いでしょうが、20個くらいの単語一セットを、出社時・昼休み・帰宅時にチェックして、帰宅した時にはセットが暗唱できているというリズムができていたのは良かったと思います。

英語学習は教材や方法論の重要性もさる事ながら、地道な長期間の勉強が必要なので、いかに体力面や生活面で無理のない学習リズムを構築できるかが一番重要かと思っています。

本試験の受け方

家族との時間を取るという意味で、TOEFLの本試験も殆どHome Editionで済ませました。会場受験だと移動時間や試験前後の説明・手続きで拘束時間が長い事もあり、せっかくの休日が半日潰れてしまうのが辛いところ。
また、非英語圏に駐在している自分の場合、会場受験では手続きや休憩時間の案内等も現地語で説明され、試験の前後も気が休まらないというのも会場受験のデメリットでした。

Home Editionでは深夜の受験が可能なので、子供が寝静まる夜10時頃スタートで受験していました。深夜の受験に集中できる生活リズムにする為、普段の勉強も意識して夜型の時間帯にしていました。(TOEFLの勉強を始める前は朝型の生活リズムで現地語の勉強をしていた。)
会場受験よりも静かな深夜の自宅の方が100倍リラックス・集中して臨めました。

但しインターネット回線上の問題で、妻には試験中はNetflixを観るのを控えてもらったりしましたし、それでも通信が悪くて試験が突然一時中断する事は何度かありました。上述の通り一回試験自体がキャンセルになった回もあるので、Home Editionをメインにするには、何度も受けられるだけの金銭的な余裕が必要かもしれません。

使用した教材・予備校・サービス

主にAGOSの授業や教材を土台としつつ、KMFという中国のサービス(主にリーディング、リスニングの勉強に使用)、トフレ(ライティング)、フルーツフルイングリッシュ(ライティング)を主に、その他にも色々なアプリやサービスを使いました。セクション別の解説とも一部重複しますが、教材についてそれぞれ解説します。

AGOS

海外大学院の予備校です。MBA受験を考えて一番最初にここのカウンセリングを受け、そのままTOEFL 105点プログラムに申し込みました。
プログラムは結構な金額で、勉強開始の最初のタイミングでこの金額を払う事が自分へのプレッシャーになる、というのも大きな効用です。(笑)

英語学習とは直接関係ないですが、MBA受験全体の準備スケジュール等を踏まえた上で(MBA受験という行程の中で、自分が今どこにいるのか)折々アドバイスをもらえるのが地味にありがたかったです。特に自分は海外駐在中で周りに受験仲間も無くMBAの準備を進めているので、スコアを更新する度にメッセージが来るという些細なコミュニケーションが、自分にとっては地味に大きな心の支えになっていました。
一緒に授業を受けている出席者と比べる形で自分の立ち位置を把握できるのも、孤独な環境の自分にとっては貴重なメリットでした。

教材や教え方はどんなものでも人によって向き不向きがあると思いますが、10〜20人が同時に受講する授業という形式上、どうしても出席者のレベルのバラつきがあり、これが人によってはストレスに感じるかもしれません。
また、スコアでいうと80-90点台をターゲットにしている人向けと感じられるアプローチ(テクニカルな問題の解き方であったり、フォーマット偏重だったり)も多く、特にリーディングとライティングはAGOSだけに頼っていたら109点のスコアは達成できなかったとも感じています。詳しくはセクション別の解説で後述します。

KMF

中国のサイトで、TPOの過去問が無料で解ける、控え目に言って神サイトです。

日本からアクセスするには、ChormeでKMF専用の拡張機能をインストールする必要があります。この辺りの設定方法とかは結構流動的に変わっているかもしれず、必要に応じて最新情報を確認して下さい。

サイトは全て中国語なので慣れるまで少し抵抗があるかもしれませんが、慣れれば全く問題ありません。自分は主にリーディングとリスニングの演習にKMFを使っていました。KMFの特徴は色々ありますが、自分にとってメリットを感じていたのは以下の機能です。

  • 画面の構成や遷移の雰囲気が、本試験とほぼ同じ。

  • リーディングならパッセージごと、リスニングなら講義・会話の音声ごとに問解答・採点ができる。

  • 各パッセージ・音声ごとの難易度が難・中・易の3段階で分類されている。

  • 設問一つ一つに対して解説がある。かつKMFサイト利用者が設問一つ一つにGood/Bad評価をしたり、質問用の掲示板がある。

  • リスニングはスクリプトを確認しながら音声を聞ける機能がある。スクリプトの音節ごとにジャンプできる機能がある。

特に問題の難易度が確認できる機能は地味に重要でした。TPOで良い得点が出て安心しても、そのVol.の難易度をKMFで確認したら、難易度「易」の問題ばかりのセットだった、という事もあります。
(KMFを見ると、TPOでもVol.によって難易度にバラつきがある事が良く分かります。)
自分のレベルに合わせて特定の難易度の問題だけを解き続ける事もできます。

また、一つのパラグラフや音声の中の問題一つをとっても、難易度が高いというよりは正答を導き出すロジックが強引な「悪問」と感じられる様な問題も時々あります。KMFを見ているとそういう問題は明らかにBad評価が多かったり掲示板で質問攻めになっていたりいて、容易に判別できます。
答え合わせをしていて「これは悪問だな」と判断できれば、その問題の理解に時間を割いても仕方がないので無視して効率良く勉強する事が出来ます。

フルーツフルイングリッシュ

TOEFLやその他テストに限定しない英作文の添削サイトです。ライティングのIndependent問題の演習に使っていました。

色々な添削サービスがあるのですが、この中で論文対策コースの中にTOEFLの問題演習コースがあり、日本人とネイティブ講師のどちらに添削してもらえるか選択できる(ネイティブの方が添削料が高い)ので、ネイティブ講師を指定して20〜30問くらい演習したと思います。

良かった点として添削のリードタイムが極めて早く、平均すると約1.5日程度、早ければ朝提出したものがその日のうちに添削される事もありました。
後述するトフレの添削が一週間ほどかかっていたのと比べると、添削のスピードが速いのはとても重要で、演習をしていた時の記憶がフレッシュなうちに添削が返されるので、効果は大変大きかったと感じています。

悪い点としては、TOEFLに特化している訳ではないので、「自分のエピソードを盛り込みすぎている」と言われたり(TOEFLのIndependentライティング問題は自分の体験を盛り込むことが明確に指示される)、適切なパラグラフの構成も講師によってアドバイスが異なったりしました。
ただし、これに気づいてからは演習を提出する際に「TOEFLの問題の性質上、意図的に個人的なエピソードを盛り込んでいる、パラグラフ構成もこれを使う様推奨されている」等と補足説明をする事で、特に問題にはなりませんでした。

その他にも良くも悪くも、TOEFLに特化せず一般論としての英文エッセイとしてどこが良い・悪いという添削やアドバイスをされるので、英語ライティング能力の基礎力を伸ばすという点で大変効果があったと感じています。

しかし現在はこのフルーツフルイングリッシュのサービスの中で、TOEFL含む長文の論文の添削サービスは停止してしまっている様です。

DeepL

有名な機械翻訳サービスです。

Writingの演習をしている時、自分の書いたエッセイをまずDeepLで日本語に訳して、意図した意味の内容になっているかの確認に使っていました。少なくとも私が書くレベルの英文は文法さえ正しければ相当正確に翻訳できる精度ですので、DeepLの日本語訳がおかしい場合は自分のエッセイの文法や構成がおかしいと判断して、日本語訳が自然になるまでエッセイを修正した上で講師に添削してもらっていました。従い、かなり使えるサービスだと思います。

Grammarly

これまた有名な文法チェックのサービスです。

Writingの演習をしている時、添削に提出する前に一度Grammarlyで文法をチェックしていました。上手に使えば人間の講師による添削サービスの利用を減らせるかもしれませんが、IndependetとIntegratedとでかなり相性が異なるように思います。

Independentのエッセイは個人的なエピソードをドラマチックに書く事になるので、副詞を多用してオーバーな表現に(少なくとも自分は)なりがちなのですが、Grammarlyはそういう情緒的な表現を淡々と修正する(そしてGrammarlyに削除されたフレーズが添削の講師に提案されたりする)事が多く、Independentのエッセイにはあまり向いていないなと思いました。

一方でIntegratedは、感情的な要素を排除して情報を冷静に羅列するタイプのエッセイになるので、Grammarlyの得意とする領域だと思います。

もちろん冠詞や時制、三単現、前置詞などの基本的な文法のチェックは正確なので、その辺りは素直にGrammarlyの添削を参考にしていました。さじ加減が難しいかもしれませんが、Grammarlyを上手に使うにはGrammarlyの得意・不得意な分野を把握する必要があり、英作文能力向上をこれだけに頼ることは決してお薦めできないと感じています。

トフレ

元AGOSの英語講師が運営しているTOEFL専門のオンライン英語塾です。

自分はライティングのIndependentとIntegratedの問題演習を増やす目的で、授業無しの添削だけのコースを受講しました。

良い点はTOEFLのライティングに特化した専任の講師が添削及びコメントを出してくれる点です。特にパラグラフの構成等、高スコア獲得に於いて致命的な点は厳しく明確に指摘してくれるので、後半の底上げには大きな効果があったと思っています。

難点を挙げると、添削が最大で5営業日以内とされているのですが、いつもこの期限ギリギリで添削が返ってきた点です。Integratedの対策はおそらくTOEFLの対策全体の中で一番最後になりがちだと思うので、MBA受験の様にスケジュールを意識してTOEFL対策をしている人がトフレの利用を検討しているのであれば、スケジュールに余裕があるうちから始めた方が良いと思います。尚、Integratedのオリジナル問題はリーディングもリスニングも本番より難易度高めです。

Audipo

音声ファイルの再生速度を調整したり、特定の場所をリピート再生したりするのが便利な音楽プレイヤーです。
https://apps.apple.com/jp/app/audipo-倍速再生-耳コピ-リスニングに/id607971056

リスニング音源をスマホに取り込み、このアプリを使ってシャドウイングやリピーティングの練習に使っていました。大変重宝しました。
アプリの詳しい使い方は以下のリンクを参照下さい。
https://oyajitimes.xyz/audipo_listening_music_player

音節ごとにマーカーを置いて苦手な部分を何度も聞き直したり、あるいはそもそも難し目の音源はゆっくり目の再生速度から徐々にスピードを上げていく等、人によって色々な使い方ができると思います。自分はAGOSの授業で配布されたリスニングの音源を全てこのアプリでシャドウイング、リピーティングの練習をしました。

TPO TOEFL®リスニング-TOEFL® Plan(TOEFL聴解)

TPOのリスニングの過去問が解けるアプリです。https://apps.apple.com/jp/app/tpo-toefl-リスニング-toefl-plan/id1155986212

単に問題演習ができるだけでなく、スクリプトに連動した音声の確認(スクリプトの適当な音節をタップすると、そこまで音声がジャンプしてくれる)機能があり、スクリプトの中の一部分だけ何度も繰り返して再生する操作が簡単で、シャドウイングやリピーティングの練習に重宝しました。

難点としては、スクリプトが一部欠けている場所が散見されました。問題演習をする分には問題ないのですが、シャドウイングやリピーティングの時に気になりました。音質も悪く、再生速度の調整のオプションも少ないので、音源のスクリプトが手元に用意できるのであれば、シャドウイングやリピーティングの練習はAudipoの方が使い勝手が良いと思います。

自分はAGOSで配られた音源の練習が終わり、追加でシャドウイングやリピーティングの練習をする題材としてこのアプリを使いました。


Magoosh: TOEFL Speaking and English Learning 

Magooshが出しているスピーキングのオリジナル問題の演習ができるアプリです。

本試験の直前のウォームアップがてらに何度か使いました。いかんせんスピーキングは、自分で解答した録音を聞くだけのアプリでは実力の引き上げには難しいかもしれません。

ELSA

スマホの発音矯正アプリです。
ELSA - Speak English fluently, easily, confidently (elsaspeak.com)

スピーキングの点数を23点から更に上げようと思って、一時期発音の練習に取り組んでいて使っていました。
1-2か月程、一日1時間くらいこのアプリで練習をしていましたが、AGOSのスピーキングの講師に「純ジャパにとってスピーキングは23点がどうしても限界になる。発音を徹底的に改善すれば24点以上を目指せるが、その労力対効果を考えると他のセクションの勉強に時間を割いた方が良い」と言われ、このアプリを使うのもやめてしまいました。

あくまでTOEFLのスコアメイク全体の戦略の中で、発音矯正の優先度を低くしただけですので、このアプリが悪かったとは全く思っていません。むしろ、いつか落ち着いたらこのアプリを使って半年程徹底的に発音改善をしてみたいとも思っています。

TOEFLテスト英単語3800

言わずと知れたTOEFL学習者ご用達の単語帳です。

自分は書籍版だけでなくアプリ版の両方も購入して、日々の勉強はこのアプリ版がメインでした。勉強の仕方はボキャブラリーの項で詳しく説明します。

やはり定番だけあって、やればやるほど過去問や本試験でダイレクトに効果を感じられる一冊だと思います。自分は最終的にRANK3までを9割方覚え、RANK4は2〜3割身についた位の進度でした。

TOEFLテスト ボキャブラリー+例文3900

これは買ったものの、上述の3800が素晴らしく最後まで使いませんでした。

文脈で覚えるIELTS

大学受験の時に「速読英単語」という文章で覚える形式の単語帳を使っていた為、単語がただ羅列されているタイプの単語帳には少し抵抗感があり、ボキャブラリーの勉強用に最初に手に取ったのはこの本でした。
1ヶ月ほど通勤時に読み進めていたのですが、なかなか効果が感じられず3800に移行しました。
今でも個人的にはアプリではなく本の単語帳でボキャブラリーを勉強することに苦手意識があります。

TOEFL Official Guide

公式の問題集です。AGOSの教材のセットに含まれていましたが、KMFでカバーされるのでほとんど使いませんでした。

ボキャブラリー勉強法

次にボキャブラリーの勉強方法について説明します。

上述の通り、主にTOEFLテスト英単語3800のスマホ用アプリを使いました。
このアプリの良いところは、直前の正解/不正解に基づいて自動的に青/赤のマーカーが引かれる事に加え、自分で黄色のマーカーを引く事ができる点、そして赤マーカーあり・黄色マーカーありの問題だけに限定して問題演習ができる機能です。

勉強の流れとしては、定着したと自信があるもの以外の単語に黄色マーカーを引いておき、問題セット(1セット26単語程度)に取り組みます。正解・不正解に応じて青・赤のマーカーが自動で付いていき、一周が終わったら次は黄色マーカー+赤マーカーに絞り込んで同じセットを解き直し、赤マーカーの単語が無くなったら次のセットに進む、その際に完全に定着したなと判断した単語は黄色マーカーを外していく、という使い方をしました。
しばらくしてそのセットに戻ってきてまた黄色マーカーがついた問題を解き直せば、忘れていた単語がまたバラバラと炙り出されて赤マーカーが付いていき、効率的に単語学習ができます。

こんな感じで青/赤マーカーと黄色マーカーの2種流で管理できる。


後半は、全てのセットを対象にして過去に間違えた回数の多い単語から出題する機能を使い、苦手な単語を徹底的に潰していきました。

問題演習を始める時、マーカーによる単語の絞り込みや、出題順の設定を変更する事が可能。

このアプリは他にも英語⇨日本語の順番でずっと音声読み上げ続ける機能があり、それが便利だという声も聞かれますが、自分はその機能は使いませんでした。問題演習をしていると出題された単語は毎回読み上げられるので、それで十分だった様に感じます。

RANK3の単語には、自分にとって音声を聞いてもすぐに単語が浮かんでこないものも多いですが、TOEFLのリスニングではRANK3以上の単語はほとんど出てこないので、そこまでやり込む必要は無いかと思います。
逆にRANK1〜2の単語が覚束ない人は、音声を聞いてすぐに何の単語か判別できる様にするトレニーングの為に、音声読み上げ機能は重宝するかもしれません。

このアプリで勉強をしていると、微妙に似ているが違う意味の単語を混乱しても、アプリ上ではアルファベット順とかで単語を検索する事ができず、いつまで経っても混乱したままの単語がありました。そういう混乱しがちな単語は書籍の方の単語帳の索引を使って個別に整理したりしていました。

ボキャブラリーの学習は地道でなかなか辛いですが、ひと山こえるとリーディングの過去問がスイスイ読める感覚が得られる様になり、かなり快感でした。

セクション別勉強法(初回スコア→ベストスコア)

ここからはセクション別の勉強法について説明します。かっこ内の数字は、4月に受けた初めてのTOEFL本試験のスコアから、最終的なベストスコアへの伸びを表しています。

Reading (25点→30点)

苦手意識は比較的薄く、得点源にしたいと思っていたセクションで、最終的に満点を出す事ができました。

学習の流れとしては、AGOSの授業を一通り受けた時点で、後は特別な事はせずボキャブラリーを強化しつつ問題に慣れていけば良いと判断し、KMFで毎日1パラグラフずつ問題を解き、解き終わったパラグラフを後から精読するという流れを習慣付けていました。

AGOSで教わったテクニックの要旨を詳しく説明することは控えますが、簡単に言うとパッセージ全体を読むのではなく、あくまで解答に必要な部分だけをピックアップして効率的に解答していくというものでした。この方法でスコアは安定していたものの、どうしても本番では27点の壁が越えられず、KMFの演習でも1パラグラフ10問中8〜9問程度しか正答できない事に悩んでいました。

時間を測って問題を解いた後、じっくりと最初から最後まで本文を読んでから問題を解き直すとあっさりと正答に辿り着く感覚を持ち始め、そこで思い切ってAGOSで学んだ解法を一旦無視し、本文をちゃんと最初から最後まで飛ばす事なく読みながら問題を解くスタイルに切り替えたところ、すんなりと29点、30点を出す事ができました。

AGOSで教わった必要な部分だけをピックアップして読む解法は、英文を読むスピードが決して早くない、25点前後を目指す受験者にはちょうど良いのかもしれませんが、満点を狙うとなればやはり本文を最初から最後まで目を通さないと引っかけ問題で点数を落としてしまう様に感じられます。

最初から最後まで読むと言っても、ずっと100%の集中で読むというよりは部位によって集中のメリハリをつけながら読んでおり、そのメリハリをつける読み方ができたのはパラグラフの中で重要な部分だけを読むというAGOSのテクニックに従って一定期間演習を続けていた効果も大きかったと思います。

従い、AGOSのやり方やテクニックが全く無意味だった・間違っていたとは全く思っておりません。AGOSで学んだコツを踏まえた上で英文を最初から最後まで読むという正攻法のアプローチをしたら自分の場合はしっかりと点が伸びた、という振り返りですのでReadingの伸び悩みを感じている人は参考になれば幸いです。

Listening (21点→28点)

最後まで一番苦労したセクションです。SpeakingやWritingセクションのリスニング部分は問題なく聞き取れていたので良かったですが、Listeningセクションは最後まで点数が安定せず、自分のTOEFLの勉強の半分以上がListeningセクションの対策だったと思います。

勉強のベースはAGOSの授業でした。と言っても、リスニングについてはAGOSも特別なテクニックを教えてくれる訳ではなく、過去問の演習・解説をしながら実力(点数)に応じたリスニング力向上の為の地道なトレーニング方法について指南があり、その指導に沿って愚直にトレーニングを続けました。

具体的な練習方法は①ディクテーション→②シャドーイング→③リピーティングです。AGOSから提供される教材(過去問及びオリジナル問題)に対して、まず最初はディクテーションとシャドーイングをやっていましたが、2ヶ月ほど経ったところでディクテーションはやらなくても大丈夫かなと判断し、その後はシャドーイングとリピーティングだけをやる様になりました。

これらのトレーニングを始めた当初は、一つのリスニング音声をスムーズにシャドーイングできる様になるまで一日2時間で一週間ほどかかっていましたが、後半は短めの会話問題の音声であれば一日2時間トレーニングするだけでスムーズにシャドーイングできるくらいに進歩しました。

また、シャドーイングを始めた当初は発音や内容理解にまで気を配る余裕はありませんでしたが、慣れてくるとそういった要素にも気を配る事が出来る様になり、その後のシャドーイングの練習は発音の改善にも一定の効果があったと感じています。

 AGOSのListening教材でのシャドーイング・リピーティングをやり尽くした後は、TPO TOEFLのアプリを使って過去問を題材にトレーニングに取り組みました。9月中に100点を取ることをターゲットにしていたので、8月頃にこれらのトレーニングは一旦卒業して問題演習に主に時間を割くようにしましたが、難しいと思った問題は軽くシャドーイングもやる様にしていました。

これだけ頑張りましたが、スコアを振り返るとムラが大きく、正直自分のリスニング力がどれくらい向上したのか実感が湧いていないですし、まだ改善の余地は大きいと思っています。むしろよっぽど英語を話すのが流暢になった効果の方が大きく感じています。(スピーキングの点数は伸び悩みましたが。)
シャドーイングやリピーティングは負担が大きく、毎日集中してシャドーイングやリピーティングをしていた時期は毎日しんどかったので、最終的にスコアで報われて本当に良かったです。

ここからはテクニック・Tips的な話になりますが、 何かヒントを得ようと英語関係の動画を見漁っていた時に見つけた以下の動画が、自分にとっては目から鱗でした。

リスニング能力の一般的な認識として、日本人がリスニングの練習を続けているとある日突然LとRの区別がつく様になる、ネイティブはそれらを明確に聞き分けているような言説がありますが、この動画を見ると人間は視覚情報や前後の文脈、事前知識で音声を「脳内補完」しているという事が分かります。

こういうことを調べていると、結局はTOEFLに限らない幅広い英語表現を覚え、様々な文脈で英語を聞き取る経験を積み重ねることが本質的なリスニング力の向上につながるように思い、TOEFLの音源だけをシャドーイング・リピーティングを続けるだけではいつか壁に突き当たる、28~30点を安定して取れる程になるのは難しい気もしています。

効果はどうだったか不明ですが、一時期通勤中に耳を慣らす目的で英語のニュースを聞いていた時期もあります。

ティーンエイジャー向けのニュースサービスで、時事問題だけでなくSocialやScienfiticなトピックも含めて1日10分のプログラムです。一度普通に番組を見た後、字幕付きで見直して正しく聞き取れているか確認したりしていました。

Speaking (22点→24点)

TOEFLで一番スコアが伸びなかったセクションです。仕事柄、英語で言いたい事を一方的にまくし立てる事には慣れており(笑)、AGOSで定型文を学んだら特段対策する事なく比較的すんなりと22点を取ることができました。

当初はSpeakingを得点源に出来ないかと思い、AGOS講師よりスコアアップの為には発音の改善が必須だと言われたので、前述のELSAという発音矯正アプリを毎日1時間ずつ2ヶ月程続けました。
しかしながらAGOSのネイティブの講師に相談するも、私の発音では23点を突破するにはまだまだ道は長く、年齢的にも発音の改善は時間がかかるのでその時間を他のセクションに充てた方が良いとアドバイスされ、その時点でSpeakingに絞った対策を行う事は諦めました。

AGOSの授業以外では全くSpeakingの練習をしなくなったのですが、数週間何もしていない状態で試験本番に臨みテンパる、という事があったので、試験直前にはMagooshのアプリ等を使って思い出す程度に練習する様にしていました。

但し、一時期発音をなんとか改善しようと練習していた事もあり、前述の通りListeningセクション対策のシャドーイングをする時は発音にもなるべく注意するようにしていました。その効果が出たのか分かりませんが、一度だけSpeakingセクションで24点を取る事ができ、これは純ジャパの壁を一瞬超えられた気持ちになり大変嬉しかったです。

発音に関しては偉そうな事は言えませんが、みんなL/Rの区別といった子音の正しい発音に注意が行きがちですが、母音の方が絶対数が少なく、かつ日本語のアイウエオに対応する母音は本当は一つも無い(日本語と同じ母音を使っている時点で間違っている)ので、母音から改善を意識する比較的早く効果を体感できると思います。以下の動画が参考になりました。

Writing (21点→28点)

トレーニングを通じて地道な進歩を感じられたセクションです。

<Independent>
AGOSの講座を受けた後、フルーツフルイングリッシュで一時期2〜3日に1回のペースで演習を続けました。その後、仕上げとしてトフレの添削コースで2〜3問ほど取り組んでいたところでベストスコアが出ました。

Independentはいかに与えられたお題に沿って、詳細かつ説得力のあるエッセイの流れを「創作」できるかがまず一つ目のポイントだと思います。自分にとってのキーワードは仮定法過去の構文です。
例えば「TVは有害か?有益か?」というテーマに対して、有益だというスタンスでエッセイを作成するのであれば、単に「転校した直後、共通の話題となるアニメを観ていたので、すぐにクラスメイトと仲良くなれた」という内容で終わらせるのではなく、仮定法過去の構文を使って「もしテレビが無ければクラスに馴染めず辛かっただろう」という文章まで継ぎ足す事ができれば一気に説得力が増して得点アップが見込めます。自分は必ずこの仮定法過去でパラグラフを締めくくる様に意識していました。

逆に言えば、こういう仮定法過去の構文を使った締めくくりをどういう風に持っていくかをイメージしながら、逆算する形で話の骨格を作り肉付けしていく事ができる様になれば、限られた時間で説得力のあるエッセイが書ける様になると思います。

これに加えて、ボキャブラリーや文法表現でミスを減らせる様に、色々なテーマでエッセイを練習して、ミス少なく自然とエッセイが書ける「設定」を自分の中に蓄積していく事が大事だと思います。

尚、パラグラフ構成についてはフルーツフルイングリッシュの講師陣に色々なアドバイスをされて一時期迷いましたが、以下の構成に落ち着きました。

  1. 反対意見を踏まえたリード文
    (「TVは有害か?有益か?」というテーマであれば「多くの人がTVは有害だと言っている。その指摘は確かに的を得ているが、自分は以下の理由からTVは有益な側面の方が多いと考える」といった文章。)

  2. 根拠A

  3. 根拠B

  4. クロージング

ポイントはリード文で「想定される反対意見に対する反論」を盛り込んでいる点です。AGOSではここは重要視しなくて良いと言われましたが、エッセイの説得力を高める為にも、結構こだわって書くようにしていました。

長く書きましたが、こういったポイントを押さえて300字のエッセイを書ける様になるのはなかなか大変なので、結局はちゃんと添削を受けながら練習量をこなすしかないと思います。

<Integrated>
これもAGOSの講座を受けた後、トフレの添削コースで演習を行いました。順番としてはIntegratedの準備で基本的な英作文のレベルを底上げしておき、かつリスニングもレクチャーを問題無く聞き取れるくらいのレベルにした上で、最後に短期間集中する形で準備しました。基本的なリスニング力と英作文力があれば、あとは定型の構成と導入文を覚えれば比較的早く形になると思います。

しかし高得点を目指す為には、単に文法的に正確な英語を書けばよいだけでなく、リーディングとリスニングから十分な情報量を抽出してエッセイに盛り込む必要があり、一方で多過ぎる情報を盛り込もうとすると時間切れになってしまう、というトレードオフのバランスが悩ましいところです。
以下ブログで紹介されている通り、トフレは専門の講師がこれら情報の過不足も踏まえた添削をしてくれるので、どれくらいの情報量を盛り込めば良いかの勘所が得られ、演習の効果はとても大きかったです。

【改訂版】Integrated Writing の評価点のつけ方を本試験と同様にしました | TOEFL iBT ® Test対策 オンラインコース トフレ! (tofure.com)

タイピングのスピードに自信がある人は、情報の取捨選択に悩む事なく盛り込みたいと思った情報を短距離走的に詰め込んでいく作戦もあると思います。IntegratedはIndependentと比べれば複雑・高尚な表現を使う必要性は低いと思いますので、簡潔な表現で、特にリスニングで聞き取れた情報は迷わず全て盛り込んでいく、という力ずくな作戦もアリだと思います。
自分は仕事で英語でのミーティングの議事録を英文で残す様な事は結構慣れていた事もあり、どちらかというと文量を多めにして情報をなるべく多く詰め込むようにしていました。

最後に

ここまでお読み頂いてありがとうございました。長く書きましたが、総括するとリーディングとライティングが大きく改善して点数に貢献するという、典型的な日本人のスコアメイクだった様に思います。 スコアメイクが一旦終わった今となっては、日々地道な努力を続けて目に見えた結果が出るというプロセスは充実感を感じられて良かったと振り返ります。

とは言え、一番頑張ったListeningが改善している実感がなかなか感じられず、これがずっと辛かったですし、リスニング力にはまだまだコンプレックスを感じています。一方で、ライティングやスピーキングはTOEFLの勉強を通じて確かに力がついたと感じています。仕事で書く・話す英語のクオリティがこの一年でかなり向上した実感があります。

お読み頂いている方に何かアドバイスをするならば、私のSpeakingセクションのスコアの様に、TOEFLのスコアと実際の英語力は必ずしも直結しないとも思いますので、スコアがなかなか伸びなくとも正しい努力を続けている限りは実力は付いているはずなので、一喜一憂しなくて良いかなと思います。

これからGMATのVerbalの勉強を始めるので、リーディング力はもうちょっと改善すると期待しており、GMATが落ち着いてスケジュール的に余裕があればIELTSで7.5、あわよくば8.0を目指したいと思っています。

ああ、このnoteを書き終えてようやく少し前向きな気持ちになってきました。早速今日から気持ちを切り替えてGMATに臨みます。では。

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