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マッチレビュー 24.08.28 vs Rayo (La Liga)



はじめに

Hola, todos! 1回ミッドウィークに試合があると執筆が追いつかないです…泣
改めて、4節のバジャドリー戦のことは一旦忘れていただいて、3節のラージョ戦を振り返って行きましょう!

まず初めに試合前情報を少し。なんと第2節終了時点にて2連勝はバルサとセルタのみ。前日にセルタがビジャレアルに負けたため、勝てば唯一の開幕3連勝で単独首位となる一戦。相手はマドリード自治州に位置する難敵ラージョ。鬼門バジェカスではここ3シーズンバルサは勝てていない。そんな中バルサはついにあの男が…
さっそく両チームのスタメンを見ていきます!

両チームスタメン

スタメン

バルサ

まずはバルサから。まずは何より、クリステンセンのアキレス腱の負傷についての4か月以上の診断書が受理され(期間の審議はさておき)、ついにダニオルモの登録が完了しベンチ入り。アトレティック戦から中2日のバルサは大々的なターンオーバーはせず、前節からの変更点は左SBのバルデをジェラールマルティンに替えたのみ。ここ2試合ピボーテで出場していたエリックガルシアが軽傷を負いベンチから外れ、替わりにクエンカがベンチ入りしている。

ラージョ

続いてホームのラージョ。なんといっても話題は、現地時間15:00頃に公式発表された、ハメス・ロドリゲスの獲得だろう。2014年のブラジルワールドカップでの鮮烈な活躍を見せ、マドリードに移籍するも結果を残せず、その後バイエルン、エバートン、アルラーヤン、オリンピアコス、サンパウロと様々なクラブを転々としていたが、この夏のコパアメリカでは1点6アシストもの成績を残してコロンビアを準優勝に導き、大会MVPにも選出された。登録がまだ完了していないため、この試合に出場することは叶わなかったが、またリーガに1人楽しみな選手が帰って来ましたね。現地カメラは何回もスタンドで観戦する彼の姿が抜かれていました。

相変わらずイケメンすぎますね

戦績の方は開幕2試合は1勝1分けで、この試合がホーム開幕戦であったため、オリンピックで金メダルを獲得したカメージョのお披露目が行われた。前節からはそのカメージョなどを含め、中盤と前線の4人を変更した。

前半45分

基本的な保持と非保持の構造

まずは保持時から。バルサは前節と変わらず4-3-3気味のビルドで時折ペドリが気を利かせてベルナルの横に落ちて来てビルドのサポートに入る形。一方ラージョはトップ下のイシがカメージョの横に並ぶ4-4-2の形で、少し小さめのスタジアムというホームのアドバンテージも活かし前からプレスに出て来る。プレスの出方は、2ボランチがペドリとハフィーニャのインテリオールをマークし、2トップがベルナルをうまくカバーシャドウで背中で消しながらCBにプレスをかける構造。この構造だとベルナルがフリーなのでうまくレイオフで前向きのベルナルを起点にサイドに展開してヤマルなどにいい形で勝負をさせたいところ。

バルサ保持時の基本構造

続いて非保持。こちらもバルサは変わらず、レヴィとハフィーニャで相手の2ボランチをマークし、両WGが外切りでCBにプレスをかける。基本SBはぼかしておき、ボールが渡ったらSBが縦スライド、CBが横スライドして空いたスペースをピボーテのベルナルが埋める形で対応。いぜれかのスライドが間に合わなそうであったら、割り切って自陣で4-4-2のブロックを敷く。

バルサ非保持時の基本構造


相手SBがボールを持った時のスライドの図

ラージョはボールの保持にはこだわらず、前線に長いボールをつけながらセカンドの回収を徹底し、開始から果敢にSBを上げてサイド攻撃を試みる。バルサは両WGを外切りでCBまでプレスに出しているため、セカンドをラージョに回収された時にサイドバックへのプレスバックが間に合わず、同サイドで局面的な数的不利が発生し立ち上がりから何度か危ないシーンを作られる。

積極的にSBを上げて攻撃を展開するラージョ

そんな中開始9分、いきなり試合が動く。

09' GOL de Rayo  RAY 1-0 BAR

ムミンが右SBのバリウへロングボールで展開すると、そこにジェラールマルティンが遅れながらスライドでプレスに行くが、後ろのイニゴが連動できておらず、フリーのデフルートスにヘディングでパス。バルサの守備陣はラインを上げてデフルートスをオフサイドにかけようとするが逆サイドのクンデがギリギリ残っており、オンサイドでデフルートスが右サイドを駆け上がる。グラウンダーのクロスをウナイロプスがニアに決めてホームのラージョが先制。バルサはプレス設計上、SBにボールが入った時の対応が曖昧という課題点が露呈した失点となった。

先制点後も勢いそのままに攻撃の姿勢を緩めないラージョに対し守備の時間が増え、攻撃でもなかなかいい形を作れず時間が経過していく。

前半のクーリングブレイクを機転に、ラージョが自陣に引いて試合を落ち着かせにかかったため、右サイドのヤマルを起点に何度か右サイドから押し込む展開にはなるは、決定機の演出までは行くことが出来ない。

そのまま前半はラージョペースでバルサは決定機を作れずに終了。

後半45分

前半良いとこなしだったバルサはHTでフリックが動く。

HT' CAMBIO del Barca (1/5)
7. Ferran Torres → 20. Dani Olmo

後半の頭から、フェランに替えてようやく登録が完了したダニオルモを起用。右のインテリオールに入り、ハフィーニャがフェランがやっていた右のWGに移動した。この交代が絶大な効果を発揮する.

HT交代後のバルサの布陣

後半開始早々オルモが魅せる。ベルナルの楔のパスを受けるとマークに付かれていたがワンタッチで前を向き前進すると、左サイドのジェラールマルティンに展開。バイタルエリアでリターンを受け、PAに侵入すると軸足裏を通してDFをかわしたとこで足を掛けられ倒されるがここはラ・リーガ。無論そんなファールは取ってはくれない。しかし、開始早々オルモ1つ存在感を発揮しチャンスを作った。もうすでにフェランより良い。

オルモがピッチのいろいろなところに顔を出しボールを引き出し、適切に裁くことで徐々に相手陣内で押し込む時間が増えチャンスを作れるようになったバルサは、そのダニオルモを機転に決定機を作る。

ペドリとベルナルと出し入れしながらクバルシが前進し、ペドリを経由して左サイドのジェラールマルティンへ。右から流れてきたオルモとワンツーをすると、うまくポケットを取ったハフィーニャへ。ボールを受けたハフィーニャの高速のグラウンダーのクロスにレヴァンドフスキが合わせようとするも足が合わず、ボールは流れて行ってしまった。同点弾こそ実らなかったが、オルモを含め多くの人が関わって1つ決定機を作ることに成功した。

その後も同点に向けて攻勢を強めるバルサに対し、ラージョも早めに交代を切る。

CAMBIOS del Rayo (2/5)
・17. Unai Lopez  6. Ciss
・8. Alvaro Garcia → 2. Embarba

先制点を取ったボランチのウナイロペスに替えてシス、左SHのアルバロガルシアに替えてエンバルバを投入。2枚とも同じポジション同士の交代となった。

しかし攻撃の手を緩めないバルサがついにゴールネットを揺らす。

60' GOL de Barca  RAY 1-1 BAR

相手のクリアボールをイニゴがペドリに繋ぐと、ペドリが緩急をつけながら力強い前進。2人を引き付けると1度左サイドのハフィーニャに預け、足を止めずにPAでリターンをもらうと、ファーストタッチが少し乱れたが、思い切りよく左足を振りぬきゴール。ペドリの今季初ゴールでバルサが同点に追いつく。

ペドリの前進からフィニッシュまで一連の流れが見事だったが、ハフィーニャのボールをもらう前のプルアウェイの動きも絶妙であった。

同点に追いつかれたラージョは更なる2枚替えでバルサに握った勢いを取り戻しにかかる。

64' CAMBIOS del Rayo (4/5)
・19. de Frutos → 15. Gumbau
・14. Camello → 11. Nteka

右SHのデフルートスに替えてラマシア出身のグンバウ、そして前線のカメージョに替えてエヌテカを投入。イシが右SHに移動し、グンバウがトップ下に入り4-2-3-1のような形になった。

CAMBIO del Barca (2/5)
・35. Gerard Martin → 3. Balde

同時にバルサの2枚目の交代を行う。左SBのジェラールマルティンに替えて、バルデを投入。さらなる左サイドの活性化を図る。

68' CAMBIO del Rayo (5/5)
・23. Oscar Valentin → 3. Chavarria

ラージョは68分に思わぬ形で最後の交代カードを切る。キャプテンのオスカルバレンティンがヘディングの着地時に足首を捻り負傷。代わりにチャバリアが入った。

 ラージョの怒涛の交代後も、攻撃の手を緩めないバルサは71分に再びゴールネットを揺らす。

右サイドでヤマル・クンデ・ペドリが三角形を形成。ペドリがボールを失いかけるもクンデが即時奪還し、再びペドリへ。ペドリからのパスをヤマルがPA角で受け左足を振る。シュートはGKに阻まれるがこぼれ球をレヴァンドフスキが拾うと、角度が無い中少しずらしてシュートコースを作ってゴール右隅に流し込む。

レヴィの2試合連続ゴールでバルサが逆転に成功したに思われたが、VARでクンデがボールを奪った所でエンバルバの足を踏んだとしてファールを取られノーゴールに。

しかしそれでもめげずにゴールを目指すバルサはついに逆転に成功する。

82' GOL del Barca  RAY 1-2 BAR

FKの流れから相手のクリアボールを右サイドでバルデが拾うと、少し前進してヤマルへ渡す。するとヤマルはドリブルで縦に相手を抜き去りマイナスへクロス。これを受けたダニオルモがトラップから左足を振るとシュートはゴール左隅へ突き刺さり、ダニオルモのデビュー戦ゴールバルサが正真正銘逆転に成功する。

開幕から2試合財政の都合上登録が出来ずスタンドから見守っていたオルモ。彼のプレーが一級品であることには間違いないが、トップ下のポジションはフェルミンやギュンドアンがいたこともあり獲得当初はその必要性を疑問視する声も少なくなかったが、しっかりとデビュー戦で違いを見せ、己の存在価値を証明した。

逆転後はボールを保持しながら無難に時計の針を進める。

90+1' CAMBIO del Barca (3/5)
・8. Pedri → 16. Fermin

91分、バルサが2回、3枚目の交代カードを切る。ペドリがシスのドリブルの持ち運びが大きくなった所を突っつくと、相手に足を思い切り蹴られ負傷交代。代わりにフェルミンが入った。試合後ペドリは無事であり、全体練習に問題なく参加しているとのこと。

90+5' CAMBIO del Barca(4/5)
・19. Lamine Yamal → 18. Pau Victor

アディショナルタイム5分にバルサが最後の交代カードを切る。ヤマルを下げてパウビクトルを投入し、試合の締めにかかる。

しかし直後のアディショナルタイム6分に悲劇が襲う。
ベルナルがカウンターを止めようとイシのドリブルに足を出した際に、コンタクトで膝が内側に巻き込まれ負傷。ベルナルはピッチに倒れると起き上がれず、スタッフの方を借りてやっとのこと立ち上がったが、1人で歩くことは出来ずバルサは残りわずかな時間を10人で戦うことに。なんと後日の検査結果、ベルナルは左ひざの前十字靭帯の断裂および外側半月板の負傷が確認されたとのこと…

ここまで弱冠17歳にして開幕戦から3試合連続でピボーテを勤め上げ急成長を見せていただけに、非常に残念な負傷となってしまった。We are with you, Marc.

そのまま試合は終了。バルサが開幕3連勝で単独首位に躍り出た。

開幕3連勝!


試合総評

またも前半はSBを起点とし攻撃に出るラージョの勢いに飲まれ早い時間に先制を許し、攻撃では勢いそのままの強度の高いプレスと狭いピッチもあり、クーリングブレイクまでほとんんど決定機を作れなかったが、そんな戦況を後半から入ったダニオルモが1人で一変させた。ポジションにとらわれずピッチを幅広く動きながらビルドアップの出口となり、相手ゴール前ではその確かな技術でペドリと共にチャンスをつくりだした。後半の守備は、若干の最終ラインのコントロールの不安感は残ったものの、ほとんど相手に攻撃でいい形を作らせず、しっかりと試合を締めることに成功した。ベルナルの怪我だけが本当に悔やまれる。

選手評価

Starting 11

1. Ter Stegen - 5.0

可もなく不可もなくというパフォーマンス。最終ラインを非常に高く設定していおり、今節のようにうまく潜り抜けられるとすぐ失点のピンチになりかねないので、彼のファインセーブには今年もお世話になりそうだ。

23. Jules Kounde - 7.0

無敵の右ラテラル。守備面に関しては文句なし。攻撃参加を控えていた昨季とは対照的に、今季は積極的に攻撃参加し、ヤマルがボールを持った時には内側・外側を駆け上がり、ヤマルをサポート。ワンツーやオーバーラップなどのコンビネーションも多々見られた。

2. Pau Cubarsi  - 5.0

前2節のような目立ったミスはなく無難なパフォーマンス。オルモが入り、選手同士の距離感が改善された後半は、オルモやペドリに何度も楔を付けビルドアップを遂行。五輪から十分な休息も取らず出ずっぱりなので早く休ませたい。

5. Inigo Martinez - 3.0

ライン設定が高いせいもあり、背後へのカバーのスピード不足がやはり目立つ。スピード不足を補うにはオフサイドにかけるしかないが、無理にオフトラを掛けたり、十分に連携が取れていないと、今節のような失点をしてしまうため、一刻も早いアラウホの復帰が望まれる。

35. Gerard Martin 5.0

2試合連続で途中手出場していたが、3試合目にてバルデに替わり初先発を果たした。同サイドのWGを担うフェランの責任もあるが、攻撃時は出しどころに悩んで消極的なバックパスが多く、守備でも徐に後ろのスペースを空け失点に関与してしまった。後半はチーム全体のバランスが良くなり、攻撃でもハフィーニャやオルモ・ペドリなどとの良いコンビネーションが何回か見られた。

28. Marc Bernal - 8.0

オルモが公式のMOMに選出され、無論文句はないが、個人的にはベルナルをオルモの次のMOMに選びたくなるくらい、この日のベルナルは素晴らしかった。保持時の微妙なポジショニングでCBからのパスコースの確保し、前を向いた際は淡々と両サイドに展開。しかし特筆すべきはネガトラ時のプレーだろう。チームメイトがボールロストするとすぐさま圧縮をかけてクリアボールを拾って二次攻撃を促し、相手のパスが数本つながりそうな時にも、しっかりとその芽を摘み相手のカウンターを何度も切っていた。特に守備面の成長甚だしいだけに本当に怪我が悔やまれる。一日も早い復帰を願っています。

11. Raphinha - 8.0

この人も開幕から好調を維持し続けている。トップ下でも左WGでも背後へのアクションを絶やさず攻撃の活性化を図り、守備もさぼらず90分間献身的に走り続けた。

8. Pedri - 8.0

前半は少しらしくないボールロストも見受けられたが、後半にダニオルモが入ってからは彼と共に攻撃のタクトを振るい、見事な前進から同点弾を自ら沈めると、その後も要所要所にに顔を出して恋劇をサポートし続けた。終了間際に接触で負傷交代をしたが、自分で歩けていたし、大丈夫であろう。本調子を取り戻したペドリが怪我をせずシーズンをフルで戦うことが出来たら、それが何よりの補強である。

19. Lamine Yamal - 8.0

まだ本調子とまでは行かないが、それでも十分すぎるほど相手の脅威になっており、チームの攻撃の起点になり続けた。今日もダニオルモの勝ち越し弾をアシストするなど、着実に得点関与が増えていている。

7. Ferran Torres - 3.0

基本的なパスやトラップなどの技術が乏しいのに加え、ピッチが狭く相手と距離感も自然と近くなるため、左サイドから流動的に中に入りバイタルで何度かボールを受けるもそのあとのパスやフリックがズレ、ロストしまくりでHTで交代。代わりに入ったオルモと比較するとその差は歴然。徐々に出場時間が減っていくだろう。

9. Lewandowski - 6.0

前半はチーム全体が低調なためほとんどいい形でボールをもらえることが出来なかったが、後半からはチャンスシーンが増え、自らゴールネットも揺らし、3試合連続得点かに思われたがVARにより取り消しに。しかしポストプレー時も1タッチ2タッチでシンプル前向きを使ってゴール前の局面に専念するようになったおかげか、そのコンディションの良さは明確である。

Substitutes

20. Dani Olmo (HT'~) - 9.0

ライン間で顔を出し続け、狭いスペースでも前を向いてゴールへの推進力を発揮し、攻撃を活性化させて文字通り1人で戦況を一変させた。デビュー戦で値千金の勝ち越し弾も決め、文句なしの本日の公式MOM。

3. Alejandro Balde (65'~) - 5.0

ジェラールマルティンに替わり65分から出場。オンザボールでの勢いのある前進は良いが、やはりまだ状況判断の悪さが散見される。バルデが守備ライン上で1人残り、イシをオフサイドにかけ損ねたシーンは戦犯になりかけた。

16. Fermin Lopez (90+1'~)

出場時間が短く評価不可。

18. Pau Victor (90+5'~) 

出場時間が短く評価不可。

Coach: Hansi Flick - 8.0

出来の悪い前半を見てしっかりとHTに交代を用いて修正し、見事逆転に成功し、3連勝でチームを単独首位に導いた。相変わらず開幕から怪我人に悩まされており、エリックガルシアが負傷でベンチ外になっていなければ、高確率で最後の交代時にベルナルと交代させていただろうだけに、ベルナルの怪我が改めて悔やまれる。

終わりに

最後まで読んで頂きありがとうございました!インターナショナルマッチウィークの間に4節のレビューも上げたいと思うので、是非ともフォローやイイねを宜しくお願いします!





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